Mercedes-Benz|SLR スターリングモス 限定75台で登場
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2015年4月22日

Mercedes-Benz|SLR スターリングモス 限定75台で登場

MERCEDES-BENZ SLR STIRLING MOSS|SLR スターリングモス

SLR スターリングモス 限定75台で登場

独ダイムラー社は、1950年代に誕生した、伝説の名車SLR300をデザインモチーフとして仕上げた、リミテッドモデル『SLRスターリングモス』の2009年リリースを発表した。

文=ジラフ

現代によみがえったSLR300

車名にも採用されるスターリングモスとは、1955年のミッレミリアでSLR300を勝利に導いたイギリスの英雄的レーシングドライバー、スターリング・モスの名前。このモデルはその名を冠したスペシャルカーというわけだ。

ベースとなる車両はメルセデス・ベンツ SLRマクラーレンだが、ボディは完全に新設計となる。小さなガルウイングのドア、ドライバー後方のツインドームなど、まさにSLR300の特徴が再現され、メルセデスファンにはたまらない仕上げといえるだろう。

また搭載されるエンジンは、2008年10月に発表された「722エディション」と共通のAMG製5.5リッターV8スーパーチャージャー。最高出力650ps、最大トルク83.6kgmをたたき出し、最高速で350km/h、0-100km/h加速は3.5秒というずばぬけた性能をもっている。

わずか75台の限定生産

ボディは軽量化を図るためにオールカーボンを採用。またウインドスクリーンもサイドウインドウもないクラシカルなデザインをもつオープン2シーターボディではあるが、風洞を使った開発が進められ最先端の空力技術が盛り込まれているという。

エンジン、ボディともに、まさにスーパーカーといえる性能を誇る『SLRスターリングモス』。それゆえに、高速域での直進安定性は最重要視される。ダウンフォースに関しては徹底的に研究がなされ、ボディ下面のフルカバー、リアのディフューザーなどレーシングカー並みの対策が施される。加えて、カーボンセラミックブレーキ、格納式のエアブレーキなど制動面でも強力なシステムが標準で装備されるという。

SLRスターリングモスの生産は、2009年5月に予定されるSLRマクラーレン生産終了後になる予定。その後、6月から12月にかけて、イギリスのマクラーレン工場から世界にむけわずか75台が限定生産されるという。コレクターズアイテムとしての人気は必至。販売価格は、75万ユーロ(約9375万円)が予定されている。

BRAND HISTORY
自動車の歴史をひもとくとき、その先駆者として辿りつくのがゴットリープ・ダイムラーとカーツ・ベンツというふたりのドイツ人だ。1885年から86年にかけて、このふたりがべつべつにガソリン自動車を生みだし、クルマ社会の礎を築いたことは、いまさら説明するまでもない。それぞれが興した自動車会社はライバルと目されていた時期もあったが、第一次世界大戦後の不況を乗り切るために手を結び、1926年に合併によってダイムラー・ベンツ社が設立されている。

製品に与えられるメルセデスの名は、ダイムラーの顧客であったエミール・イェリネックが、ドイツ国外での販売を引き受けるかわりに長女の名前をつけさせたのがはじまりで、1902年にはダイムラー社により商標登録されている。

こうして生まれた、メルセデス、そして、Mercedes-Benz(メルセデス・ベンツ)は、その後もセーフティパッセンジャーセル、エアバッグ、ESP(エレクトリック・スタビリティ・プログラム)、ナイトビューといった最新技術を積極的に導入するなど、自動車発展の牽引役としてつねに時代の先頭を走りつづけているのだ。

           
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