ルノー、あたらしいグローバルモデル「KWID」を公開|Renault
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2015年1月6日

ルノー、あたらしいグローバルモデル「KWID」を公開|Renault

Renault KWID|ルノー KWID

タフでたのしい、あたらしいグローバルモデル

ルノーKWIDコンセプトを公開

ルノーは、インドでおこなわれているデリー モーターショーで、あたらしいコンセプトカー「KWID コンセプト」を発表した。ポップアップドアと大きなサイズのタイヤが特徴的となる、バギーのようなスタイルを持つ「KWID コンセプト」は、ルノーがはじめて欧州以外でアンヴェールするコンセプトカーでもある。その意義とは。

Text by SAKURAI Kenichi

新市場へのコミットメント
ルノーがインドのデリー モーターショーで発表した「KWID コンセプト」は、インドを代表とする新興市場へ向けたルノーのあたらしい提案だ。これまでルノーのコンセプトカーは、まず欧州で発表し、その後世界各国のモーターショーに出展するという流れだったが、この「KWID コンセプト」でははじめて、欧州以外の地域でワールドプレミアをおこなった。

すなわちKWID コンセプトは、新市場における若いユーザー層のニーズを満たすことを第一の目的としているほか、そうしたこれからのルノーの新規ユーザーに向けてのプレゼンテーションでもある。拡張する新興国市場での存在感を高め、同時によりグローバルなモデルを国際市場に向けて投入するという、ルノーのコミットメントでもある。

KWID コンセプトは、「ルノー デザイン インド」のアイデアを元にデザインされている。ルノーのチーフデザイナー、ローレンス ヴァン デン アッカーによってスタートしたデザインルネッサンス、ライフサイクルベース“6つの花びら”をテーマにした計6台からなるコンセプトカーシリーズはよく知られているとおりだが、「KWID コンセプト」もそのなかにある2人で世界を旅する“Exploration”を担っている。

そうした予備知識を身につけたうえで「KWID コンセプト」を見ると、じつに明快なコンセプトの具現化が理解できる。まさに「探検」を印象づける巨大なタイヤとそれを包み込むおおきなフェンダーは、道を選ばない走破性をしめしている。前後のオーバーハングを切り詰めた、まるでバギーのように見える刺激的なプロポーションや上方に向けて開くポップアップドア、コンパクトなボディサイズもユニークである。

Renault KWID|ルノー KWID

あたらしいグローバルモデル「KWID」を公開 (2)

「探検」のための装備

こうした一見、オフロードモデルのように見える「KWID コンセプト」だが、しかしインテリアは未来的だ。内部は繭をモチーフとしたラウンドデザインで構築され、鳥の巣にインスピレーションを得たシートが装備されている。あかるく開放的でありながら、どこか包まれているような安心感をもたらす空間デザインが狙いだ。

ドライバーが車体の中央に位置する、フロント3人掛けのシートを採用し、操縦桿型のステアリングホイールをそなえる。ダッシュボード左には、各種情報を表示、コントロールするタブレット型PCが置かれ、これはフライングコンパニオン(ラジコンヘリコプター)の操縦もおこなえるようになっている。

「KWID コンセプト」の屋根の後部格納スペースから離陸、飛行する「フライングコンパニオン」は、たんなるホビーではない。事前にプログラムされたルートをGPSに連動しながら自動で飛行するほか、先行し風景写真を撮影、前方の障害物を検出してそれをドライバーに伝えるなど、まさに「探検」を安全にサポートしてくれるデバイスとして活躍する。

パワートレーンは、1.2リッターガソリンエンジンを搭載したプラグインハイブリッドで、デュアルクラッチ トランスミッションが組み合わせられている。フロントベンチシートやドアオープナーは電動式。ほかのクルマで見慣れたシフトレバーはなく、操作はステアリング横にあるタッチスイッチによっておこなうシステムだ。

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あたらしいグローバルモデル「KWID」を公開 (3)

もうひとつの注目点

こうしたデザインや電子デバイスのほかにもうひとつ、「KWID コンセプト」における注目点がある。それは、開発のために国際的なチームが組織されたという点である。

エクステリアのベースデザインはブラジル デザイン スタジオが担当し、それをフランスのデザインテクノセンターがまとめ上げた。インテリアは、ルノー デザイン インドが担当し、それをベースにやはりフランスのデザインテクノセンターがフィニッシュ。車両の色と素材は、デザインテクノセンターに所属する日本人女性デザイナーが開発し、インドからの研修生とともにつくり上げたという。

こうした開発の多国籍体制はもちろんのこと、グローバル市場とニーズを満たす車両開発をおこなうこと自体が、ルノーでははじめてのプロジェクトである。

5人乗りで、あらゆる路面状況に対応可能な走行性能や、気象条件への対応力をそなえるという基本的なターゲットラインこそ、ワールドプレミアをおこなったインドのユーザー層にあるものの、そうしたパフォーマンスとともに、右側/左側通行どちらの国でも1台でおなじように走れるセンターハンドルレイアウトを採用した「KWID コンセプト」は、真のグローバルニーズを満たすアイデアにあふれていると言えそうである。

           
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