わずか9台のためのワールドプレミア

ランボルギーニの創立50周年の最後を飾る、オープンボディのスペチアーレ、ランボルギーニ「ヴェネーノ ロードスター」がアブダビで発表された。注目のワールドプレミアは、なんとイタリア海軍の空母「ネーヴ カヴール」の甲板の上という、前代未聞の会場で、生産台数わずか9台というスペチアーレ、ヴェネーノ ロードスターにふさわしいものとなった。


ヴェネーノ ロードスターは、これまでお伝えしてきたように、3月のジュネーブ モーターショーでワールドプレミアした生産わずか3台というスペチアーレ「ヴェネーノ」のオープンモデル。車名にあるロードスターというネーミングからもわかるように、オープンで走ることを前提にしており、一般的な着脱式ルーフや、簡易ソフトトップなど、天候対策のアイテムは付属していない。

アウトモビリ ランボルギーニの代表兼CEOのステファン・ヴィンケルマン氏は、「卓越したパフォーマンスを誇るヴェネーノ ロードスターは、世界でもっとも特別なクルマのひとつ。 ランボルギーニが、イタリアの象徴的なスーパースポーツカーとして、アラブ首長国連邦の首長国アブダビで発表するという、イタリア自動車業界を代表する栄誉を得たことを非常に誇りにおもいます。ランボルギーニのスポーツカーは、この地域で非常に多くのファンを獲得しており、なかでも中東はランボルギーニにとって世界最大の市場のひとつです」とスピーチ。アンヴェールのよろこびを語った。


先に登場した「ヴェネーノ」のルーフを省略し、サイドウィンドウやエンジンフードなどにロードスター独自のデザインをあたえ、よりアグレッシブな印象をもたらしたのは当然だが、同時にこれまでのどのスーパースポーツカーともちがう個性あふれる、いかにもランボルギーニらしいフォルムは魅力的だ。ルーフがないぶん、車高の低さと大型のリアウイングが強調され、スパルタンなイメージを醸し出す。

価格は330万ユーロ

エンジンは最高出力750psを発生する6.5リッターのV型12気筒エンジンを縦置きミッドシップし、これに走行モードに切り替え可能な、7段の「ISR（インディペンデント シフティング ロッド）トランスミッション」と呼ばれる2ペダル トランスミッションを組み合わせたのは、3月にジュネーブ モーターショーで発表されたクーペ版の「ヴェネーノ」とおなじ仕様だ。


ボディはバスタブ式のモノコックとボディパネルに、軽量で強固な炭素繊維強化ポリマー樹脂を使用。サブフレームを介しボディに取り付けられるサスペンションは、レーシングマシンとおなじプッシュロッド式で、駆動方式は、いまやランボルギーニではおなじみとなった4WDである。


乾燥重量わずか1,490kgで、1.93kg/HPというパワーウェイトレシオからもそのパフォーマンスは想像可能だが、0-100km/h加速はわずか2.9秒、最高速355km/hという歴代オープンモデル最強となる驚異のデータをもたらすという。

ファビオ・カンナヴァーロ氏

ヴェェネーノ ロードスターは2014年中に全9台を生産し、330万ユーロ（税別）で販売予定。今回お披露目されたモデルは、特別色「ロッソ ヴェネーノ」をまとっていたが、車体の色は個々のオーナーの好みに合わせて、いうまでもなく自由にカスタマイズ可能になっている。


ちなみにこのイベントでは、歌手で女優のエレナ・ボネッリによるイタリア国歌斉唱がおこなわれたのちに、ヴェネーノ ロードスターがお披露目された。その後、「イタリアン イヴニング」では、ファッションデザイナーのジャダ・クルティのデザインをまとった10名のトップモデルによる華麗なショーも繰り広げられた。ディナーはイタリアのポルトフィーノの有名ホテル「スプレンディード」から特別に招聘されたシェフ、コラード・コルティ氏が担当するなど、じつに豪華なものだった。そのゲストのなかには、サッカーイタリア代表の元キャプテンであり、2006年ワールドチャンピオンでもあるファビオ・カンナヴァーロの姿もあったという。