BMW X3|プレミアムSUV「X3」が生まれ変わる
BMW X3|ビー・エム・ダブリュー X3
プレミアムSUV「X3」が生まれ変わる
2003年のフランクフルトショーで初代が発表され、2006年にマイナーチェンジ。比較的コンパクトなプレミアムSUVの草分け的存在であるX3。今回で2代目となる新型はいかに。
文=ジラフ
正式発表は9月末のパリモーターショーにて
BMWは新型「X3」を発表した。2代目となるX3は、全長4,648×全幅1,881×全高1,661mm、ホイールベースは2,810mmと、初代と比べてややボディサイズを大型化した。全長で79mm、全幅で28mm大きくなったが、全高は20mm低くなっている。これにより室内空間も拡大している。リアシートの足もとのスペースも広くなった。
搭載されるエンジンは、欧州向けが、ガソリン1、ディーゼル1の2機種。ガソリンの「xドライブ35i」は、直噴の3.0リッターターボとなり、最高出力306ps/5,800rpm、最大トルク40.8kgm/1,300rpmを発生させ、8速ATとの組み合わせで、0-100km/h加速5.7秒、最高速245km/hを記録するという。
またこのエンジンは、バルブトロニックとハイプレシジョンインジェクションを組み合わせることによって、BMWの哲学である、「エフィシエントダイナミクス」(よりクリーンに、よりパワーを)を現実のものとし、アイドリングストップを採用するなどの相乗効果によって、欧州複合モード燃費11.36km/ℓ、CO2排出量204g/kmを実現する。
この新型X3は、9月の末に開催されるパリモーターショーで正式発表の予定。その実力の一端は、動画共有サイトで見ることもできる。
BRAND HISTORY
“キドニーグリル”と丸目四灯ヘッドライトにより、ひと目でそれとわかるフロンマスクが特徴のBMW。日本の輸入車市場においてもつねに高い人気を誇っているが、その名前が何を意味するのか、即座に答えられるひとは意外に少ないのではないだろうか。
Bayerische Motoren Werke(バイエリッシュ・モトーレン・ヴェルケ)。直訳すれば「バイエルン地方のエンジン工場」という意味だ。前身だったラップ社は、カール・フリードリッヒ・ラップが1913年にドイツのバイエルンに設立した航空機用エンジンのメーカーで、おなじバイエルンの機体メーカーのオットー社と組んで、ビジネスを成功に導く。1916年にはバイエリッシュ・モトーレン・ヴェルケ有限会社と改称。2年後には株式会社に組織変更するとともに、バイエルンの青い空と白い雲をイメージしたプロペラのロゴマークを登録している。
その後も革新的な技術により存在感を高めたBMWだったが、第一次世界大戦の敗戦により、航空機エンジンの製造中止を余儀なくされた。そこでBWMは、もてる技術をモーターサイクルに注ぎ、1923年にはシャフトドライブの「BMW R32」を発表して注目を浴びることに。しかし、それだけでは飽きたらず、オースチンセブンをライセンス生産するディクシー社を買収。これにより自動車ビジネスの足がかりをつかみ、1929年には「BMW3/15 PS」を発売、自動車メーカーとしての歴史をスタートさせている。
ちなみに、BMWと深い関係にあったオットー社は、ガソリンエンジンの理論を確立したニコラウス・アウグスト・オットーの実の息子であるグスタフ・オットーが創立した会社。BMWが内燃機関にこだわるのは、このあたりに理由がありそうだ。