大中華圏での好調を反映

2011年上半期の決算では、フェラーリはふたつの新記録を樹立した。上半期の売上高は10億8000万ユーロ（前年同期比19.6パーセント増）、ディーラーネットワークへの販売台数は前年を11.8パーセント上まわる3577台を記録。12気筒限定モデル「599 GTO」「SA アペルタ」にくわえて、8気筒のパワフルなGTモデルである「フェラーリ カリフォルニア」、スポーツカーのベンチマークとなった「458 イタリア」の成功が大きく貢献した。
昨年9月には「テーラーメイドプログラム」を開始し、すべての車輛は顧客の要望に合わせてカスタマイズが可能となった。ユーザーの満足度をさらに向上させたことも販売台数拡大に大きく影響している。

599 GTO

SA アぺルタ

今年はアジアパシフィック初のワンメイクレース・シリーズが開幕し、7月24日（日）には、中国・上海国際サーキットで2万人の観衆を前にシリーズ第2戦が開催された。そのためか、大中華圏（中国本土、香港、台湾）ではフェラーリ全体の販売台数が伸び、6カ月で378台（前年同期比116パーセント増）を記録し、アジア大中華圏は世界第2位の市場となった。英国でも急激に販売台数を増やし、ほぼ横這いだった周辺諸国にくらべて、50パーセント以上増となる289台を販売している。

458 イタリア

フェラーリ カリフォルニア

FFの発表も成功の要因

リテール事業は45パーセント増。世界46店舗を展開するフェラーリストアのなかで最高売り上げを記録したのはアラブ首長国連邦の「フェラーリ・ワールド・アブダビ」だった。

今回の決算結果には反映されていないが、フェラーリ初の4人乗り、4WDモデル「FF（フェラーリ フォー）」の発表も大きな成功につながったとみている。

フェラーリの営業利益は1,900万ユーロ増の1億3,500万ユーロ、純利益は23.5パーセント増の9180万ユーロと大幅な伸びを記録した。

「上半期の流れが下半期もつづくのであれば、フェラーリ史上、もっともすばらしい年になるでしょう。この結果は我われが採択した市場の拡大戦略と、たゆまず実施してきた技術革新の実証と言えます。さらに最新モデルである『FF』の納車を開始しましたが、最初の受注はインドのお客様から。新モデルの納車とインド市場参入という、ふたつのインパクトある要素の影響が現れるのは、2011年の下半期以降になるでしょう」と、フェラーリS.p.A 会長ルカ・ディ・モンテゼーモロ会長はコメントした。