ゴーストのもつダイナミズムに現代風の意匠をまとう

ロールス・ロイス「ゴースト」は、威厳あるフラッグシップ「ファントム」にくらべて、若々しくスポーティなキャラクターをもって2009年に登場したサルーン。そのゴーストが、シリーズ2へと進化を果たした。発表に選ばれたのはことしで84回めをかぞえた、歴史あるジュネーブモーターショーの会場だ。

シリーズ2となって、細かいところに手をくわえならも、その雰囲気はゴーストのまま。四角形から段付きになったヘッドライトは、LEDによるデイタイムランニングライトが縁取る。そのなかのライトもLEDを採用。ハイビームにすることで夜間視界を確保するとともに、対向車を認識すると、電動リフレクターを動かすことで相手への幻惑を抑える機能をもそなえる。

先端にそびえるロールス・ロイスのマスコット、スピリット オブ エクスタシーからボンネット中央を縦断するテーパー状の「ウェイク チャンネル」も健在だ。

これは、ジェット機のつくりだす飛行機雲から発想を得たもので、ゴーストのもつダイナミズムを表現するという。バンパー下部のエアベントは、より空気を取り込みブレーキの冷却性能を向上させると同時に、内側にクロームがあしらわれ現代風な意匠を得た。

足回りでは、応答性が高められたサスペンションやフィードバックが改善されたステアリングにより、ドライバーズカーとして、よりドライビング ダイナミクスを感じられるようになったという。さらに、ロールス・ロイス「レイス」で初めて採用された「サテライト エイド トランスミッション（SAT）」も標準で搭載。このSATは、普段のドライビングによるシフトパターンの学習にくわえ、GPSによる自車位置とナビの地図情報によりこの先の道の状況──たとえばコーナー、上り坂、下り坂などを加味して、ドライバーの意志のとおりにシフトチェンジをおこなうというもの。

女神に触れて操作するあたらしいコントローラー

インテリアでは、シートデのザインが見直され、電動式の大腿部サポート機能も採用された。また、コンソール中央には、スピリット オブ エクスタシーをあしらったインフォテイメント操作ボタン、その名も「スピリット オブ エクスタシー ロータリー コントローラー」をそなえる。従来のようにボタン自体の回転、プッシュ、方向にくわえ、表面を指でなぞることで操作可能なタッチパッド機能がくわわった。このタッチパッドは拡大縮小のピンチ動作や、文字認識の機能を提供し、インフォテイメントの操作性をいちだんと向上させている。

オーディーオはゴースト専用にチューニングされた18個のスピーカーをそなえる。状況に左右されずつねに最良の音質が得られるよう、車外の音をマイクで拾い、デジタル解析したうえでボリュームやトーンを調整する機能も採用し、ロールス・ロイスとしてふさわしい最高の音楽空間を提供するという。

ゴースト シリーズ2でも、内外装の素材や色を好みで組み合わせることができる、ビスポークのオーダーが可能。その選択肢には、ボディーカラーやホイール、インテリアトリムにあたらしいものも追加され、さらにバリエーションの幅が拡がった。

Rolls-Royce Ghost series II Short Wheel Base｜ロールス・ロイス ゴースト シリーズ2 SWB
ボディサイズ｜全長 5,399 × 全幅 1,948 × 全高 1,550 mm
ホイールベース｜3,295 mm
重量（DIN値）｜2,360 kg
エンジン｜6.6リッター V型12気筒 直噴DOHC
最高出力｜ 420 kW（570 ps）/ 5,250 rpm
最大トルク｜780 Nm/ 1,500 rpm
最高速度｜250 km/h（リミッター作動）
0-100km/h加速｜5.0 秒
燃費（NEDC値）｜14.1 ℓ/100km（7.1 km/ℓ）
CO2排出量｜329 g/km
トランク容量（VDA値）｜490 リットル

Rolls-Royce Ghost series II Extended Wheel Base｜ロールス・ロイス ゴースト シリーズ2 EWB
ボディサイズ｜全長 5,569 × 全幅 1,948 × 全高 1,550 mm
ホイールベース｜3,465 mm
重量（DIN値）｜2,420 kg
エンジン｜6.6リッター V型12気筒 直噴DOHC
最高出力｜ 420 kW（570 ps）/ 5,250 rpm
最大トルク｜780 Nm/ 1,500 rpm
最高速度｜250 km/h（リミッター作動）
0-100km/h加速｜5.0 秒
燃費（NEDC値）｜14.1 ℓ/100km（7.1 km/ℓ）
CO2排出量｜329 g/km
トランク容量（VDA値）｜490 リットル