NOOKA|マシュー・ワォルドマン Vol.35 「デザインとアートの旅」
写真で今年のデザインウィークを追体験!
Vol.35 デザインとアートの旅~東京デザインウィーク2013~
基本的に、僕は祭日という概念が好きじゃないみたいです。たとえばプレゼントを贈りたいひとがいれば、そのひとが好きそうなものを見つけるときを、スケジュールに入れる必要ってないじゃないですか。矛盾しているようですが、デザインウィークは、僕にとってはクリスマスやゴールデンウィークのような祭日です。
Text by Matthew Waldman
外苑近くのオフサイトの展示会は、素晴らしかった
東京デザインウィークのイベントではありませんが、この旅は大阪からはじまりました。SOZギャラリーで、NOOKAのデザインインスピレーションをテーマにしたトークショーをおこないました。真っ白の空間のなか、吉川雅広さんの料理を楽しみながら、デザインのプレゼンテーションをしたあとは、お酒を飲みながらの交流会も。素敵な夜。その翌日から東京へ!
今年の東京デザインウィークは不景気の影響もあるかと思いますが、外苑のメイン会場は、正直あまり面白くなかったです。でも、外苑近くのオフサイトの展示会は、素晴らしかった。まず「寺山修二の言葉展」はとても面白かった! 14人の日本人のクリエイターが、寺山さんの言葉をアートやインスタレーションで表現した展示会で、感動的な作品ばかり! おなじ場所では「ANY TOKYO」の展示もおこなわれていた。簡潔に言えば、現在のトレンドをフューチャーするショー。3Dプリンティングや、充電池とLEDを使うプロダクトなど、まだ安定していない技術の可能性がテーマだったような印象。
六本木の21_21デザインサイトの展示会は、「日本のデザインミュージアム実現に向けて」がテーマ。いつものようにキュレーションは完璧。展示自体はすごく良かったが、ひとつだけ注文が――日本人のデザイナーだけが出展することは、日本のデザイン界の現状を無視していると思います。日本の企業は世界のタレントと仕事をしているのに、それを日本のデザイナーだけに限るのは正しくない。グッドデザインは国際的だし、普遍的。
おなじ東京ミッドタウンの「DESIGN TOUCH」は、ほとんどが企業の出展だったので、それほど面白くはなかった。折り紙ランプはすごくきれいで、折り畳むカップとバイクヘルメットは良いアイデアのデザインですが、ほかに記憶に残るものはなかったかな。学生作品賞もあったが、ありがちなビジュアル上の隠喩的表現のプロダクトが多かったように思えます。
僕がよく語るアートとデザインの交差を考えると、一番気に入った展示会は、原 研哉さんがキュレーションしていた「Architecture for Dogs」。犬(猫も楽しむと思う)と人間の環境をよりフィットさせるような、見ていて楽しいもの、便利そうなもの、何より奇抜なものがいっぱい! 本もあったし、デザインを無料でダウンロードしDIYできることも素晴らしかったです。
表参道ヒルズの地下で開催されていた「場と間」の展示会は、オランダと日本のデザイナーを集めていました。トークショーと展示の構成で、飲みながら学べる価値深いイベントだったと思います。
最後に訪れたオフサイトは渋谷の「SHOWCASE」。英語で言えば“the art of design”。「美と価値を集め、記すこと」。古い倉庫スペースで美術館展示のような環境だった。とても良かったです。
ともあれ僕の言葉よりも、写真で今年のデザインウィークの体験をご覧ください。
Matthew’s recommendation – Vol.4: S9EZ SET
クリエイティブブランド「S9EZ」とコラボレーションしたウォッチとフィギュアのセット。
フィギュアはNookaウォッチをディスプレイすることができます。