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2021年11月17日
フェラーリ、ワンオフモデルの「BR20」を発表|Ferrari
Ferrari BR20|フェラーリBR20
フェラーリ、ワンオフモデルの「BR20」を発表
フェラーリは11 月11 日、同社のスペシャル・プロジェクト部門で制作したワンオフシリーズの最新作となる「フェラーリBR20 」を発表した。
Text by AKIRA Ishihara
GTC4ルッソのプラットフォームをベースに開発された2 シーター四輪駆動V12 クーペ
クライアントの指定に基づいて、ユニークな要望を明確に表現するようデザインされた、たった1 台の完全なビスポークモデルだとするBR20 は、GTC4ルッソのプラットフォームをベースに開発された2 シーターの四輪駆動V12 クーペ。
その哲学とアプローチは、1950~60 年代の「410 SA」 や「500 スーパーファスト 」など、フェラーリ史に残るアイコニックな12 気筒モデルの典型的なスタイリングテーマをさりげなく取り入れたものだが、懐古趣味はまったく感じさせず、タイムレスなエレガンスとたくましいスポーティさを融合させるというチャレンジングな課題を見事にこなした、と謳われる。
フラヴィオ・マンゾーニ率いるデザインチームは、なめらかなファストバックのラインをさらにダイナミックにするため、GTC4ルッソのリアシートを取り外して2シーターとした。ボディ はオリジナルより3 インチ長く、特徴的なリアのオーバーハングによって、プロポーションを美しく強調するシルエットとなっている。
キャビンは、A ピラーからリアスポイラーにかけて2 組のアーチが前後をつなぐ印象となっており、アーチ後方のふくらみは、えぐられて空力的な通り道となっていて、空気の出口はスポイラー下の黒い帯で隠れている。フェラーリの「フライング・バットレス」のテーマをモダンにアレンジした形状としたことで、フェラーリGT の伝統はもちろん、「599 GTBフィオラノ」といったスポーツカーに見られる跳ね馬らしいスタイリングと強いつながりが感じられるのも特徴の一つ。キャビンは視覚的に軽い印象とするため、ルーフはブラックでペイントされている。
ツインテールライトを持つリアでは、円筒型のテールパイプ先端さえこのビスポークモデルのために専用にデザイン。アンダーボディには可動フラップを設けている。
フロントでは、グリル上部にはカーボンファイバー製エレメントを装着することで、最近のフェラーリ・ワンオフモデルらしいスタイリング上の一貫性を継承した。さらにフロントグリルでひときわ目立つのが水平の新スリットで、力強い立体感を醸成。ヘッドライトはGTC4ルッソより低い位置にあり、ボンネットがいっそう長くなめらかに見える。濃淡のあるダイヤモンド仕上げの20 インチホイールも、このユニークな1 台のために特別に制作されたものだ。
インテリアは、濃淡2 色のブラウンのレザーとカーボンファイバーでトリミング。シートはヘリタジ・テスタ・ディ・モロというダークブラウンのレザーとし、前面には特別なパターンとシルバーのクロスステッチを施した。車内空間は、フロントウィンドウから後部のラゲッジまでさえぎるものがなく、乗り込むと明るく軽快な印象を受ける点もユニークだ。リアベンチとラゲッジデッキは、オークにカーボンファイバー製インサートをあしらい、これをフラットに折りたたむと、奥行きのある荷室とドアハンドルが現れる仕組みとなっている。
フェラーリでは「長年のクライアントのためにデザインされ、クライアントが創造のあらゆる過程で深く関与した点で、フェラーリBR20 は伝統的なコーチビルダーの技の典型例といえます。既存モデルを優れた技術とユニークな方法で変貌させて、フェラーリの中核理念である革新と情熱をインスピレーションに、それにオマージュを捧げる1 台が完成しました」と説明している。
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