BMW X1|Xシリーズのエントリーモデル、正式発表
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2015年3月5日

BMW X1|Xシリーズのエントリーモデル、正式発表

BMW X1|ビー・エム・ダブリュー X1

Xシリーズのエントリーモデル、正式発表

BMWは、新たなSUVモデル「X1」を投入することを正式に発表した。このモデルは「X3」「X5」などのSAV(スポーツアクティビティビークル)シリーズにカテゴライズされるもので、今回発表されたのはその概要と写真となる。

文=ジラフ

X3よりひとまわり小さいボディ

X1シリーズは、BMW1シリーズの新しいバリエーションとして登場するが、デザインはスポーティでありながらエレガント、そしてなんといっても、ひと目でBMWとわかるルックスが特徴のプレミアムコンパクトだ。

ボディサイズは全長4454×全幅1798×全高1545mm、ホイールベースは2760mmとなる。このサイズはおなじ1シリーズのハッチバックの全長4240×全幅1750×全高1415mmと比べ、かなり大きなものとなる(X3と比べると、全長110mm、全幅60mm、全高で140mmそれぞれ小さくなる。ホイールベースも35mm短い)。

しかし、このサイズを採用することによって、後席に大人3人が座ることができる空間を実現。ラゲッジスペースの容量は420リッターで、40対20対20の3分割可倒式のリアシートを畳むことによって、最大1350リッターの大容量を可能としている。

搭載されるエンジンの主力はディーゼルで、全6モデルのうち、5モデルにディーゼルを採用。基本はガソリンエンジン1種、ディーゼルエンジン1種の2ユニットとなるが、ディーゼルは出力特性を変えて、それぞれのモデルに搭載されるという。

モデルバリエーションは「xDrive28i」「xDrive23d」「xDrive20d」「xDrive18d」の4タイプとなるが、おなじエンジンで駆動方式を2WD(FR)にした「sDrive20d」と「sDrive18d」も設定される。もちろん、ガソリン、ディーゼルともに排出ガス性能は、ユーロ5をクリアしている。

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9月のフランクフルトモーターショーで正式デビュー

3.0リッター直6(258ps/6600rpm、31.6kgm/2600-3000rpm)のガソリンエンジンは「xDrive28i」に搭載される。これを6速ATと組み合わせることによって0‐100km/h加速が6.8秒、最高速で205km/hを実現する。

ディーゼルエンジンは直噴の2.0リッター直4ターボの1種類となるが、最新のコモンレールフューエルインジェクションとアルミ製クランクケースなどが採用され、出力特性を変えることで、残るそれぞれのモデルに搭載される。

唯一のツインターボモデルとなる「xDrive23d」のスペックは最高出力204ps、最大トルク40.8kgmを誇る。

シングルターボとなる「xDrive20d」「sDrive20d」の最高出力は177ps、最大トルク35.7kgmを発揮。また「xDrive18d」「sDrive18d」では最高出力143ps、最大トルク24.1kgmを記録する。トランスミッションは「xDrive23d」が6速ATのみとなるが、そのほかのモデルは6速MTが基本となる(「xDrive20d」は6速ATをオプション設定)。

これにくわえ、このニューモデル「X1」にはBMWの思想である低燃費コンセプト「エフィシェント・ダイナミクス」が採用され、回生ブレーキ、アイドリングストップ、ギアシフトポイント・インジケーター(MT車)が搭載されている。

X1は、2009年9月のフランクフルトショーで正式発表。ヨーロッパでは年内にも発売していく予定だという。

BRAND HISTORY
“キドニーグリル”と丸目四灯ヘッドライトにより、ひと目でそれとわかるフロンマスクが特徴のBMW。日本の輸入車市場においても常に高い人気を誇っているが、その名前が何を意味するのか、即座に答えられるひとは意外に少ないのではないだろうか。

Bayerische Motoren Werke(バイエリッシュ・モトーレン・ヴェルケ)。直訳すれば「バイエルン地方のエンジン工場」という意味だ。前身だったラップ社は、カール・フリードリッヒ・ラップが1913年にドイツのバイエルンに設立した航空機用エンジンのメーカーで、おなじバイエルンの機体メーカーのオットー社と組んで、ビジネスを成功に導く。1916年にはバイエリッシュ・モトーレン・ヴェルケ有限会社と改称。2年後には株式会社に組織変更するとともに、バイエルンの青い空と白い雲をイメージしたプロペラのロゴマークを登録している。

その後も革新的な技術により存在感を高めたBMWだったが、第一次世界大戦の敗戦により、航空機エンジンの製造中止を余儀なくされた。そこでBWMは、もてる技術をモーターサイクルに注ぎ、1923年にはシャフトドライブの「BMW R32」を発表して注目を浴びることに。しかし、それだけでは飽きたらず、オースチンセブンをライセンス生産するディクシー社を買収。これにより自動車ビジネスの足がかりをつかみ、1929年には「BMW3/15 PS」を発売、自動車メーカーとしての歴史をスタートさせている。

ちなみに、BMWと深い関係にあったオットー社は、ガソリンエンジンの理論を確立したニコラウス・アウグスト・オットーの実の息子であるグスタフ・オットーが創立した会社。BMWが内燃機関にこだわるのは、このあたりに理由がありそうだ。

           
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