KTM X-BOWに、初のツーリングモデル|KTM
KTM X-BOW GT|KTM クロスボウGT
クロスボウに初のツーリングモデル
800kg前後の軽量ボディに、最高で300psにも達する、ハイパワーな2リッターターボエンジンを搭載する「X-BOW(クロスボウ)」はオーストリアのバイクメーカー「KTM」が手掛けるスポーツカーだ。これまで屋根はおろか、フロントウインドウすらなかった世界屈指のスパルタンなスポーツカーだったX-BOWに、登場より5年目にして、シリーズ初のツーリングモデルが「GT」というモデルネームで登場。ジュネーブモーターショー2013にてお披露目された。
Text by OTSUKI Takuma
Photograph by MOCHIZUKI Hirohiko & KTM
「走ること」以外は最低限しかなくていい
2007年のジュネーブモーターショーで発表され、2008年に発売となった「KTM X-BOW(クロスボウ)」は、オーストリアのバイクメーカーであるKTMが製造した超軽量スポーツカーだ。製作協力をイタリアのレーシングコンストラクターである「ダラーラ」に求めるなどし、まるでレーシングカーのようなデザイン、動力性能をもつに至ったが、それでもれっきとした「乗用車」であり、ナンバー取得も公道走行も可能。少数ながら日本にも輸入されている。
エンジン供給をフォルクスワーゲングループから受けており、現在のモデルでは2リッターのTFSIエンジンを搭載。公道を走れるもっとも出力の高いモデルでは最高出力220kw(300ps)/6,300rpm、最大トルクは400Nm/3,300rpmを発生する上に、車重はたったの790kgで、パワーウエイトレシオは2.63という数値を記録する。
屋根をはじめ、スクリーンもドアすらないため(オプション設定すらされない)、「走ること」以外全般が苦手という、本当に極端モデルだったこのクロスボウ。しかし今回、スクリーンと脱着式の屋根、それから乗降用ドアが備わるGTモデルが追加された。
とはいえ、あらたに登場となったGTモデルもこれまで同様に、かなり異質な世界感をもつモデルであることにかわりはない。搭載されるエンジンは従来どおり、フォルクスワーゲングループから供給される、2リッターのTSIエンジンで、最高出力210kw(285ps)/6,400rpm、最大トルクは420Nm/3,200rpmというスペックを誇る。0-100km/h加速は4.1秒でこなし、最高時速は231km。燃費は8.3ℓ/100km、CO2排出量は189g/kmだ。
登場から5年が経過し、熟成が進むなか、さらにハイパワーとなる、アウディのターボエンジンや、ツインクラッチトランスミッション搭載モデルの登場が噂されるなど、まだまだKTMが世に放つ孤高のスーパースポーツの動向から、目が離せなさそうだ。
KTM X-BOW GT|KTM クロスボウGT
ボディサイズ|全長3,738×全幅1,915×全高1,202mm
ホイールベース|2,430 mm
トレッド 前/後|1,672 / 1,626 mm
最小回転半径|5.4 メートル
重量|847 kg
エンジン|1,984cc 直列4気筒 直噴DOHCターボ
最高出力| 210kW(285ps)/ 6,400 rpm
最大トルク|420Nm(42.8kgm)/ 3,200rpm
トランスミッション|6段マニュアル
駆動方式|MR
タイヤ 前/後|205/45R17 / 255/35R18
最高速度|231 km/h
0-100km/h加速|4.1 秒
100-0km/h減速|32.9 m
燃費(NEDC値)|8.3 ℓ/100km
CO2排出量|189 g/km
燃料タンク容量|40 ℓ