日産|NISSAN New Mobility CONCEPT 公開
日産|NISSAN New Mobility CONCEPT
ゼロエミッション車のカジ取り役
日産自動車は、2010年11月1日に「NISSAN New Mobility CONCEPT」というEVタンデムを、横浜のグローバル本社で公開した。側面は開放型で、バイクと自動車の中間に位置する、モビリティにおける新世代の提案になっている。
文=小川フミオ
4台でクルマ1台サイズのモビリティカー?
「NISSAN New Mobility CONCEPT」は、日産ルノー・アライアンスで共同開発されたもの。電気モーターをリアに、リチウムイオン電池を床下に搭載するレイアウト。ルノーでは「Twizy Z.E.」の名のもとに2011年にも欧州で市場投入する予定という。
Twizy Z.E.のターゲットは都市の若者。いっぽうの日産は、「高齢者や単身者世帯の増加といった社会背景がある。同時に乗用車では近距離の移動が多いうえに、ほとんどひとりで乗るという実態を踏まえて、このモデルならではの特徴をアピールしたい」と広報担当者は語っていた。
公開されたのはプロトタイプだが、ルノーが販売を予定しているモデルと、おなじデザインをもったドア形状。サイドウィンドウはなくドアの代わりに跳ね上げ式の、いわゆるシザードアを備えているのが特徴だ。後席乗員は脚を前方に投げ出して、ドライバーをはさむように座る。やはりクルマというよりバイクに近い印象。
Twizy Z.E.の全長は2.32m、全幅は1.19mで、通常の乗用車の駐車枠に4台を並べて置くことも可能という。電気モーターの出力は2通り。乗用車の運転免許が必要となる国では15kW(20ps)、乗用車免許を必要としない国では4kW(5ps)となる。それにおうじて最高速は、45km/hバージョンと、75km/hバージョンの2通りになるそうだ。車重は約450kg。うち電池は100kg。前席の床下に収納されるが,交換容易な設計になっているという。
日産バージョンは「発売未定」と広報担当者。横浜市と持続可能なゼロエミッション社会実現のための実証実験をおこなう日産自動車では、横浜でのAPEC(アジア太平洋経済協力)の時期にあわせて公開。4ドア電気自動車「リーフ」の発売を2010年12月に控えた日産自動車ではルノーとともに、「ゼロエミッション(排ガスゼロ)車で世界のリーダーになる」という目標を掲げており、そのためのアドバルーンのひとつが、「NISSAN New Mobility CONCEPT」だ。