クラシック スポーツカーに仕立てたMINIを公開|MINI
MINI Superleggera Vision|ミニ スーパーレッジェーラ ビジョン
英伊のスポーツカーが融合
クラシック スポーツカーに仕立てたMINIを公開
イタリア北部のコモ湖畔で開催されているコンコルソ デレガンツァ ヴィラデステ 2014において、新型MINIをベースにクラシックなスポーツカーに仕立てたMINI Superleggera Visionが公開された。
Text by HORIGUCHI Yoshihiro(OPENERS)Event Photographs by AKIZUKI Shinichiro(OPENERS)
クラシックな装いの中味は最新EV
今年のコンコルソ デレガンツァ ヴィラデステで公開された「ミニ スーパーレッジェーラ ビジョン」は、MINIをベースにイタリアのカロッツェリア、ツーリング・スーパーレッジェーラ社がクラシックスタイルのスポーツカーとして架装したコンセプトモデル。ツーリング・スーパーレッジェーラ社は1926年からクルマのカスタムデザインを手がけており、最初のスケッチからモデル製作、実際のカスタマイズまでをすべて自社内でおこなう、数少ないコーチビルダーだ。
そのフロントは、六角形のグリルや丸型ヘッドライトに新型MINIの面影を色濃く残しつつ、ボンネットの立体的なラインや明確に突出させたホイールアーチなど、クラシックスポーツカーのスタイリングを盛り込んでいる。
ブラックアウトされ、丸型フォグランプの埋め込まれた横基調のグリルは、MINIのスポーティモデルの特徴を反映。フロントのリップスポイラーやリアのディフューザー、サイドのスカートは、CFRPでスポーティに仕上げられた。サイドビューでは、低い風防の根元から生えるポリッシュドアルミのなサイドミラーが、見た目のクラシカルな装いを強調している。
内側にクロームのアクセントのついたリアコンビネーションライトは左右に分割されたユニオンジャックを模しており、MINIの故郷である英国をアピール。クラシカルな装いのリアエンドだが、光源にはLEDをもちいており、またあるべきエグゾーストが存在しないのは、じつはこのクルマが最先端の電気自動車であることをあらわしている。
MINI Superleggera Vision|ミニ スーパーレッジェーラ ビジョン
英伊のスポーツカーが融合
クラシック スポーツカーに仕立てたMINIを公開 (2)
高い技術で実現した、継ぎ目のないボディ
“コモ ブルー”と呼ばれるカラーリングをまとった、ミニ スーパーレッジェーラ ビジョンのボディパネルには、継ぎ目がほとんど見あたらない。これは、大きなアルミシートを手で加工することによって実現したもので、ツーリング・レッジェーラ社のコーチビルダーとしての高い技術力を示している。
インテリアもクラシックスポーツカーを彷彿とさせる、アルミやブラッククロームの金属とレザーを主体として構成。とくにダッシュボードは1枚のアルミシートで構成され、そのソリッドな表面がスポーティな印象を強めている。コントロールスイッチ類が排除され、シンプルになった3本スポークのステアリングや、独立した単眼メーターもクラシカルなスポーツカーへのオマージュだ。
コンソール中央におかれた、タッチパネル式の“MINIビジョン”改め“MINIレッジェーラ ビジョン”も違和感なくおさまる。その右の丸いボタンは“録画ボタン”で、これを押すと、運転席と助手席のあいだに埋め込まれたカメラが、ドライブの様子を記録してくれる。さらにその右にはアナログ時計もそなわっている。コンソールの下、MINIであればオーディオやスイッチ類が並ぶ部分もシンプルに、わずかに1本のパイプ上にメインスイッチを残すのみ。
2座のシートはブラックレザーのスポーツシートを採用。ドアにはパイプで構成されたユニオンジャックが描かれる。そのほかにも、MINIのもつ遊び心を引き継ぎ、たとえばダッシュボード下にある楕円形の温風吹出口や、ステアリングのスポーク部分をはじめ、随所にミスティック マジェンダのアクセントがあしらわれる。
ミニ スーパーレッジェーラ ビジョンは、あくまでもカロッツェリアが手がけたデザインスタディモデルではある。だが、最新テクノロジーの機構にクラシカルなエクステリアをまとう、という3代目MINIのコンセプトにもちかく、これから出てくるであろう派生モデルへの影響も期待される。