公道走行可能な初のXXモデル、フェラーリ「SF90 XX」がアンベール|Ferrari
CAR / NEWS
2023年7月5日

公道走行可能な初のXXモデル、フェラーリ「SF90 XX」がアンベール|Ferrari

Ferrari SF90 XX Stradale|フェラーリ SF90 XX ストラダーレ

Ferrari SF90 XX Spider|フェラーリ SF90 XX スパイダー

サーキットから市街地走行までを楽しむことができる稀有なモデル

フェラーリが、「SF90 ストラダーレ」をベースとする限定生産の新たなスペシャルシリーズ「SF90 XX ストラダーレ」と「SF90 XX スパイダー」をアンベールした。XXとして初めて公道走行可能になり、「SF90 XX ストラダーレ」は799台、「SF90 XX スパイダー」は599台限定で生産される。

Text by YANAKA Tomomi

フェラーリのロードカー史上もっとも高いパフォーマンスを実現

跳ね馬のラインアップのなかでもベンチマークといわれる「488ピスタ」や「812コンペティツィオーネ」といったモデルの開発と並行し、20年にわたり、選りすぐりの専門的なカスタマードライバーを対象にサーキットで走る楽しみを提供すべく開発されてきたXXモデル。
フェラーリでは、このふたつの分野で得た経験をもとに、両プログラムのエンジニアリングコンセプトを最大限に生かし、サーキットのパフォーマンスをロードカーでも発揮できるモデルを生み出すことを決意。SF90譲りでPHEVモデルのXXモデルが開発された。
こうして誕生した「SF90 XX」シリーズのパワーユニットは、SF90同様4.0リッターV8エンジンと3基の電気モーターを組み合わせ、2基のモーターはフロント・アクスルに左右に独立して搭載し、残り1基のモーターは、リアエンジンとギアボックスの間に配置。
この構成により、システム全体の最高出力はSF90ストラダーレより30cvアップの1030cv(757kW)を記録した。ちなみに、この数値はフェラーリ全体の新たなパフォーマンスベンチマークとなっているという。
モーターの動力としてリチウムイオンバッテリーが7.9kWh搭載され、フル電動の「eDriveモード」では25kmの走行も可能に。
「eDriveモード」のほかにも、新採用のエクストラブースト機能を使用し、システム最大のパフォーマンスを発揮する「Qualifyingモード」や「Performanceモード」など、計4種類の運転モードを用意。最高時速320Km、0-100km/hは2.3秒を記録する。
トランスミッションは、「SF90 ストラダーレ」で初めて採用された8段デュアルクラッチを受け継いでいるものの、変速ロジックは大きく変更。「デイトナ SP3」で導入された特許取得のロジックが採用されており、ダイナミックな加速特性に寄与するという。
また「SF90 XX ストラダーレ」は、フェラーリ史上どのロードカーよりも効率性の高い空力パフォーマンスを誇るといい、同時に「SF90 ストラダーレ」の最大値よりも倍増するほどの時速250Kmで315kgという最大ダウンフォースを誇る。これに貢献しているのが、SF90 XXシリーズのエクステリアのポイントともなっているリアの固定ウィングだ。
ちなみに、固定ウィングが公道走行なフェラーリに取り入れられるのは1995年に誕生した「F50」以来初めて。機能性としてもデザイン性でもスペシャルなモデルであることをアピールするには十分な存在だ。
このほかにもシャットオフ・ガーニーも再設計され、ダウンフォースと空気抵抗のトレードオフを効率的にマネジメント。配置は2種類あり、LD(ロー・ドラッグ)では、可動エレメントが持ち上がり固定セクションと整列して空気抵抗を最小限に抑え、前後方向のパフォーマンスを強化する効果が。
対して、HD(ハイ・ダウンフォース)では可動エレメントが下降してブロウン・エリアをふさぎ、気流が固定エリアにぶつかることで生まれた過圧エリアがリアのダウンフォースを発生するのみならず、流れ込む気流を縦方向にもそらす役割を果たす。
「SF90 ストラダーレ」よりダウンフォースは大幅に増大し、結果的に制動速度も上がったため、ブレーキシステムもアップグレード。フロントのエアロキャリパーは受け継いでいるものの、フロントディスクは冷却性能向上のため完全に再設計され、リアディスクは直径390㎜に拡大し、同時にブレーキパッドも新設計して接触面を最大化して摩擦係数を引き上げた。
デザインは「SF90 XX」のエンジニアリング理念を継承しつつも、矢の形をしたフロントウィングや、左右のエアインテークを占めるウィングの形など、シャープかつラディカルなデザインエレメントでXXモデルとしての個性を主張する。
また「SF90 スパイダー」では、リトラクタブルハードトップを格納するとほかのボディワークからカーボンファイバー製のロールバーが突き出し、車両全体の低さを視覚的に強調。ルーフもカーボンファイバー製となり、時速45kmまでは走行中でも14秒で開閉することが可能だ。
フェラーリ史上もっとも高いパフォーマンスをもつロードカーとなった「SF90 XX ストラダーレ」と「SF90 XX スパイダー」。サーキットから市街地走行までを楽しむことができる稀有な1台だ。
Ferrari SF90 XX Stradale|フェラーリ SF90 XX ストラダーレ
Ferrari SF90 XX Spider|フェラーリ SF90 XX スパイダー

ボディサイズ|全長4,850×全幅2,014×全高1,225㎜
ホイールベース|2,650㎜
トレッド前/後|1,683/1,674㎜
車両重量|<ストラダーレ>1,560kg <スパイダー>1,660kg
エンジン|3,990㏄ V型8気筒ツインターボ
エンジン最高出力|586kW(797cv)/7,900rpm
エンジン最大トルク|804Nm/6,250rpm
電気モーター最高出力|171kW(233cv)
バッテリー容量|7.9kWh
EV航続距離|25km
トランスミッション|8段DCT
最高速度|320㎞/h
0-100㎞/h加速|2.3秒
0-200㎞/h加速|<ストラダーレ>6.5秒 <スパイダー>6.7秒
タイヤ|<フロント>255/35 ZR F20  <リア>315/30 ZR F20
ブレーキ|CCM(カーボンセラミック)
問い合わせ先

フェラーリ
https://auto.ferrari.com/
https://www.ferrari.com/ja-JP/

                      
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