ポルシェ ミュージアムの“奥の院”が開かれる|Porsche
Porsche Museum "Project: Top Secret!"
ポルシェ ミュージアム “プロジェクト:トップ シークレット!”
ポルシェミュージアムの“奥の院”が開かれる
ポルシェ本社があるドイツ・シュトゥットガルトに開設する「ポルシェ ミュージアム」。これまで、所蔵する貴重なモデルたちは「Porsche Museum Secrets」としてオンラインで公開されてきたが、今回、開発中につくられたプロトタイプやコンセプトカーなど、より秘蔵のコレクションを世界初公開する特別展示「プロジェクト:トップシークレット!」が開催。オンラインではなく、実際にこの目で見えるまたとないチャンスだ。
Text by TAKEDA Horomi
時代背景を反映したモデルたち
ポルシェAGがシュトゥットガルト本社に開設する「ポルシェ ミュージアム」は、2009年1月のリニューアルオープンいらい、ポルシェ愛好家はもちろん一般観光客にとっても超人気スポットとなっている。
そのポルシェミュージアムにおいて、2014年9月17日から期間限定で開催されることになった「プロジェクト:トップシークレット!」は、これまで閉ざされていた扉の奥を垣間見ることができる貴重な特別展だ。これまでほとんど公開されたことのない、ワンオフ製作された記録車両、試験車両および実験車両だけでなく、極秘のコンセプトカー、カモフラージュされたプロトタイプも含む16台のユニークな車両が展示されている。
「Dr. Ing. h.c. F. Porsche AG」という正式社名が示すように、開発・研究および精確な仕事を真髄とするポルシェでは、数多くの意欲的な実験車両やコンセプトカーがつくられてきた。もちろんその大半は公にされることなく、ヴァイザッハの開発センターにて極秘裏につくられ、そしてプロジェクトの完了後には、解体されてきた。
ただしそのなかでも最重要、またはエキサイティングなプロジェクトから生まれた車両は、ポルシェミュージアムに収蔵されることになったという。そして今回、特別展の一部としてミュージアムの収蔵庫からそれらの一部を一般公開する運びとなったのである。
この特別展に展示される16台の車両は、それぞれの開発時期の時代背景を反映している。
たとえば、1973年のエネルギー危機に対する当時の回答として製作されたのは、環境に優しく未来志向の「FLAサステイナブルカー研究プロジェクト」。いっぽうで、世界記録を樹立した「タイプ924」および「タイプ995」の実験車も展示される。1980年代のモデルでは「959エアロダイナミックプロトタイプ」、「928カブリオレ」、披露されることなく収蔵された「ロードスタータイプ984コンセプト」など7台が展示されるほか、水冷V8エンジンをリアに搭載した「965プロトタイプ」も初公開される。
会期は、2015年1月11日まで。“ポルシェパラノイア”とも呼ばれる熱心なポルシェファンならば、この期間中に訪れておかないと生涯後悔するかもしれないと思えるほどの特別展示だ。