Lamborghini Aventador|ランボルギーニ アヴェンタドール シャシーを公開!
CAR / NEWS
2015年2月16日

Lamborghini Aventador|ランボルギーニ アヴェンタドール シャシーを公開!

Lamborghini Aventador|ランボルギーニ アヴェンタドール

ランボルギーニが新型車のシャシー画像を公開

エンジンとトランスミッションにはじまり、サスペンションやモノコックの画像、カモフラージュペイントがほどこされた実車の動画などが徐々に公開され、デビューに向けての期待が高まる、ランボルギーニのあたらしいフラッグシップ。アヴェンタドール LP700-4というモデル名で登場すると思われるこのスーパースポーツのシャシー画像が公開された。

文=松尾 大

515kW、690Nmという超高性能エンジン

今回、シャシー画像が公開されたものの、あたらしい情報は発表されていない。そこで、これまでランボルギーニが公開してきた情報を集約し、あらためて実車像に迫りたい。

最高出力515kW(700ps)/8,250rpm、最大トルク690Nm(70.4kgm)/5,500rpmを発揮する6.5リッターV12気筒エンジンは、まったく白紙の状態から最新技術を投入して開発されたもの。クランクケースと4バルブのシリンダーヘッドにはアルミニウム・シリコン合金を採用。独立した4基のスロットルバルブのインテークシステムをもち、エキゾーストシステムは排出物質を最小限に抑えるとともに、官能的なランボルギーニ・サウンドを発生するという。それでいて、235kgとV12エンジンとしては超軽量に仕上げられ、エンジン重量1kgあたりの出力は約3psにも達する。

トランスミッションは、ランボルギーニISR(インディペンデント・シフティングロッド)とよばれる特別製のもの。このシングルクラッチ式ロボタイズド・マニュアルギアボックスは、デュアルクラッチと比較して約50パーセントも短いシフトタイムを実現している。従来型のギヤボックスはシフト操作を順次おこなうが、ISRはこれを並行しておこなうという。シフティングロッドがギヤを分離するあいだに、別のシフティングロッドがつぎのギヤを噛み合わせる。また、重量がわずか79kgと非常に軽量に仕上げられていることも注目したい。

LAMBORGHINI Aventador|ランボルギーニ アヴェンタドール シャシーを公開!|02

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量産車初のプッシュロッド・サスペンション

量産車では世界初となるプッシュロッド・サスペンションを採用したことも話題だ。F1 マシンからそのヒントを得た設計で、スプリング&ダンパー・エレメントは、ホイール・マウントには設置されず、ボディシェル構造の内部に接続される。スプリング&ダンパーは、フロントのウィンドウ下およびリヤのエンジンの近くに横向きに搭載。プッシュロッド、リレー・レバー/ロッカー・アームが、ホイール・マウントからの力をスプリング&ダンパー・エレメントに伝達するという構造となっている。

ダブルウイッシュボーンとプッシュロッド・サスペンションを組み合わせたことにより、ホイール・コントロールとダンパーを個別に制御することが可能となったため、ハンドリングはよりレスポンスに富み、あらゆる速度域で扱いやすくなっている一方、高い剛性でシャシーへ接続することによって精密度が向上し、スプリング&ダンパーがより自然に反応するようになったという。その結果、スプリングの硬さを若干下げることが可能になり、精密度を失わずに快適性向上に一役買っている。

シャシーにおいても軽量化は徹底され、アッパー&ロワ・コントロール・アーム、ホイール・マウント、リレー・レバーをふくむサスペンション・システム全体は、鍛造アルミニウム合金で、ブレーキ・システムの大径ディスクは、軽量かつ極めて剛性の高いカーボン・セラミック複合材から作られる。フロントアクスルには、6 シリンダー・キャリパーを備える直径400mm のベンチレーテッド・ディスクを装着。リヤアクスルには、4 ピストン・キャリパーつき380mm 径ディスクが与えられ、電動式パーキングブレーキが採用されるという。

また、精密なハンドリングフィールを失わないため油圧式ステアリングを採用。足まわりにかんしては、フロントに19インチホイールと255/35タイヤ、リヤに20インチホイールと335/30タイヤが装着される。ステアリングのアシスト力は、ドライバーが選択したモードによって3段階に変化。サーキットで稲妻のような発進を実現するという「コルサモード」にも設定可能だ。

超軽量ホワイトボディは229.5kg

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モノコックは、特許を取得したプロセスを採用して、ランボルギーニの自社工場で製造されるカーボンファイバー強化プラスチック(CFRP)製で、物理的にひとつのコンポーネントとして機能するシングルシェルだ。シングルシェルといっても、実際には、専門機能を備えた数多くのパーツから構成されている。その一例が、衝突時のエネルギー吸収を管理するために高い性能を発揮するブレイディング(編み)技術を採用した硬化エレメントだ。硬化プロセスのあとには、「タブ」と呼ばれる基部やルーフをふくめたモノコック全体がひとつのコンポーネントとして機能する。

このフル・モノコックというソリューションは、金属製のルーフが伝統的な方法で装着されるタブをはじめとして、従来型のプロセスにはない利点をもつとしている。また、モノコックの重量がわずか147.5 kg しかないという点も見のがせない。

モノコックは、フロントとリヤにおいて、おなじく剛性の高いアルミニウム製サブフレームが装着され、そこにサスペンション、エンジン、トランスミッションがマウントされる。その結果、ホワイトボディの重量はわずか229.5 kgとなり、ねじり角1 度につき35,000Nm という高いねじり剛性を誇る。この堅牢なボディにより、正確なホイール・コントロールと繊細なフィードバックを実現。小さなステアリング操作にも高い精度で反応するさまは、レースカーなみだという。

           
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