ASTON MARTIN one-77|限定77台のスーパー・アストン
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2015年3月17日

ASTON MARTIN one-77|限定77台のスーパー・アストン

ASTON MARTIN one-77|アストン・マーティン one-77

限定77台のスーパー・アストン

アストン・マーティンは、昨年の10月に開催されたパリモーターショーでその一部を公開した「one-77」を、ジュネーブモーターショーで正式に発表した。

文=ジラフ

700psオーバーの7.3リッターV12エンジン

アストン・マーティン史上最強のモデルといわれる「one-77」。このモデルに搭載されるパワーユニットは、同社の6.0リッターV12をベースに開発された7.3リッターV12エンジン。最高出力700psオーバーを誇る同ユニットは、英国のコスワースがアストン・マーティンと共同で開発したもので、ドライサンプの採用力、吸排気系効率をあげるなどの細かなチューニングがなされているという。新開発の6速シーケンシャルにはパドルシフトが採用され、これによって生み出されるパフォーマンスは、0-96km/h加速で3.5秒、最高速は322km/hを達成する。

もちろんボディの開発にもこだわりを見せている。具体的には、カーボンファイバーのモノコックにハンドメイドのアルミパネルを組み合わせるという凝ったもの。この開発にはカーボン技術において信頼の厚いマルチマチック社が参加。ちなみに車重は、1500kgを下回る数値だという。

ASTON MARTIN one-77|限定77台のスーパー・アストン|02
ASTON MARTIN one-77|限定77台のスーパー・アストン|03

プライスは100万ポンド

エンジン位置の見直しもはかられた。既存のV12モデルより100mm低く、後方に搭載されたエンジンは、フロントミッドシップとして理想のバランスを実現。「one-77」のパフォーマンスの向上に大きく貢献している。

このパフォーマンスを受け、ブレーキにはカーボンセラミックブレーキ「マトリックス」が採用される。サスペンションにはプッシュロッド式の4輪ダブルウイッシュボーンを採用。これには「DSSV(ダイナミックサスペンションスプールバルブ)」を導入し、ユーザーの好みのセッティングがほどこされた足回りの状態で納車されるという。

「one-77」の生産は、限定77台。その価格は100万ポンド(約1億3700万円)といわれるが、アストン・マーティンのアナウンスによれば、すでに100台以上の問い合わせが寄せられているという。発売時期は現在のところ未定だ。

BRAND HISTORY
いまもっともクールなスポーツカーブランドとして、世界中から注目を集めているのが、イギリスのASTON MARTIN(アストン・マーティン)だ。1914年にライオネル・マーティンとロバート・バンフォードにより設立された小さな会社は、アストン・クリントンと呼ばれるヒルクライム競技で成功を収めたことからアストン・マーティンのブランドを名乗るようになり、その後もモータースポーツやスポーツカーの歴史に輝かしい足跡を残す。

反面、経営の面では幾度も危機に追い込まれ、そのたびに救いの手が差し伸べられるという、まさに波瀾万丈の道を歩み続けてきた。たとえば、1947年にオーナーとなったデイビッド・ブラウンは、優れた経営力とエンジニアリングのセンスを活かして、自らのイニシャルを冠したスポーツカー「DB2」や、レース用マシーン「DBR1」で、その名前を残している。最近では、フォードがその株式を、プロドライブを創業したデイビッド・リチャード率いる投資家集団に売却したことが記憶に新しい。

しかし、アストン・マーティンはいつの時代も漲るパワーと美しいスタイルを備えたスポーツカーづくりを貫いている。現在のラインアップは「V8ヴァンテージ」と「DB9」。また近い将来「ヴァンキッシュ」にかわる新しいフラグシップモデル「DBS」が日本にもお目見えするはずだ。

           
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