発電量を“シェア”する太陽光発電システムサービス
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2015年5月14日

発電量を“シェア”する太陽光発電システムサービス

一般向けソーラーパネルの新常識となるか?

発電量を“シェア”する太陽光発電システムサービスが始動!

2012年7月に施行される「再生可能エネルギーの固定価格買取制度」を前に、一般向けソーラーパネルにいっそう注目が集まるなか、デジタルコンテンツの配信やレンタル事業などを手がけるDMM.comは2月15日、ソーラーパネルの導入費用を大幅に軽減するあたらしい太陽光発電システムサービス「DMMソーラー」の受付を開始した。

Text by TANAKA Junko (OPENERS)

10年間、ソーラーパネル発電で得た電力をシェア

2009年に「太陽光発電の余剰電力買取制度」を開始したことを皮切りに、政府は太陽電池の導入を支援する施策を積極的に打ち出している。これは「日本で使う電気は日本でつくる」という考えのもと、太陽光発電をはじめとしたクリーンな自然エネルギーを普及させ、“低炭素社会”の実現を目指す国の方針に基づいたものだ。なかでも、一般家庭でも自家発電を可能するソーラーパネル(太陽電池を複数枚接続したパネル)は、災害時にエネルギーが途絶えない仕組みづくりという観点からも、東日本大震災を経たいま、よりその重要性を増している。

国際エネルギー機関(IEA: International Energy Agency)が発表したデータによると、2010年、太陽電池を使って発電した電力は約3.6ギガワット。そのうちの81.4%を一般向けのソーラーパネルが発電している。着実に増えつづけてはいるものの、現在のところ、太陽電池の発電量は国内における全発電量のわずか1.5%にすぎない。その理由のひとつとして指摘されているのが、100万円から200万円ともいわれる高額な導入費用だ。

「DMMソーラー」は、ソーラーパネルメーカーおよび設置業者とタッグを組み、大量仕入れをおこなうことでコストダウンを図り、この導入費用を大幅に軽減しようと考案された太陽光発電のあたらしいビジネスモデル。同社と契約を結んだ契約者は、8万円という初期費用だけでソーラーパネルを設置することができる。契約期間は10年間で、その間、契約者とDMM.comはこのソーラーパネルが発電した電力を“2:8”の割合でシェアする。たとえば、年間1000kWhの発電量があった場合、契約者にはそのうちの200kWhが、DMM.comには残りの800kWhがそれぞれに割り当てられる計算だ。この契約期間を過ぎると、ソーラーパネル発電で得た電力はすべて契約者のものとなる。

DMMソーラー 02

©DMM.com

このソーラーパネル発電、太陽の光が差している日中は発電量が増えるものの、消費する電力が少ないということが多いため、差額分の電気は電力会社に売電(電気を売ること)することができる。ここで適用されるのが、太陽光や風力、水力などの再生可能エネルギーをもちいて発電された電気を、一定の期間・価格で電力会社が買い取ることを義務づけた「再生可能エネルギーの固定価格買取制度」だ。契約者の住む地域や屋根のサイズなどの設置条件により発電量は変わってくるが、平均して年間約4000kWhから4800kWhの発電量が期待できる。ただ、日中の発電で得た電力は蓄電することができないので、逆に太陽の光が弱い朝、太陽が沈んだあとの夜は、従来どおり電力会社から電気を買って使うことになる。

電力会社との売電のやり取りはDMM.comが責任を持っておこない、“2:8”の分配率に沿って半年ごとに契約者に還元する。発電量が消費量を上回っていた場合には、おもわぬ臨時収入が得られることになる。リスクを少なく利益を共有する太陽光発電業界のあたらしいビジネスモデル。申し込み受付を開始してから約2週間で、すでに1000件近くの申し込みがあったという。一般向けソーラーパネルの新常識となるのか、今後の動向に注目したい。

DMM.com
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