トヨタ・プリウス|TOYOTA PRIUS 第4回
TOYOTA PRIUS|トヨタ・プリウス 第4回
ダンパーからオイル漏れ?
OPENERS編集部の長期リポート2号車である、トヨタ プリウスのその後を久びさにリポート。先日の定期点検のさいに珍しいトラブルが見つかったため、ピットに入ることになった。
文=OPENERS写真=鈴木 勝
走っていても気づかない
日ごろからお世話になっている東京トヨタ自動車江戸川店で点検してもらったところ、非常に珍しい不具合が見つかったとの連絡があった。右フロントサスペンションのダンパーからオイルが漏れているというのだ。運転していてもまったく気がつかなったし、そもそも長期リポート車として導入以来、まだ2万3,000km程度しか走っていないのに、そんなことがあるのだろうか。ということで、修理の現場を見せてもらうことにした。
さっそく、ピットでダンパーの交換作業を見せてもらうこと。まずはタイヤをはずし、ダンパーの状態を見せてもらったが、ライトを当ててのぞきき込んでも、正直どこからオイルが漏れているのかわからない。ダンパーを触ってみてようやく、オイルが付着しているのがわかる程度だった。
スタッフでもマニュアルを見ながら
ここから実際にダンパーをはずす作業にはいるわけだが、トヨタのように非常に豊富な車種を展開していると、手順をまちがえないように、熟練の作業員でもマニュアルを見て、ひとつずつ追っていきながら作業をおこなわなければならないという。プリントアウトしたマニュアルを見せていただいたが、作業工程がA4用紙にして24枚にもわたっていた。プリウスの場合、サスペンション取りつけ部のナットをはずすために、センサー類はもちろん、カウルトップパネルやワイパー、ワイパーモーターなどをはずさなければならない。この部分にもっとも作業を要していた。
漏れではなく、にじみ
約20分あまりの作業ののち、ダンパーが取り出された。オイルの漏れを確認するとたしかに“にじみ”程度のオイルが漏れていた。江戸川店の小嶋一彦さんによると、今回は5年10万kmのメーカー保証による保証整備だが、オイルが漏れている量はメーカーが交換を推奨するよりも少ないと思われるため、メーカーがすべてを保証するのではなく、ディーラーがある程度負担することになるかもしれないという。それでも、危険の目を刈り取るために、念には念を入れて部品交換をするという極め細やかなサービスがトヨタ系ディーラーのすごいところだと感じた。
3時間あまりで確かな足まわりに
交換した部品をふたたび車体に取りつけ、さらにテスターにかけて、作業スタッフによる走行から帰ってきた2号車プリウス。ダンパー以外に異常は見つからなかったので、これだけの作業をおこなって、約3時間で終了した。日常の走行にはまったく支障をきたさなかったとはいえ、リフレッシュしたダンパーのついた車両はやはり、しゃきっとした足まわりになっていた気がする。
なお、このダンパーのオイル漏れという症状は、3代目プリウスではこれまで報告例がないようで、非常に珍しいケースだったようだ。コンベンショナルなタイプのダンパーであるため、おそらく構造的な問題などではなく、偶然生じてしまったという範疇だとみられる。サーキット走行などもおこなった2号車だったが、今後は、日常走行で気づいた点についてもリポートしていきたい。