大都市近郊型のモデルシティ

レストン・ヴァージニアは、ワシントンDCメトロポリタンエリアに含まれる合衆国統計局による国勢調査指定地域で、DC、Virginia、 Marylandの3つの州が隣接している、アメリカの代表的な大都市近郊型のモデルシティとして計画的に創られた、国際的にも知られた街です。

住居と職場（Live and Work）の融合をコンセプトに、のちに主流となった、ニューアーバンニズムを踏襲するアメリカの都市近郊型シティのモデルケースとしての成功例です。住宅地からほぼ徒歩10分前後の距離内に、小売店、ブランド店、レストラン、カフェ、オフィス、金融機関、ホテル、劇場、アートギャラリー、病院などのあらゆる施設が整然と配置されています。

なおかつ、湖や林、公園などの自然環境が、バランスよく取り囲んでいて、人が快適に暮らしていくための、本質的で、理想的な都市景観が備わっているといえます。

散歩感覚のスピードで15分も歩けば、野鳥や広葉樹の林、大小の池や湿地帯などの自然がそのままに残されていて、レストランの予約の時間までの散歩や、買い物帰りの夕日見物など、時間の使い方の質もリズムもここでは少しちがっているように感じられます。

スタイリッシュなサブアーバンライフ

全米でもっとも所得の高いエリアの一つであるこのモデルシティには、ロールスロイスの営業所や、高級フレンチレストラン、アメリカのアッパーミドルクラスのライフスタイルをターゲットとするインテリアブランド、家庭雑貨ブランドの店舗群が整然と軒を連ねていて、オンラインビジネスの台頭で、今はほとんど死語となったウィンドウ・ショッピングの優雅な楽しみ方が、ここではまだじゅうぶんに生きているといえます。

逆に、生鮮食料品の買い物のための大型スーパーマーケットには、クルマでさらに郊外に行くことになります。アメリカの場合、スーパーマーケットへの買い物は週1回程度で、かならず買ったものを運ぶためにクルマが必要で、スーパーマーケットへの買い物のために歩いて出かけることはほとんどありません。都市景観を優先させ、高い生活水準を維持するスタイリッシュなサブアーバンライフの快適さを実感するためには、大型のパーキングを必要とするスーパーマーケットやホームセンターが徒歩圏外となるのは当然といえます。

何もかもがコンパクトに整然と供給・配備されているサブアーバンライフ。鍵やカードキーで保証されるセキュリティと電話1本で、メンテナンスや修理のアポイントが完了する、ストレスフリーの行き届いた管理体制のもとでのマンション（アパート／コンドミニアム）ライフのシンプルさと利便性は、やはり魅力的です。

このようなライフスタイルから自然と生まれる余裕や余暇を、パーソナルケアや趣味や散歩や食事や映画や読書や子供たちのケアに費やすことができるのです。

無駄のない（ストリートには紙くずすらもない）、計算された大通りとパス（小道）の配備、パーキングメーターのないどこにでも駐車できる広いストリートとサイドウォーク、フリーウェイへのアクセスの便利さ、首都ワシントンDCの中心部までは20分、ワシントンDulles空港まで15分、ニュージャージー、ニューヨーク・マンハッタンまで4時間のドライブでアクセス可能な立地条件。郊外にいながらにして、大都会のダイナミズムすらも必要なときにじゅうぶんに満喫できるというバランスライフには、本当の意味でのシンプルライフの現実的な充足感を感じます。

デザイン＆プランニング
Yoko Ueno Lewis（ヨウコ・ウエノ・ルイス）
ウェブ＆ブログ｜www.yokoueno.com
http://lookslikegooddesign.com/wooden-products-by-yoko-ueno-lewis/
オンラインショッピング｜http://kaunis.jp/handle_uenoyokolewis.php