GRAND BENTLEY|グランドベントレー
GRAND BENTLEY|グランドベントレー
ベントレースピリットをもっとも純粋にあらわす1台
ベントレーは、すべてが新しく生まれ変わった最高の新型車「グランドベントレー」をこの夏発売すると発表した。
文=ジラフ
あらゆる場面で優秀なクルマ
『非凡な走行性能』をもち、「あらゆる場面で優秀なクルマ」とベントレーが発表したこの新型モデルは、ベントレーの本拠地である英国クルーでデザインから設計、製造までのすべてが行われるという。
この新型車を発表するにあたって使用された『非凡な走行性能』(exceptional in all respects on the road)という言葉は、ベントレーの最初の顧客であるノエル・バン・ラールトの「ベントレーを手に入れたのは、その非凡な走行性能のせいだ。これ以上、ほかに何も欲しないほど……」からのものだという。
1921年の10月に出されたこのコメントを引用するあたり、今度の新型車が、まさにベントレースピリットをもっとも純粋に具現する一台となることを雄弁に物語っている。
BRAND HISTORY
「クラス最高の速さと価値を持つクルマをつくりたい」。“W.O.”の呼び名で親しまれているBENTLEY MOTORS(ベントレー・モーターズ)の創業者、ウォルター・オーウェン・ベントレーの言葉である。
若い時分からエンジニアとして経験を積んできたW.O.だが、はじめはクルマではなく蒸気機関車を相手とする仕事だった。仕事の合間にモーターサイクルでレースに参加するうち、彼の興味はエンジンに向けられていき、退職後、レーシングエンジンの開発を本格化させたのが第一次大戦のあと。
1920年代になると、イギリス内外のレースに参加。なかでもルマン24時間レースでは、“ベントレー・ボーイズ”の活躍により、1924年から1930年の7年間に5度の優勝を手に入れ、その名を知らしめた。しかし、経営状況は厳しく、1931年にはロールス・ロイスに買収され、かろうじてその名を残すことになった。
その後67年のあいだロールスの支配が続くが、1998年に転機が訪れる。フォルクスワーゲンがベントレーの名前とイギリスのクルー工場を買収。これによりベントレーはロールスとは別の道を歩みはじめ、「コンチネンタルGT」を皮切りに、「コンチネンタル・フライングスパー」「コンチネンタルGTC」といったニューモデルの投入により、見事、高級車市場での復活をはかった。さらに、2003年のルマン24時間では73年ぶり、6度目の優勝を手中に収めている。