Audi RS5|アウディ最強の2ドアクーペ
S5比でプラス100hpの450hpを達成
この「RS5」は、アウディのスポーツ部門をつかさどる系列会社クワトロGmbhによって開発が進められたモデルで、現行の高性能バージョン「S5」のさらに上をいく、まさに最高峰のモデルとして設定された。
ボディ形状は2ドアクーペ、搭載されるエンジンはS5とおなじ、自然吸気の4.2リッターV8ユニットでありながら各所に手をくわえることによって、最高出力はおよそ100hpアップの450hp/8250rpmを実現。最大トルクは43.9kgmとなる。
このスペックを支えるトランスミッションは、特別なチューニングがほどこされた7速Sトロニックを採用。パドルシフトも備わったことから、0-100km/h加速は4.6秒を実現。最高速度は250km/hに制限されるが、リクエストによりリミッターの作動速度を280km/hに引き上げることも可能だ。
欧州での価格は7万7700ユーロ(約963万円)~
アウディの代名詞ともいえるクワトロシステムは新設計され、軽量コンパクトでありながら高いトルク伝導効率を実現している。通常時は現行のクワトロと同様、前後40:60のトルク配分をおこない、必要に応じてフロントに最大70パーセント、リアに85パーセントのトルクを伝達する。また、タイトなコーナなどでインリフトするような状況では、内輪の駆動力を制御することも可能だ。
外観的な特徴は、大きく膨らんだフェンダー、シルバーアクセント付きのバンパースポイラー、そしてマットシルバー仕上げのドアミラーだろう。
またセンターグリルも、特徴的なチャコールグレーのメッシュタイプのものが採用されている。インテリアはブラックを基調に、カーボンパネルなどを使うことでスポーティな仕上がりとなっている。
RS5は、ヨーロッパでは今春から販売が予定され、価格は7万7700ユーロ~(約963万円)となる。
BRAND HISTORY
Audi(アウディ)のエンブレムは“フォーリングス”。その輪ひとつひとつが自動車メーカーのアウディ、DKW(デーカーヴェー)、ホルヒ、ヴァンダラーを表しているのはご存じだろう。いずれもザクセン州に本拠を置き、20世紀のはじめ、ドイツの自動車産業を牽引したブランドである。しかし、第一次世界大戦後に起きた世界恐慌の煽りをくらった4社は、生き残りをかけて、1932年にアウトウニオンを結成。DKWがモーターサイクルと小型車、ヴァンダラーが中型車、アウディが高級中型車、そして、ホルヒがラグジュアリーカーに特化する戦略をとることになった。
しかし、第二次世界大戦の敗戦により旧東ドイツのザクセンはロシアの占領下となり、アウトウニオンは消滅。これを見越して、旧西ドイツのバイエルン州インゴルシュタットに新生アウトウニオンが設立される。BMWやメルセデス・ベンツとちがい、工場のない状況からの苦しいスタートをしいられたアウトウニオンであったが、DKWデリバリーバンなどの生産により徐々に体力をつけていった。
1964年末にフォルクスワーゲン傘下に収まったアウトウニオンは、ほどなくしてアウディの名を冠した新型車を世に送り出す。そして1969年には、ネッカースウルムに本拠を置くNSU(“ヴァンケルエンジン”の開発で知られる)を合併し、アウディNSUアウトウニオンとなり、1985年からはアウディとして現在にいたる。クワトロをはじめとするテクノロジーと、モータースポーツ活動に裏付けられたダイナミック性能、エレガントなデザイン、そして、質感の高い仕上がりが、アウディの人気を牽引している。