ASTON MARTIN LAGONDA Concept|伝統の名を最新テクノロジーにのせて
ASTON MARTIN LAGONDA Concept|アストン・マーティン ラゴンダ コンセプト
伝統の名を最新テクノロジーにのせて
アストンマーティンは2月25日、フラッグシップモデルである「DBS」シリーズに、電動ソフトトップを備えた4シーター・オープンスポーツ「DBSヴォランテ」を新たにくわえることを発表した。
文=ジラフ
アストンからは独立したブランドとして
ラゴンダはもともと1898年に英国で誕生した自動車ブランド。1935年にはルマン24時間レースで優勝するなどモータースポーツでも活躍する名門としてその名を馳せるが、1947年、アストンマーチンとともに、ブラウン社に買収されたという経緯をもつ。
その後、ラゴンダの名は、1961年のアストン・マーティン「DB4」の4ドアバージョン「ラゴンダラピード」として、1974年には「DBS」をベースとした「ラゴンダ」として登場を果たす。以来、ラゴンダの名はアストン・マーティンの4ドアモデルを指すことになるが、今回発表された「ラゴンダコンセプト」は、アストン・マーティンからは独立したブランドとして、アストン・マーティンとは異なる顧客層にアピールをしていくという。
エンジンはバイオ燃料にも対応するV12
ラゴンダコンセプトのスタイリングは、スピードボートからヒントを得られたというだけあって、従来のアストン・マーティンとは大きく異なる雰囲気をもつ。
しかし大型のメッキグリル、独立4シーターのレイアウト、V12エンジンなどの採用は、このラゴンダが高級車として存在することを明確に主張している。アストン・マーティン ラゴンダの責任者である、Ulrich Bez氏は「ラゴンダは未来の高級車ブランド。新技術や新素材を投入し、高級車の新たな姿を提案していく」と語る。
詳細なメカニズムは明らかにされていないが、搭載されるエンジンはバイオ燃料にも対応するV12、駆動方式は4WDを予定。ゆくゆくは、ディーゼル、ハイブリッドも視野にいれて開発が進められるという。
ラゴンダブランドをヨーロッパ、北米、中近東などだけでなく、中国やインドなどの新興国でも販売していくとアナウンスされる。
BRAND HISTORY
いまもっともクールなスポーツカーブランドとして、世界中から注目を集めているのが、イギリスのASTON MARTIN(アストン・マーティン)だ。1914年にライオネル・マーティンとロバート・バンフォードにより設立された小さな会社は、アストン・クリントンと呼ばれるヒルクライム競技で成功を収めたことからアストン・マーティンのブランドを名乗るようになり、その後もモータースポーツやスポーツカーの歴史に輝かしい足跡を残す。
反面、経営の面では幾度も危機に追い込まれ、そのたびに救いの手が差し伸べられるという、まさに波瀾万丈の道を歩み続けてきた。たとえば、1947年にオーナーとなったデイビッド・ブラウンは、優れた経営力とエンジニアリングのセンスを活かして、自らのイニシャルを冠したスポーツカー「DB2」や、レース用マシーン「DBR1」で、その名前を残している。最近では、フォードがその株式を、プロドライブを創業したデイビッド・リチャード率いる投資家集団に売却したことが記憶に新しい。
しかし、アストン・マーティンはいつの時代も漲るパワーと美しいスタイルを備えたスポーツカーづくりを貫いている。現在のラインアップは「V8ヴァンテージ」と「DB9」。また近い将来「ヴァンキッシュ」にかわる新しいフラグシップモデル「DBS」が日本にもお目見えするはずだ。