Mercedes-Benz Vision S500 Plug-in HYBRID|ラグジュアリーサルーン初の3リッターカー
Mercedes-Benz Vision S500 Plug-in HYBRID|
メルセデス・ベンツ ビジョン S500 プラグインハイブリッド
ラグジュアリーサルーン初の3リッターカー
ダイムラーはフランクフルトモーターショーにおいて、コンセプトカー「ヴィジョンS500プラグインハイブリッド」を公開する。
驚異的な環境性能を実現
ダイムラーは今年4月に、「S350」用の3.5リッターV6ガソリンエンジンに、ハイブリッドモジュール(小型モーターなど)を組み込み、アイドリングストップ機能や回生ブレーキを採用した「S400ハイブリッド」を発表したばかり。
この「S400ハイブリッド」は欧州複合モード燃費12.7km/ℓ、CO2排出量186g/kmを達成していたが、今回フランクフルトモーターショーで公開予される「ヴィジョンS500プラグインハイブリッド」は、このS400ハイブリッドのシステムをベースとしながら、欧州複合モード燃費31.25km/ℓ、CO2排出量74g/kmという驚異的な環境性能を実現するという。
S400ハイブリッドとの最大のちがいは、蓄電容量がS400ハイブリッドの0.9kWhから10kWhに引き上げられたことだろう。二次電池は、どちらもおなじリチウムイオンバッテリーが採用されているが、サイズが大きくなったために、搭載位置がエンジンルームからトランク床下に変更されている。
搭載されるシステムも、エンジンはガソリン3.5リッターV6とおなじものだが、次世代の直噴システムが採用され、ハイブリッドモジュールは最高出力60ps、最大トルク25.5kgmまで出力が高められている(S400ハイブリッドのハイブリットモジュールは最高出力20ps、最大トルク16.3kgm)。
モーターのみで最長30km走行可能
このバッテリー大容量化と高出力のハイブリッドモジュールのおかげで、最長30kmをモーターだけでゼロエミッション走行が可能だという。
動力性能においても、0‐100km/h加速は5.5秒、最高速は250km/h(リミッター作動)を記録。まさに環境性能と動力性能を両立したハイブリッドカーに仕上がっている。
またプラグインハイブリッドという名が示すように、このモデルは家庭用コンセントからの充電も可能。充電時間は家庭用コンセントで約4.5時間、急速チャージャーを使用した場合は約1時間で完了するという。トランクには小型のオンボードチャージャーが搭載され充電をサポートする。
ダイムラーは、このヴィジョンS500プラグインハイブリッドについて「ラグジュアリーサルーンセグメントで初の“3リッターカー”(燃料3リッターで100kmの走行が可能)である」と自信のコメントを発表している。
BRAND HISTORY
自動車の歴史をひもとくとき、その先駆者として辿りつくのがゴットリープ・ダイムラーとカーツ・ベンツというふたりのドイツ人だ。1885年から86年にかけて、このふたりがべつべつにガソリン自動車を生みだし、クルマ社会の礎を築いたことは、いまさら説明するまでもない。それぞれが興した自動車会社はライバルと目されていた時期もあったが、第一次世界大戦後の不況を乗り切るために手を結び、1926年に合併によってダイムラー・ベンツ社が設立されている。
製品に与えられるメルセデスの名は、ダイムラーの顧客であったエミール・イェリネックが、ドイツ国外での販売を引き受けるかわりに長女の名前をつけさせたのがはじまりで、1902年にはダイムラー社により商標登録されている。
こうして生まれた、メルセデス、そして、Mercedes-Benz(メルセデス・ベンツ)は、その後もセーフティパッセンジャーセル、エアバッグ、ESP(エレクトリック・スタビリティ・プログラム)、ナイトビューといった最新技術を積極的に導入するなど、自動車発展の牽引役としてつねに時代の先頭を走りつづけているのだ。