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2022年3月15日
e-モビリティ時代のワーゲンバス──フォルクスワーゲン、新型「ID.Buzz」を世界初公開|Volkswagen
Volkswagen ID.Buzz|フォルクスワーゲン アイディ.バズ
Volkswagen ID.Buzz Cargo|フォルクスワーゲン アイディ.バズ カーゴ
フォルクスワーゲン、新型「ID.Buzz」を世界初公開
フォルクスワーゲンは3月11日、BEVのワンボックスモデルとなる「ID.Buzz(アイディ.バズ)」と「ID.Buzz Cargo(アイディ.バズ カーゴ)」を発表した。
Text by HARA Akira
今秋からヨーロッパの数カ国で販売開始
2台のエクステリアは、1950年台に登場したフォルクスワーゲン T1(タイプ2、またはワーゲンバスとも呼ばれる)をモチーフにしたアイコニックなデザインが特徴で、そのDNAを現代的に解釈し、e-モビリティの時代に移植したモデルと説明される。
全長は4,712mm、全幅1,985mm、全高は1,937mm〜1,938mm。ホイールベースは2,988mmで最小回転半径は11.1メートル。クリアなフォルムは、卓越したエアロダイナミクスを達成していて、「ID. Buzz」のCd値(空気抵抗係数)は0.285で、「ID-Buzz Cargo」は0.29。これにより、エネルギー消費量が削減され、航続距離が延びている。
5人の乗員と荷物(容量1,121リッター)のための十分なスペースが創出されていて、2列目シートを折りたたむと、積載量は最大2,205リッターに増加。カーゴモデルには、ユーザーのニーズに応じて2人、または3人乗りのフロントシートと積載スペースを仕切る固定パーティションがあり、2枚のユーロサイズのパレットを横方向に積載することができるという。インテリアにレザーを一切使用していないのも特徴だ。
搭載するバッテリー容量は77kWh(総エネルギー容量:82kWh)で、150kWの電気モーターはかつてT1が搭載していた水平対向エンジンのように、後輪を駆動する。サンドイッチ構造のフロアに統合されたバッテリーの位置と軽量な電気駆動システムにより、優れた重量配分と低重心を実現し、ハンドリングと俊敏性を最適化。
リチウムイオンバッテリーは、11kWの交流(AC)電流を使用して、ウォールボックス、または公共充電ステーションで充電が可能に。直流(DC)急速充電ステーションのCCSプラグコネクターを使用すると、最大170kWの出力で充電することも可能で、この場合約30分でバッテリーを5%から80%まで充電することができる。将来的にはISO 15118規格により、車両が自動的に認証される「プラグ&チャージ」機能も利用できるようになるという。
運転支援面では、他の車両や輸送インフラからの信号を利用して危険をリアルタイムで特定する「Car2X」地域警告システムを標準装備。エマージェンシー ブレーキ機能「Front Assist」やレーンキーピング アシスタント機能「Lane Assist」も標準装備した。またソフトウェアも新しくなり、オプションで用意する「スウォーム(群知能)データを活用したTravel Assist」によってすべての速度範囲で部分的な自動運転が実現し、高速道路での車線変更をアシストが可能に。また、以前に保存したルートで自動駐車を行うための「メモリー機能」も新たに追加されている。
「ID. Buzz」モデルラインナップは、ハノーバーにあるフォルクスワーゲン商用車ブランドの主力工場でカーボンニュートラルな方法で生産される「メイド・イン・ジャーマニー」。今秋から、最初はヨーロッパの数カ国で販売が開始され、先行予約は5月から開始。米国およびカナダでは、「ID. Buzz」により、「マイクロバス」という名称で親しまれてきたクルマが復活を果たすことになる。
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