Ferrari Four(FF)|フェラーリ フォー(FF) ジュネーブでお披露目
Ferrari Four(FF)|フェラーリ フォー(FF) ジュネーブでお披露目
FFと458イタリアを出展
フェラーリは、ジュネーブモーターショーに初の4輪駆動モデルFFとHELEシステムを搭載した458イタリアを出展した。
文=松尾 大
燃費6.5km/ℓ、CO2排出量360g/km
フェラーリ初の4輪駆動にして、シューティングブレークふうデザインを採用した野心的なGTカー、フェラーリFF。搭載されるエンジンは、65°V12。599に搭載されるユニットのボアを2mmアップした総排気量6,262ccの直噴エンジンは最高出力485kW(660ps)/8,000 rpm、最大トルク683Nm(69.6kgm)/6,000rpmを発生する。わずか1,000回転で 500 Nmものトルクを発生し、7段F1デュアル・クラッチ・ギアボックスを介して0–100 km/h加速は3.7秒、最高速度は335 km/hと、フェラーリという名前に恥じない性能をみせている。
その一方、燃費性能は15.4 ℓ/100 km(6.5km/ ℓ)。CO2排出量は従来のV12エンジンと比べて約25パーセント削減した360g/km となっている。これはストップ&スタート・テクノロジーを組み込んだHELE(ハイ・エモーション/ロー・エミッション)システムにより実現したものとフェラーリでは説明している。同日発表されたランボルギーニ アヴェンタドールが17.2 ℓ/100 km(5.8km/ ℓ)、398g/kmであることを考えるとかなり良好な数値とみていいだろう。
4輪駆動を採用したことで、このパフォーマンスは、ミューの低い路面でも発揮されるという。これはフェラーリ独自の4RMシステムによるもので、後輪へのトルクを維持したまま、PTU(パワー・トランスファー・ユニット)が、路面状態に応じて必要とされる最大限のトルクを前輪に配分するものだ。E-Diff、F1-Trac、PTUという車輌制御システムをひとつのCPUに統合制御することにより、個々のタイヤへの最適なトルク配分が可能となるという。
重量配分は、ミッド・フロントにエンジン、リアアクスル上にギアボックスをレイアウトすることで、リアへの重量配分が53パーセントとなっている。フェラーリは、以前から市販車にはあまりカーボン素材を使用しないため、アヴェンタドールほど軽くはないものの、エンジンを最新の鋳造製に、ボディを最新のアルミ合金と製造プロセス、そのほか多くの主要コンポーネントの細部にまで手をくわえ軽量化したことで、乾燥重量で1,790kg、車輌総重量でも1,880kgとしている。
大人4人がくつろげるフェラーリ
インテリアについては、シート・フレームにマグネシウムを採用したほか、各種ハイテク素材を採用。ブレーキは、ブレンボ社の「第3世代」カーボン・セラミック・ブレーキ(CCM)で、軽量かつ耐久性に優れており、公道での一般的な使用においてはごくわずかな磨耗しか発生しないとしている。
ボディデザインはもちろん、ピニンファリーナによるもので、スポーティネスとバーサティリティを徹底的に追求したもの。
フェラーリでありながら、大人4人が十分にくつろげるシートとキャビンを備え、トランク容量も450 ℓに。さらに独立可倒式のリアシートを格納すると最大800 ℓまで拡大することができるという。
カラーは、エクステリアが6色から選択可能。インテリアについては、ポルトローナフラウのアニリン・レザー仕様。室内空間においては、あたらしいリアシート・インフォテインメント・システムを搭載し、リアシートの乗員用に2基のスクリーンを装備、テレビやDVD、1,280ワット、16チャンネルのドルビーサラウンドサウンドを楽しむことができるという。
CO2排出量275 g/kmを記録した458 イタリア
もう1台話題となっているのが、HELEシステムを搭載した458 イタリアだ。従来の458 イタリアと外観上の識別点は特にないが、CO2排出量を307 g/kmから275 g/kmまで低減させることができたという。この数値は、従来のモデルと比べて約15パーセントも削減しており、同クラスのスポーツカーのなかでもっともCO2排出量が少ないモデルだという。
Ferrari Four(FF)|フェラーリ フォー(FF)
ボディサイズ|全長4,907×全幅1,953×全高1,379mm
ホイールベース|2,990mm
車両重量|1,790 kg(乾燥重量)
エンジン|6.2リッター V型12気筒
最高出力|485 kW(660ps)/8,000 rpm
最大トルク|683 Nm(69.6kgm)/6,000rpm
欧州複合燃費|15.4ℓ/100km
CO2排出量|360g/km
駆動方式|4輪駆動
トランスミッション|7段デュアルクラッチトランスミッション