コンコルソ デレガンツァ 京都 2019が開催|Concorso d'Eleganza Kyoto
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2019年5月8日

コンコルソ デレガンツァ 京都 2019が開催|Concorso d'Eleganza Kyoto


Concorso d'Eleganza Kyoto 2019|コンコルソ デレガンツァ 京都 2019


ザガートとポロストリコをテーマに、京都へクラシックカーが集結


コンコルソ デレガンツァ 京都 2019開催


世界遺産である京都元離宮 二条城。その中にある通常非公開エリアの二の丸御殿中庭において、コンコルソ デレガンツァ 京都 2019が開催された。今年のベスト オブ ショウはランボルギーニ「3500GTZ」が獲得した。

Text & Photographs by UCHIDA Shunichi Photographs by UCHIDA Chizuko




今年からはFIVA(国際クラシックカー連盟)公認イベント


4月13日から14日にかけて開催されたコンコルソ デレガンツァ 京都 2019は、今回で3回目となるクラシックカーの美を競うコンクールだ。

アメリカの「ペブルビーチ コンクール デレガンス」、イタリアでは「コンコルソ デレガンツァ ヴィラ デステ」が2大コンクールとして認知されており、どちらも長い歴史とともに権威あるコンクールとして知られている。

一方アジア圏に目を移すといくつかのコンクールはあるものの、欧米に肩を並べるほどのレベルのものはなかった。そこでアート アクアリウム アーティストで、このイベントのFounder & CEOの木村英智氏が日本の、しかも古都京都で始めたのがこのコンコルソ デレガンツァ 京都なのだ。




審査風景、カロッツェリアザガートの原田紀彦氏が審査員の中村史郎氏らに説明







左からフェラーリ348TSザガート、オーテックステルヴィオザガート、アストンマーティンV8ヴァンテージザガート





そのレベルを保つために初回から審査員を充実させ、今年も上記2大コンクールの審査員や審査委員長をはじめ、元日産自動車デザイントップの中村史郎氏などを招聘し、そのレベルと格式を一流のものに保つように図られていた。さらに今年からFIVA(国際クラシックカー連盟)公認イベントとなり、同会長も審査員として来日した。

さて、昨年のテーマは1926年に設立されたイタリアのカロッツェリア、トゥーリングをフィーチャーしたが、今年は創設100周年を記念してカロッツェリア ザガートと、2015年春に設立しされたランボルギーニのヒストリック部門、ポロストリコをテーマに開催。特にザガートは日本のこのイベントを第一弾とし今後さまざまな国でイベントを展開する予定だという。




Concorso d'Eleganza Kyoto 2019|コンコルソ デレガンツァ 京都 2019


ザガートとポロストリコをテーマに、京都へクラシックカーが集結


コンコルソ デレガンツァ 京都 2019開催 (2)



戦前のクルマから最新モデルまでが揃う


エントリー車両は54台だが、そのほとんどがザガートかランボルギーニだった。中でも注目は今回のトップ オブ ショウを受賞したランボルギーニ「3500GTZ」だろう。生産台数はわずか2台で、左右ハンドル1台ずつという希少なプロトタイプだ。生産モデルの「350GT」をベースにザガートがボディを作成した、いわばダブルネームで、その点でも今回の受賞にふさわしいクルマといえよう。

このアメリカからエントリーされた3500GTZは、実際に公道を走るためにライセンスプレートを取得。今回もカルネ(一時持ち込みのための関税やナンバーに関する簡易化制度)を取得し、現地ナンバーのまま2泊3日のツアーにも参加し日本のワインディングロードを駆け巡っていた。つまり、単にきれいな状態で保存しているのではなく、実際に走らせ楽しんでいるオーナーのもとにあるのだ。




小さな小さなザガート達







アルファロメオジュリエッタSZ2(左)とTZ





そのほかザガートモデルでは、戦前のアルファロメオ「6C1750GSザガート」から、1967年のジュネーブやロンドンモーターショーに出展されたプロトタイプのローバー「TCZ」、オーテック「ステルヴィオ」などの日本車、アルファロメオ「TZ3ストラダーレ」やマセラティ「モストロ ザガート クーペ」、アストンマーティン「ヴァンキッシュ ザガート ヴォランテ」など近年のモデルも展示され、注目を集めていた。

また、ランボルギーニも「イスレロ」や「エスパーダ」といった初期のグランドツアラーから、「ミウラ」や「カウンタック」、そしてランボルギーニSUVの始祖となる「LM-002」もエントリーしていた。




ランボルギーニミウラ(左)、イスレロ(中)、エスパーダ(右)







四国のワインディングをかけるランボルギーニ3500GTZ





さらにランボルギーニとザガートのコラボレーションモデルの最新バージョンもお披露目された。それはランボルギーニ「5-95ザガート100thアニバーサリー」だ。ガヤルドの限定バージョン、「LP550-2 バレンティーノ・バルボーニ」をベースに、ザガートが95周年モデルを作成。それをさらに100周年モデルとしてリデザインしたもの。トランスミッションも標準のe-ギアからマニュアルに換装され、バルボーニ氏自身がチューニングを行った。当人もサプライズで応援に駆け付け、イベントを盛り上げていた。

昨年の4日開催から今年は2日間へと短縮、しかも最終日はお昼くらいから雨になってしまった。それでも多くの来場者が詰めかけ、昨年以上の人出となったようだ。

また、今年は直接海外から主催者にエントリーがあるなど、海外での知名度も徐々に高まりつつあるようだ。是非来年以降も継続して開催し、その地位を確立してほしいと感じた。