フォルクスワーゲン ニューコンパクト|クーペスポーティで環境に優しいハイブリッドクーペ
Volkswagen New Compact Coupe|フォルクスワーゲン ニューコンパクトクーペ
スポーティで環境に優しいハイブリッドクーペ
フォルクスワーゲンはデトロイトショーにおいて、ハイブリッドシステムを搭載した新型クーペ「ニューコンパクトクーペ」を発表した。
文=ジラフ
1.4リッター直噴ターボ + 電気モーター
搭載されるパワーユニットは、1.4リッター直噴ターボガソリンエンジン(150ps)にモーター(27ps)が組み合わされたハイブリッドシステム。
7速DSG を介することによって、0-100km/h加速8.6秒、最高速227km/hという優れた動力性能を実現するだけではなく、燃費はリッター当たり約23.8km、CO2排出量は98g/kmという数値を達成。動力性能と低燃費を高い次元で両立させている。
2010年中に発表予定
エクステリアはロー&ワイドでスポーティなクーペボディに、あらたなフォルクスワーゲンのアイコンともいえるフロントイメージが取り入れられたデザインとなり、ボディサイズは全長4540×全幅1780×全高1410mmとなる。
車内はゆったりとした空間が広がり、後席も左右独立した4シーターを採用。本革スポーツシートが装備され、快適なロングツーリングが予感される仕上がりだ。
フォルクスワーゲンは、2010年にこれまででもっとも多くのニューモデルを投入するとアナウンスしているが、この「ニューコンパクトクーペ」も2010年中の発売が予定される。
BRAND HISTORY
フォルクスワーゲンは1936年に設立された自動車メーカー。スポーツカーなど手がけないため、実直なイメージの強いメーカーだが、技術力は高く、世界でもトップクラスの乗用車メーカーの地位を守っている。
フォルクスワーゲンで特徴的なのは、欧州では珍しく戦後本格的にスタートした自動車メーカーであること。そして、創設者といえる技術者、ドクター・フェルディナント・ポルシェの自動車づくりへの情熱を、いまもヘリティッジとして大切にしていると感じさせること。
タイプ1ともよばれる、いわゆるビートルで礎を築いたあと、買収したアウディの技術でより広い市場をカバーする乗用車づくりを手がけるようになった。ブレークスルーは1974年発表のゴルフで、使い勝手のよさと走りという自動車に求められるふたつの機能をみごとに両立させ大ヒットとなった。そのクルマづくりの精神は今も受け継がれており、フォルクスワーゲンのモデルは実直だが、運転する楽しさもきちんと備えている。先代ゴルフではいち早くデュアルクラッチシステムを採用したのも注目点。
フォルクスワーゲンは同時にマーケティングが巧みな会社でもある。ゴルフにGTIを設定してホットハッチ(速いハッチバック車)というジャンルを確立したのは、自動車史に残る偉業ともいえる。ブランドの使い方にも長けている。傘下のアウディには独自の4輪駆動技術であるクワトロを採用して、先進的なイメージでフォルクスワーゲンとは異なる市場の開拓に成功。さらに現在は、ランボルギーニ、ベントレー、そして世界でもっとも高性能かつ高価なスポーツカーともいえるブガッティをもち、ポルシェの筆頭株主でもある。
1990年代の後半には、日本車を凌駕することを目標に、品質の向上に大きく力を入れた。結果、作りのよさでは世界基準となるまでに。さらにこのところ、静粛性向上も著しく、かつての日本車の牙城は大きく脅かされているといえる。
日本におけるラインナップは、コンパクトハッチバックのポロ、ゴルフとステーションワゴン版であるゴルフ・バリアント、マルチパーパス・ミニバンのトゥーラン、ゴルフのセダン版のジェッタ、大ぶりなボディをもつパサート・バリアントが中心。くわえて、2ドアクーペのシロッコと、4ドアだけれどクーペのようなスタイリッシュさが売りもののパサートCC、そしてSUVではティグワンと、大型のトゥアレグが並ぶ。
ゴルフはとくにバリエーションが豊富で、1.2リッターターボエンジン搭載車から、GTIそして、4輪駆動システムに256psのエンジンを組み合わせたゴルフRまで。燃費よく快適なモデルから、走りを楽しむドライバー向けのモデルまで、フォルクスワーゲンの自動車づくりにおける幅と奥行きがここにもよくあらわれている。