ASTON MARTIN CYGNET|アストンマーティン シグネット 販売開始
ASTON MARTIN CYGNET|アストンマーティン シグネット
衣がえしたトヨタの「iQ」
アストンマーティンは「シグネット」を発表した。これは現行のトヨタを代表するコンパクトモデル「iQ」をベースとするコラボレーションカーで、アストンマーティンにとって初の小型車。2011年から生産を開始する。
文=ジラフ
彩られた新型ラグジュアリーコンパクトカー
このシグネットは、1.3リッターのエンジンを積むトヨタ「iQ」をベースに開発されたもので、ルーフ、サイドドア、リアフェンダー以外のすべてのボディデザインがシグネット専用に設計されている。もちろんフロントグリルに、アストンマーティンの証である台形ブライトフィニッシュを採用している。
インテリアも、レッド&ブラックレザーを組み合わせたアストンマーティンならではのラグジュアリーな仕上がりで、ベースのiQとは一見するとまったくことなったモデルのような仕上がりになっている。
11日から動画共有サイトで公開されているシグネットのPR映像では、ほかのアストンマーティンのモデルと同様に、豊富な内装素材を組み合わせたパターンが用意され、レザーだけをとってみても、複数のバリエーションが存在することが確認できる。
またアストンマーティン社のユーリッヒ・ベッツCEOは、「シグネットは、ほかのアストンマーティン車と同様、一切の妥協も排除して開発がなされた」と自信のコメントを発表。その仕上がりは、かなり高いものだと思ってまちがいはないだろう。
アストンマーティン車オーナーの、セカンドもしくはサードカーの需要を満たすためにつくられたラグジュアリーシティカー「シグネット」。
その生産は、英国ゲイドンの本社工場で開始され、発売は2011年末が予定されているが、まだ公表されていない価格が気になるひとは多いはずだ。
アストンマーティンがオフィシャルで配信している動画で、その熱意を感じることができるだろう。
BRAND HISTORY
いまもっともクールなスポーツカーブランドとして、世界中から注目を集めているのが、イギリスのASTON MARTIN(アストンマーティン)だ。1914年にライオネル・マーティンとロバート・バンフォードにより設立された小さな会社は、アストン・クリントンと呼ばれるヒルクライム競技で成功をおさめたことからアストンマーティンのブランドを名乗るようになり、その後もモータースポーツやスポーツカーの歴史に輝かしい足跡を残す。
反面、経営の面では幾度も危機に追い込まれ、そのたびに救いの手が差し伸べられるという、まさに波瀾万丈の道を歩みつづけてきた。たとえば、1947年にオーナーとなったデイビッド・ブラウンは、優れた経営力とエンジニアリングのセンスを活かして、みずからのイニシャルを冠したスポーツカー「DB2」や、レース用マシーン「DBR1」で、その名前を残している。最近では、フォードがその株式を、プロドライブを創業したデイビッド・リチャード率いる投資家集団に売却したことが記憶にあたらしい。
しかし、アストンマーティンはいつの時代も漲るパワーと美しいスタイルを備えたスポーツカーづくりを貫いている。現在のラインアップは「V8ヴァンテージ」「DB9」、そして4ドアサルーンの「ラピード」とラインナップを拡げている。