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2021年11月22日
フェラーリ、限定生産のタルガモデル「デイトナSP3」を披露|Ferrari
Ferrari Daytona SP3|フェラーリ デイトナSP3
フェラーリ、限定生産のタルガモデル「デイトナSP3」を披露
フェラーリは11月21日、「Icona」シリーズの新モデルとなる「デイトナSP3」を、フェラーリ・フィナーリ・モンディアーリを開催中のムジェロ・サーキットで初披露した。
Text by AKIRA Ishihara
0-100km/h加速2.85秒、最高速度340km/hという圧倒的なパフォーマンス
Iconaシリーズは、1967年2月6日に開催された国際スポーツカー選手権の初戦であるデイトナ24時間レースで達成された、フェラーリ330P3/4、330P4、412Pによる伝説の1―2―3フィニッシュにインスパイアされた同社の限定モデルだ。デイトナSP3はその中で、フェラーリ モンツァSP1、SP2に続くシリーズ3番目となるタルガモデルとなる。
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ボディは全長4,686×全幅2,050×全高1,142mm、ホイールベース2,651mm。エクステリアは、頂点が2つあるフロントフェンダー、フェンダー頂点に設置したミラー、ラップアラウンド式のウィンドスクリーンを先端とするキャビン、ほっそりとしたウエストから外へ張り出したサイドボディ後部、テールに向かって再び絞り込まれるリアなど、1960年代の330P4のような美しいスポーツプロトタイプレーシングカーを彷彿させる彫刻的なデザインとした。ドアはバタフライ式を採用した。
インテリアはレーシングカーの要素を生かしながら、ドライバーとパッセンジャーがくつろげる環境を構築。シートはシャシーと一体化し、トリムはシームレスに連続してドアまで延長。ドライビングポジションの調整は、ペダルボックスを動かして行う方法だ。また、ダッシュボードはそれと明確に分離してほっそりと引き締まり、内張の中に浮いているように見える。2層に分かれた上部はすっきりとしたトリムで覆われ、HMI(ヒューマンマシンインターフェイス)のタッチコントロール類はその下側に集められている。
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ステアリングホイールは、すでにSF90シリーズやローマ、296GTBに導入されたものと同じで、ステアリングホイールから手を離さずに機能の80%を操作できるもの。コクピットのスクリーンは16インチの曲面HD式だ。
パワートレーンは、812コンペティツィオーネのもの(F140HB)をベースにブラッシュアップし、搭載位置をミッドエリアに移したF140HCエンジン。バンク角65°の自然吸気6.5リッターV12直噴エンジンは、最高出力840ps(618kW)/9,250rpm、最大トルク697Nm/7,250rpmを発生し、最高許容回転数は9,500rpm。驚異的なサウンドとともに、7段F1デュアルクラッチギアボックスを介したパフォーマンスは、0-100km/h加速2.85秒、0-200km/h加速7.4秒、最高速度340km/hという圧倒的なもの。
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シャシーとボディは、F1から直接取り入れた技術であるコンポジット製で、ハンドレイアップで作られるT800カーボンファイバー製タブや、T1000カーボンファイバーを使ったドアとシルなどとなる。
エアロダイナミクス面でのトピックとなるのは、リアのアンダーボディにあるフロアチムニーで、リアフェンダーに組み込んだ2個のルーバーまで垂直のダクトでつながり、ボディ上下の気流を流体力学的に結びつけることができる構造になっている。これらにより、空力効率はフェラーリ史上最高レベルに達したと謳われる。
タイヤはピレリと共同開発した専用のF265/30ZR20、R345/30ZR21サイズとなるP ZERO Corsa。フェラーリSSCは最新バージョンの6.1、コーナリングパフォーマンスを引きあげるFDE(フェラーリ・ダイナミック・エンハンサー)も搭載した。
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