Audi Sportback Concept|アウディ版4ドアクーペ、スポーツバック コンセプト
Audi|アウディ
アウディ版4ドアクーペ、スポーツバック コンセプト
2009年1月11日、アウディはアメリカ・デトロイトで開催されている北米国際自動車ショーでスポーツバックのコンセプトカーを公開した。
文=ジラフ
ハイパフォーマンスとウルトラクリーンを両立させたディーゼルユニット
このアウディ スポーツバック コンセプトは、昨年発売された2ドア フル4シータークーペである「アウディA5」の流れを汲むコンセプトモデルで、その特徴は、5ドアでありながらクーペのような流麗なシルエット、そして大きなリアハッチを持っていることだろう。ボディサイズは全長4950mm、全幅1930mm、全高1400mmとなっている。
デザイン的には水平感を強調するショルダーラインや、フロントとリアに採用された幅広でフラットなLEDライトユニットが印象的。
このコンセプトモデルに採用された技術のハイライトといえるのが、世界でもっともクリーンなディーゼルテクノロジー。搭載されるハイパフォーマンス・ウルトラ・クリーン・3.0リッターV6 TDIエンジンは225psの最高出力、550Nmの最大トルクを発揮。それでいながら窒素酸化物の排出はほとんどないという。このエンジンは全米50州すべての排出物質規制に適合し、2014年に発効するEU6基準もすでにクリアしている。
欧州ECE基準に則って算出された、このアウディ スポーツバック コンセプトのディーゼル燃料使用量は、平均で16.9km/ℓ、そしてCO2排出量は156g/km。低燃費と環境性能を両立したエンジンといえるだろう。
またこのモデルには、アウディ最新のトランスミッション「7速ティプトロニック」とクワトロが搭載され、TDIエンジンの生み出すパワーを余すことなく路面に伝えることが可能。これによって0-100km/h加速は7秒以下、最高速度は245km/hを実現するという。
現時点では同モデルの市場導入時期、価格は未定となっている。
BRAND HISTORY
Audi(アウディ)のエンブレムは“フォーリングス”。その輪ひとつひとつが自動車メーカーのアウディ、DKW(デーカーヴェー)、ホルヒ、ヴァンダラーを表しているのはご存じだろう。いずれもザクセン州に本拠を置き、20世紀のはじめ、ドイツの自動車産業を牽引したブランドである。しかし、第一次世界大戦後に起きた世界恐慌の煽りをくらった4社は、生き残りをかけて、1932年にアウトウニオンを結成。DKWがモーターサイクルと小型車、ヴァンダラーが中型車、アウディが高級中型車、そして、ホルヒがラグジュアリーカーに特化する戦略をとることになった。
しかし、第二次世界大戦の敗戦により旧東ドイツのザクセンはロシアの占領下となり、アウトウニオンは消滅。これを見越して、旧西ドイツのバイエルン州インゴルシュタットに新生アウトウニオンが設立される。BMWやメルセデス・ベンツとちがい、工場のない状況からの苦しいスタートをしいられたアウトウニオンであったが、DKWデリバリーバンなどの生産により徐々に体力をつけていった。
1964年末にフォルクスワーゲン傘下に収まったアウトウニオンは、ほどなくしてアウディの名を冠した新型車を世に送り出す。そして1969年には、ネッカースウルムに本拠を置くNSU(“ヴァンケルエンジン”の開発で知られる)を合併し、アウディNSUアウトウニオンとなり、1985年からはアウディとして現在にいたる。クワトロをはじめとするテクノロジーと、モータースポーツ活動に裏付けられたダイナミック性能、エレガントなデザイン、そして、質感の高い仕上がりが、アウディの人気を牽引している。