オンロードが似合う注目のSUVたち Part 3|ボルボXC40
VOLVO XC40 T4 Momentum|ボルボXC40 T4 モメンタム
スカンジナビアデザインに惚れる
毎年2月に日本輸入車組合(JAIA)がプレス向けに開催する試乗会からの一気乗りリポート。SUV編の第3弾として、メルセデス「GLA」やBMW「X1」など競合ひしめくコンパクトSUV市場にボルボが満を持して投入した「XC40」のショートインプレッションをお届けする。
Text & Photographs by HARA Akira
欧州カー オブ ザ イヤーと日本カー オブ ザ イヤーのダブル受賞
トールハンマーのヘッドライトと、シンプルでクリーンなスカンジナビアデザインが人気のボルボ製SUV、XCシリーズ。フルサイズの「XC90」、ミドルサイズの「XC60」に続いて2017年にワールドデビューしたコンパクトSUVの「XC40」は市場の評価が非常に高く、2017-18年の欧州カー オブ ザ イヤーに続いて、2018-19年の日本カー オブ ザ イヤーも受賞した。
同じジャンルにドイツ御三家のメルセデス・ベンツ「GLA」、BMW 「X1」、アウディ「Q3」、さらに英国のジャガー「Eペイス」、レンジローバー「イヴォーク」等々ライバルがひしめく中、なぜこうした受賞歴を獲得することができたのか。大磯での試乗で確かめてみた。
今回試乗したのは、8グレードあるXC40の中でも、下から2番目のエントリーモデルとなる「XC40 T4モメンタム」。搭載する2.0リッターのDrive-E直列4気筒直噴ターボエンジンは、最高出力190ps(140kW)/4,700rpm、最大トルク300Nm/1,400-4,000rpmを発生するベーシックバージョンで、8段ATを介して前輪を駆動する。
これ以上のグレードではすべて四輪駆動となり、さらに上位のT5では同じ排気量のモジュラーエンジンながら、チューン違いでパワーアップされた252ps/350Nmのものが搭載される。
プラットフォームは、大型のXC90やXC60が採用するSPA (スケーラブルプロダクトアーキテクチャー)とは異なり、新開発の小型車専用CMA(コンパクトモデュラー アーキテクチャー)を採用した。ボディサイズは全長4,425mm×全幅1,875mm×全高1,660mm。実車を前にすると、1,875mmもの全幅によるものか、意外に大きいな、というのが素直な印象だ。
Page02. 使い勝手に優れたインテリア
VOLVO XC40 T4 Momentum|ボルボXC40 T4 モメンタム
スカンジナビアデザインに惚れる(2)
使い勝手に優れたインテリア
直線を多用したエクステリアは、逆スラントしたノーズやキックアップしたリアウインドウのデザインが新しい。試乗車は、アマゾンブルーと呼ばれる淡い水色のボディとオプションのホワイトルーフを組み合わせた美しい2トーンカラーモデルで、フェンダーに取りあしらわれた小さなスウェーデン国旗とともに、北欧製であるというオーラを周囲に振りまいていた。
インテリアも、明るいブロンド/チャコールグレーの2トーンで、汚れた靴で乗り込むのがはばかられるほど都会的で上品なカラーとファブリックでまとめられている。
使い勝手はよく考えられていて、グローブボックスにはバッグがかけられるリトラクタブルフック、ドアに取り付けられることが多い低音用スピーカーをダッシュボード側に移動させたエアウーファーテクノロジーにより、大型ペットボトルやノートPC、ハンドバッグが収納できるようになった大容量ドアポケット、センターコンソールの取り外し式ゴミ箱付きティッシュボックス入れ、ワイヤレス充電できるスマートフォンスペースなど、日本の軽自動車やワンボックスも驚くほどの収納スペースが確保されている。
しかもそれがこれみよがしでなく、控えめかつ練りに練った北欧デザインとしてビルトインされている点は、ぜひ日本車も見習ってもらいたいところだ。
実際の走りはボルボらしい実直なもので、エンジンは黒子に徹した良い仕事をしている。安全・運転支援面ではボルボ自慢の「インテリセーフ」を標準装備。全車速追従型のACCとパイロットアシスト(車線維持機能)によるレベル2の半自動運転が、ステアリングのボタン一つで簡単かつ確実に作動するなど、この分野の老舗らしい出来栄えだ。
マイナスポイントは、キックアップしたCピラーにより遮られる斜め後方の視界と、日本の駐車場や狭い道で少し気になる車幅ぐらいか。価格は439万円となっている。
ボルボお客様相談室
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