ジープ初のスモールモデル、「レネゲード」が登場|Jeep
CAR / NEWS
2015年8月24日

ジープ初のスモールモデル、「レネゲード」が登場|Jeep

Jeep Renegade|ジープ レネゲード

ジープ初のスモールモデル、「レネゲード」が登場

フィアット クライスラーは、ジュネーブ モーターショーで、ジープ初となるスモールセグメントのブランニューモデル「レネゲード」を発表した。このモデルは、フィアット クライスラーが新開発した「スモール-ワイド4×4」アーキテクチャを使用している。

Text by SAKURAI Kenichi

2008年のコンセプトカーをついに市販化

ジープの「レネゲード」と聞いて、チェロキーのワイルドなグレードを想い出した方は、なかなかのジープ好き。さらに「ウィリス」の血を引く直系たる「ラングラー」や、その前身となる「CJ-7」にもレネゲードと名乗るグレードがあったことを知る人は、もはやかなりのジープ通といってもいい。

2008年のデトロイト モーターショーでは、そのレネゲードの名を冠したレンジエクステンダー搭載のハイブリッドパワートレーンを採用したコンセプトカーも登場した。しかし、そのショーの開催時はダイムラーとの提携解消の後で、オープン2シーターのコンパクトジープのプロジェクトは、そのまま今年までペンディングされていた。

Renegade Concept(2008)

クライスラーは、コンセプトカーを比較的実車化するメーカーとしても知られており、2シーターでの市販モデルの登場はともかく、エントリークラスのジープにニーズがあることはその頃から理解していたはず。こうして「レネゲード」の名を冠したモデルが実際に登場すると、そんな背景が想い出され、感慨深くもなる。

さて、ブランニューモデルのレネゲードは、フィアットとのコラボレーションによって誕生した、全世界に向けて出荷されるグローバルモデルだ。プラットフォームはフィアット クライスラーが新開発した「スモール-ワイド4×4」アーキテクチャで、これは「フィアット 500」をモチーフとしたB-Cセグメントの4ドアモデル、「フィアット 500L」で使用されているものだ。

元々をただせばこのプラットフォームは、「フィアット プント」として開発されている。余談だが、フィアット 500Lには、世界初となる車載用のラバッツァ製エスプレッソマシンが搭載されており、発表当時は話題にもなった。

Jeep Renegade|ジープ レネゲード

ジープ初のスモールモデル、「レネゲード」が登場

インテリアは、無骨でタフなジープのイメージを表現

過去のコンセプトカー、レネゲードとはことなり、量産モデルのレネゲードは4ドアで、車高もジープをイメージさせるにじゅうぶんな高さを持っているが、これまでジープが存在しなかったあたらしいセグメントへの挑戦者として、その名前が使用され、さらに、オープンボディだったコンセプトカーのイメージを踏襲するように、「マイスカイ」と名付けられたオープンルーフも採用されていると聞けば、その距離感はぐっと縮まる。

オーソドックスな2BOXのボディフォルムに、丸形ヘッドライト、7スロットグリル、角形デザインのテールライトなどを装備し、「ジープ」をジープらしく見せるファクターに抜かりはない。

今春日本上陸を果たす新型「チェロキー」やマイナーチェンジでよりスタイリッシュになった「グランドチェロキー」、これまでエントリーモデルとして人気を得てきた「コンパス」とはことなるフロントフェイスイメージを持つが、「ラングラー」系のデザインともいえるその顔は、まさしく誰もが知る「ジープ」のそれである。

インテリアは、無骨でタフなジープのイメージを表現。垂直なダッシュボードや助手席前のアシストグリップの採用などジープの伝統を感じさせる。そのいっぽうで、エアコンの吹き出し口やドアスピーカー、シフトブーツのベゼルなどは好みのカラーにコーディネートできるなど、あたらしい試みも実施。また、クライスラーやジープ各車ですでに導入されているインフォテイメントシステム「Uconnect(ユーコネクト)も採用された。

エンジンはグローバルモデルらしく、実にトータル16バリエーションのパワートレーンを採用する。主なエンジンは、4種類のマルチジェットガソリンエンジンと、欧州市場では欠かせない2つのマルチジェットIIディーゼルエンジンで、南米向けにより効率的なフレックスフューエルに対応する「E.torQ」エンジンもラインアップにくわわっている。

トランスミッションは、このセグメント初となる9段ATのほか、2種類のMT、そしてデュアル ドライクラッチ トランスミッション(DDCT)も用意される。

Jeep Renegade|ジープ レネゲード

ジープ初のスモールモデル、「レネゲード」が登場

小さくてもジープの名に恥じないパフォーマンス

注目の4WDシステムは、新型ジープチェロキー譲りとなる4×4技術を活用。クラス初となる2つのインテリジェント4輪駆動システム「PTU」を搭載する。ひとつは「ジープアクティブドライブ」で、これは必要に応じて後輪に駆動力を配分するフルタイム4WDシステム、もうひとつは、「ジープアクティブドライブロウ」と呼ばれるもので、フルタイム4WDシステムにくわえ20:1のクロールレシオ(低速走行比)を採用したものだ。

どちらのフルタイム4WDシステムも、オート/スノー/サンド/マッドの各モードがスイッチひとつで選べるジープセレクテレインシステムを持ち、さらに「ジープアクティブドライブロウ」を採用する「トレイルホーク」モデルでは、5つの走行モードとなるエクスクルーシブロックモードをくわえた。

FFのパワートレーンがベースとなるが、新型チェロキー同様、オンロード/オフロードパフォーマンスはもちろん、あらゆる気象条件に対応するジープの名に恥じないパフォーマンスを提供する。

クラス最強の4WD性能を持つ「レネゲード トレイルホーク」では、前述の20:1のクロールレシオ(低速走行比)のほかに、車高を20mmリフトアップ、スキッドプレート、レッドの前後牽引フック、17インチのオールテレインタイヤや最大205mmのホイールクリアランス、ヒルディセントコントロールなどを採用し、さらにオフロード性能を磨き抜いた。

こうしたチューニングによって、レネゲード トレイルホークは30.5度のアプローチアングルと 25.7度のブレークアングル、そして34.3度のディパーチャーアングルを得ることに成功。水深約480mmの渡河性能も実現し、本格オフローダーと比較しても遜色のない走りをもたらしてくれる。

ジープのあたらしいエントリーモデル「レネゲード」は、アメリカで設計され、イタリアで生産され、全世界100ヵ国以上での販売を予定している。フィアットとクライスラーのコラボレーションから生み出された、これまでのジープ ブランドにはなかった新時代を象徴する、革新的なグローバルモデルといえそうだ。

           
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