地球にやさしい“スマートタウン”、仙台市郊外に誕生|積水ハウス
積水ハウス
エネルギーも自給自足の時代へ
地球にやさしい“スマートタウン”、仙台市郊外に誕生
昨年の東日本大震災で大きな被害を受けた東北地方。東北最大の都市、仙台市も例外ではなく、震災から1年以上が経過した現在も復旧作業がつづけられている。そんな同市の郊外から明るいニュースが届いた。「快適」「安全」「クリーンエネルギー」と3拍子そろった、日本初のスマートタウンが誕生したのだ。
Text by TANAKA Junko (OPENERS)
快適で安全なまちづくりを目指して
1999年に「環境未来計画」を発表して以来、クリーンなエネルギーで豊かな暮らしを実現するべく、新しい省エネ・創エネ技術の開発に取りくんできた積水ハウス。2009年には、その集大成として、太陽光発電システムを搭載した住宅「グリーンファースト」を発表。さらに2011年8月には、クリーンエネルギーだけで機能する次世代住宅「グリーンファースト ハイブリッド(以下、「ハイブリッド」)」を発表。新エネルギー財団が主催する「新エネ大賞」の「経済産業大臣賞」を受賞し、大きな注目を集めた。
ハイブリッドは、世界で初めて3つの電池を搭載した“スマートハウス”。太陽の光で電気をつくる「太陽電池」、ガスで電気とお湯をつくる「燃料電池」、電気を蓄えることのできる「蓄電池」の3電池と、HEMS(ホーム・エネルギー・マネジメント・システム)を組み合わせることで、いつも安定して電気を供給することができる。
時間によって変動する電気の消費量。ハイブリッドは、消費量の少ない日中の電気を燃料電池でまかないながら、太陽電池で電気をつくって売電(電力会社に電気を売ること)。蓄電池には、電気代がリーズナブルな深夜に商用電力を蓄えて光熱費を削減。消費量がピークを迎える夕方から夜にかけては、蓄電池に蓄えた電気を利用して、できるだけ商用電力に頼らない暮らしをめざす。
その一番の特徴は、停電時に3つの電池だけで電気をまかなう、“自給自足”のシステムに切りかわること。そして、ガスや水道までが使えない非常時にも、長時間(450ワットで17時間)電気を使いつづけられることだ。“災害に強い住宅”として期待されている。
仙台市郊外、黒川郡富谷町明石台に誕生した「スマートコモンシティ 明石台」は、震災後初となる大型の分譲住宅。ハイブリッドを中心に431戸を備える。東北復興への大きな足がかりとなるか、環境に優しいスマートタウンのこれからに注目したい。