ファッションデザイナー滝沢直己 × The Beetle Turbo Exclusive 響き合うファッションとクルマ|Volkswagen
CAR / IMPRESSION
2015年2月23日

ファッションデザイナー滝沢直己 × The Beetle Turbo Exclusive 響き合うファッションとクルマ|Volkswagen

Volkswagen The Beetle Turbo Exclusive
フォルクスワーゲン ザ ビートル ターボ エクスクルーシブ

ファッションデザイナー滝沢直己 × The Beetle Turbo Exclusive

響き合うファッションとクルマ

色づいた落ち葉が風に舞う12月の東京。ファッションデザイナーの滝沢直己氏は、フォルクスワーゲンのアイコンとも言うべき一台のクルマと出逢った。クルマとは何か。クルマに何を求めるのか――。かつてISSEY MIYAKEのデザイナーを務め、つい最近までユニクロのデザインディレクターとして活躍していた同氏にとって、“Exclusive”という名を与えられた特別な「The Beetle 」は、ファッションの世界とも共通するクオリティとデザイン、そしてエモーショナルに溢れていた。

Text by OGAWA FumioPhotographs by NAITO Takahito

見かけから想像するより、はるかにスポーティ

ファッションデザイナーの滝沢直己氏は、ISSEY MIYAKEのメンズおよびレディース時代から、いまにいたるまで、多くのファンを魅了してきた。その理由は、素材、カット、縫製、フィットなど、服にまつわるすべてを理解したうえで、着るひとのことを忘れない快適性を、トレンドと両立させる腕前を持つからだ。

服とは、人間のためにスタイルとテクノロジーを組み合わせたプロダクトだとすると、そこにはクルマと接点があるともいえる。フォルクスワーゲンの「The Beetle Turbo Exclusive」と、滝沢直己氏の出合いも、響き合うものがあるように感じられる。

滝沢直己氏自身、フォルクスワーゲン(VW)は思い出深いブランドだという。ISSEY MIYAKE入社当時は、周りの先輩デザイナーたちが所有していたオリジナルビートルのカブリオレに憧れ、自身が運転するようになってからは、「ゴルフ カブリオ」「ゴルフ VR6」と、趣味性の高い、楽しいVW車を乗り継いだ。

ファッションデザイナー滝沢直己 × The Beetle Turbo Exclusive|Volkswagen

ファッションデザイナー滝沢直己 × The Beetle Turbo Exclusive|Volkswagen

「The Beetle Turbo Exclusiveは、フロントマスクが昔見慣れたオリジナルビートルとの共通性を感じさせながら、すっとリアへと続いているシャープなラインがあたらしさを感じさせ、躍動感がありますね」。実車に対面しての第一声である。

The Beetle Turbo Exclusiveは、スタンダードモデルに約100psくわえた211psのハイパワーを誇る2リッターターボエンジンを搭載。同時に、ダイヤモンドステッチを施された専用スポーティシートや、リアスポイラー、クロームのテールカッターなどを特徴とする。フォルクスワーゲンのウェブサイトで、限定発売が開始され人気を呼んでいる。

くわえて、The Beetle Turbo Exclusiveは、走りの良さでもキャラクターが立っている。パワフルなエンジンと、それを受け止めるシャシーの剛性の高さ。ハンドリングは見かけから想像するよりはるかにダイレクトでスポーツ性が高く、このクルマとの生活が楽しくなるものだ。

オリジナルビートルも発表された当時は、万人に向けた製品だったはずだが、性能は水準以上だったのを思い出す。The Beetle Turbo Exclusiveは現代的に洗練された出来なのだ。


Volkswagen The Beetle Turbo Exclusive
フォルクスワーゲン ザ ビートル ターボ エクスクルーシブ

ファッションデザイナー滝沢直己 × The Beetle Turbo Exclusive

響き合うファッションとクルマ (2)

クルマ作りと服作りの共通点

The Beetleは、人々に広く愛されたオリジナルビートルのスピリッツを注入されたニュービートルの後継車として、2011年に発表された。シンプルな印象のスタイリングながら、LEDを組み込んだヘッドランプや、VWの生産技術力があってこそ可能になったシャープなプレスラインなど、21世紀的なあたらしさを随所に感じさせる。

その意味で、テクノロジーをじつに巧みにファッションに取り入れる滝沢直己氏が、どう評価するかは、たいへん興味惹かれるところである。

「僕はまず、オリジナルビートルを連想しました。あのクルマは凄かったと思うんです。砂漠用のオフロード4輪駆動や、スクリューをつけた水陸両用車など、さまざまな派生車種が作れましたよね。いかにオリジナルの設計の完成度が高かったかの証明です」

滝沢直己氏は、The Beetle Turbo Exclusiveとオリジナルビートルを二重写しに見るように語る。洋服でも似ている面があるそうだ。

ファッションデザイナー滝沢直己 × The Beetle Turbo Exclusive|Volkswagen

ファッションデザイナー滝沢直己 × The Beetle Turbo Exclusive|Volkswagen

「特殊な目的のためにデザインされた服からは、すばらしい美が生まれることがあります。上着の丈の長さが腰につける道具のために決まったり、ポケットの位置や形状も道具の出し入れがしやすい形状になっていたり。僕はそういう機能主義的な服が好きで、それがクルマの基本設計と同じではないかと思っているんです」

滝沢直己氏が手がける服では、高密度の織物などを作れる日本企業の繊維技術を活かすこともある。ハイテクと伝統技術を合体させる手腕は、他者の追随を許さない。

「The Beetle Turbo Exclusiveは、VWの高度な技術が詰まっていると、操縦すればすぐ分かると思うのですが、一方で、合目的的に設計された機能美とともに、どことなくユーモラスで人間的なたたずまいで愛されてきたオリジナルの美点が反映されています。その折り合いの付け方がVWは実に上手だと、異業種ながら感心します」


Volkswagen The Beetle Turbo Exclusive
フォルクスワーゲン ザ ビートル ターボ エクスクルーシブ

ファッションデザイナー滝沢直己 × The Beetle Turbo Exclusive

響き合うファッションとクルマ (3)

ストーリー性を持ち、かつプロダクトとして魅力に溢れた1台

The Beetle Turbo Exclusiveのもうひとつの魅力。それは内装だ。たてつけのいいドアを開けると目に飛び込んでくるのは、ブラックで質感を出したダッシュボードと、この限定車専用に用意されたアンバーブラウンとブラックを組み合わせたシートが作り出す独特の世界。

「ブラックとクロームで質感を出すのが上手なのがドイツ車ですが、やはり、2色だと無味乾燥になりがちです。そこで、The Beetle Turbo Exclusiveは、ダイヤモンドステッチという、昔のレーシングカーのような素敵な菱形のステッチを施したブラウン表皮のシートを組み合わせていますね。これは乗り込むとき、気分が昂揚しますよ」

滝沢直己氏はファッションを例にあげる。

「たとえばシャツ、ジャケット、パンツをすべてダークな色調でコーディネートするとき、全体がすこし弱いかなとおもったら、艶のある靴で調子をとるとかしますね。The Beetle Turbo Exclusiveの内装は、僕から見ても、なかなかの妙手です」

ファッションデザイナー滝沢直己 × The Beetle Turbo Exclusive|Volkswagen

ファッションデザイナー滝沢直己 × The Beetle Turbo Exclusive|Volkswagen

クルマは“足”でなく、楽しみのために乗るモノと思っています、と語る滝沢直己氏にとって、The Beetle Turbo Exclusiveは、ストーリー性を持ち、かつプロダクトとして魅力に溢れた1台だと総括する。

「クルマには、運転するエモーションと、乗り込むエモーション、このふたつが大事で、所有することに誇りがもてないといけないと思っています。なので操縦して楽しく、内外装をみて気持ちが高ぶるThe Beetle Turbo Exclusiveはとてもいいですね」

そしてなにより感心したのは――、とインタビューの最後に滝沢直己氏はつけくわえた。

「製品のクオリティとデザイン。それともうひとつ、なにがブランドにとって重要かを、VWはよく理解しています。さまざまな製品を作っていても、シグネチャーと僕たちが呼ぶ、いわば企業の“顔”を作るのが上手です。The Beetle Turbo Exclusiveはその典型だと思います。誰が見ても、どのメーカーのクルマかわかる。それがプロダクトでは大事なのです。じつはとても難しいことなんですよ」

滝沢直己|TAKIZAWA Naoki

滝沢直己|TAKIZAWA Naoki
ファッションデザイナー。1960年東京生まれ。桑沢デザイン研究所のドレスデザイン科を卒業後、株式会社三宅デザイン事務所入社。1993年-2006年ISSEY MIYAKE MENのデザイナー。2000年-06年 ISSEY MIYAKE WOMENS のデザイナーを兼任。2006年株式会社 NAOKI TAKIZAWA DESIGN 設立。2011年-14年ユニクロのデザインディレクターに就任。昨年はヤンマー株式会社創業100周年のブランドリニューアルプロジェクトに参画し、農業ウエア、マリンウエアの開発に携わるなど、その活動の場を広げる。 1998年毎日ファッション大賞、 2007年フランス芸術文化シュバリエ勲章受賞。

Volkswagen The Beetle Turbo Exclusive 特設サイト
http://thebeetle.jp/exclusive/

フォルクスワーゲン カスタマーセンター
フリーダイヤル0120-993-19

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Volkswagen The Beetle Turbo Exclusive|フォルクスワーゲン ザ・ビートル ターボ
ボディサイズ|全長4,270×全幅1,815×全高1,495 mm
ホイールベース|2,535 mm
トレッド 前/後|1,570 / 1,535 mm
最低地上高|130 mm
最小回転半径|5.0 メートル
重量|1,3850 kg
エンジン|1,984cc 直列4気筒 直噴DOHC ターボ
圧縮比|9.6 : 1
最高出力| 155 kW(211 ps)/ 5,300-6,200 rpm
最大トルク|280Nm(28.6 kgm) / 1,700-5,200 rpm
トランスミッション|6段オートマチック(6DSG)
駆動方式|FF
サスペンション 前|マクファーソン ストラット
サスペンション 後|4リンク
タイヤ|235/45R18
ブレーキ 前/後|ベンチレーテッドディスク / ディスク
燃費(JC08モード)|13.4 km/ℓ
CO2排出量|173g/km
ボディカラー|オリックスホワイト マザーオパールエフェクト、またはディープブラックパールエフェクト
価格|397万円(全国限定50台、各色25台)

           
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