シボレー カマロ 2014年モデル登場|Chevrolet
Chevrolet Camaro Z28|シボレー カマロ Z28
マイナーチェンジでスタイリングとパフォーマンスに磨きをかけた
カマロの2014年モデルを発表
アメリカを代表するグランツーリスモであるシボレー「カマロ」の2014年モデルが、ニューヨーク国際オートショー2013で公開された。
Text by SAKURAI Kenichi
427ビッグブロックを搭載。「Z28」の復活
2014モデルのカマロは、エアロダイナミクスに磨きをかけた、デザインの変更が特徴だ。高速でより効率的な冷却と安定性確保のために、細部をリファイン。全ラインナップで、カマロ史上もっとも空力特性に優れ、高いダウンフォースを確保したエクステリアデザインにあらためられている。
しかし、今回のマイナーチェンジにおける最大のトピックスは、かつて高性能モデルの証でもあった“Z28”の再ラインナップである。満を持して復活したZ28は、スポーツモデルとして2+2のシートレイアウトを維持しながら(ライバルであるフォード・マスタングの高性能モデルではリアシートを廃止)、後部座席の構造を変更することにより十分な軽量化をはかり、パワフルなV8エンジンやK&Nのエアフィルター、カーボンセラミックブレーキなどの採用により、サーキット走行も楽しめる本物のパフォーマンスを手にいれた。
注目すべきエンジンは、コルベットZ06 譲りのオールアルミ製となる7リッターのV型8気筒。低重心をもたらすドライサンプエンジンはすべて手作業で組み立てられ、チタン吸気バルブとコンロッド、ナトリウム充填排気バルブ、ハイリフトカムシャフト、ハイドロフォーミング排気ヘッダー、11.0:1の圧縮比と7,000 rpmから始まるレッドゾーンなどを採用し、500psの最高出力と637 Nmの最大トルクを誇る、歴代NAエンジンでナンバーワンのパフォーマンスを実現した。
トランスミッションは、6段MTのみを組みあわせるという、じつに硬派なモデルであることも特徴だ。
インテリアでは、Dシェイプデザインのステアリングホイール、独特なマットメタリック仕上げのトリム、そしてマイクロファイバースエードインサート付きレカロシートを採用している。この左右のレカロ製フロントシートは、レースでも使われる5点式シートベルトの使用にも対応するデザインと機能を確保し、重量を削減するためにマニュアル調整のみとなる。
また、シャシーでは、スプールバルブ・ダンパーを量産車で初採用し、コーナリングレスポンス向上のために硬めのストリングレートとサスペンションブッシュ、ブレーキでは、ブレンボ製のカーボンセラミックローターも採用した。標準モデルのカマロSSやZL1が20インチホイールを採用するのに対して、カマロZ28では、あえて19インチ径ホイールとし、車両1台あたり19kgのバネ下重量低減を実現。また、単にオーディオやエアコン、フォグライトを未搭載とするだけでなく、Z28では、それらの配線も取り除くという徹底した軽量化ぶりである。ルックスよりもパフォーマンスが最優先という本格派としての成り立ちは、こうしたパートでも説明が可能だ。
カマロZ28 は、最大のライバルであるフォード「マスタング ボス302」に先行されたハイパフォーマンスクーペのカテゴリーで、シボレーが放つ強烈なカウンターパンチになりそうだ。伝統のブランドに、全米のスポーツカーファンが期待する待望の本格派スポーツカーが復活したといえるだろう。