新型BMW 5シリーズが日本上陸|BMW
BMW 5 series|ビー・エム・ダブリュー 5 シリーズ
新型BMW 5シリーズが日本上陸
ビー・エム・ダブリュー ジャパンは、2月11日から新型「5シリーズ」を発売すると発表した。7世代目となる新型5シリーズのハイライトは大きく3つ。ひとつはこれまで以上にスポーティさやエレガンス、スタイリッシュさを追求したデザイン。そして、ドライビングダイナミクス。最後は、安全性や運転支援機能である。価格は523iの599万円から。
Text & Photographs by UCHIDA Shunichi
先代を踏襲したデザイン
まずデザインは、BMWのフロントフェイスの特徴のひとつ、キドニーグリルとヘッドライトをつなげることにより、ワイドで低重心さを強調。また、ボンネット開口部をフロントグリルと合わせることで、これまであったボンネットとグリルの継ぎ目のラインをなくし、一体感のあるデザインに仕上げている。
サイドビューは、ロングノーズ、ショートオーバーハング、大きめのキャビンにクーペのようなルーフラインなど、これまでの5シリーズのデザインを踏襲。また、キャラクターライン上に配するドアハンドルも先代同様である。ビー・エム・ダブリューBMWブランド マネジメントプロダクト・マーケティングの大野憲氏は、このキャラクターラインについて、「上下二本のキャラクターラインを採用。その面は影から光へと表情を変えながらもリアへと流れずにホフマイスターキンクを囲むような形状で、まるで筋肉を連想させるような美しい線だ」とコメントした。
リアデザインも、フロント同様に低重心を強調するために、リアコンビランプを大きくサイドに回り込ませ、視覚的にサイドとリアを結びつけている。そのL字型リアコンビランプは、BMW伝統のデザインを踏襲しながらも、最新型のLEDライトバーを採用。その結果、粒状ではない綺麗な造形のリアランプのシルエットを醸し出している。
BMW 5 series|ビー・エム・ダブリュー 5 シリーズ
新型BMW 5シリーズが日本上陸 (2)
走行性能と燃費を改善
新型5シリーズにおける、ドライビングダイナミクスでのポイントは2つ。軽量化とエアロダイナミクスだ。
まず軽量化について大野氏は、「材料の組み合わせを最適化することで重量を削減し、剛性も向上させた。さまざまな軽量化素材の配合で、先代5シリーズと比べ最大で100kg、日本仕様においては80kgの軽量化を実現している」と述べる。ルーフ構造、サイドフレーム、リアエンドは高張力鋼板を採用し、エンジンフード、トランクリッド、エンジンクロスメンバー、リアサイドメンバー、ルーフ、そしてドアなどにはアルミを採用している。その結果、燃費やハンドリングの向上、そして加減速性能も高めている。
エアロダイナミクスについては、先代のCd値0.25に対し0.22に向上させた。
日本に導入されるパワートレインは全部で5タイプ。2リッター直列4気筒ガソリンエンジンの「523i」は最高出力184ps、最大トルク290Nmを発生。同じく2リッター直列4気筒ディーゼルエンジンの「523d」は190ps、400Nmを生み出す。もうひとつ同じ2リッター4気筒ガソリンエンジンを搭載する「530i」は252ps、350Nmという出力だ。そして「540i」には3リッター直列6気筒ガソリンエンジンが搭載される。最高出力と最大トルクは340ps、450Nmで、このモデルのみ全輪駆動のxDriveも選択できる。
最後はプラグインハイブリッドの「530e」だ。2リッター直列4気筒に、8段ATと一体化された高出力電気モーターを組み合わせ、システムトータルで252ps、420Nmというパワーを発生する。
大野氏によると、523 dの加速性能を先代モデルと比較をすると、「8.1秒から7.5秒に向上しながらも、燃費は21.5km/ℓとセグメント最高の数値を実現した。先代よりも約30パーセント向上し、BMWモデルのなかでも二番目の低燃費で、軽量化やエアロダイナミクスの向上によってこれら数値は実現した」と説明する。
なお、530eは2017年第3四半期、523iは第4四半期の導入予定である。
もうひとつドライビングダイナミクスのポイントとして挙げられるのは、四輪操舵のインテグレイテッド アクティブ ステアリングだ。先代5シリーズにおいても標準装備だったが、60km/h未満ではフロントと逆位相に約3度リアホイールをステアさせることで、最小回転半径を小さく抑え、60km/h以上では同位相に同じく約3度リアホイールをステアし、走行安定性を高めている。
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部分自動運転も可能に
メルセデス・ベンツ「Eクラス」に続き、この5シリーズも部分自動運転を可能にした。ルームミラー内に2つのステレオカメラを内蔵し、さらに、ミリ波レーダーセンサーを前方に3基、後方に2基装備することで、新機能を4つ搭載した。
まずは「ステアリング&レーン コントロール アシスト」。ステレオカメラが前方の車線及び前方車両を検知し、ステアリングに操舵力を加えることで高速走行時に車線の中央付近を走行しやすいようにサポートを行う。また、渋滞時は先行車追従走行をサポートし、走行時の安全性と利便性を向上するなど、将来完成する自動運転技術を部分的に実現している。
次は「アクティブ サイド コリジョン プロテクション」だ。隣の車線で側面を走行するクルマが自らの車線に入ってくるなど側面衝突の危険が目前に迫っている場合に作動するもので、接近してくる車両と反対側の方向に距離をとるようにステアリング操作に介入する。その過程でも走行車線内は維持する。
3つ目が「後車追突警告機能」。後方の車両を監視し車間距離と接近速度から追突の危険がある場合、ハザードライトを点灯し後続車のドライバーに注意を喚起する。
4つ目の「クロス トラフィック ウォーニング」は、駐車スペースからクルマを動かす場合や、視界の悪いT字路などで横切る車両や歩行者などとの衝突の危険を検知した場合、センターコンソールのセントラルインフォメーションディスプレイに警告表示を行いドライバーに注意を喚起する。
このほかストップ&ゴー機能付きのアクティブ クルーズ コントロールやレーン デパーチャー ウォーニング、衝突回避・被害軽減ブレーキなども搭載されている。
全世界で累計800万台が販売されている5シリーズ。7年ぶり、7世代目に進化した新型5シリーズのキャッチフレーズは“ビジネス アスリート”。ビー・エム・ダブリュー ジャパン代表取締役社長のペーター・クロンシュナーブル氏は、「ビジネスアスリートとは、仕事の責任と仕事以外の人生のバランスをとり、毎秒毎秒最大限に時間を活用している人。人生においても仕事においても成功のために懸命に努力する人だ。そして、新型BMW5シリーズは彼らの完璧なパートナーとなるだろう」と語った。
価格はエントリーモデルとなる523iが599-745万円、530iで764-789万円、4WDモデルも用意されるトップエンドの540iは972-1,017万円。ディーゼルの523dは698-766万円、ハイブリッドの530eでは778-803万円。2月よりデリバリー開始となるが、530eは夏ごろに、523iは秋ごろが予定されている。