ASTON MARTIN One-77|アストンマーティン One-77 シルク・ドゥ・ソレイユにてお披露目!
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2015年3月9日

ASTON MARTIN One-77|アストンマーティン One-77 シルク・ドゥ・ソレイユにてお披露目!

ASTON MARTIN One-77|アストンマーティン One-77

“Living Art”と呼ばれるクルマ(1)

わずか77台限定生産という英国アストンマーティンのスポーツカー「One-77」がここ日本でお披露目された。760psのV12気筒というのもすごいが、それが「シルク・ドゥ・ソレイユ」シアターというのも、エクスクルーシブなブランドにふさわしい会場だった。

文=小川フミオ写真=Aston Martin Asia Pacific

クラフツマンによる繊細なフロントマスク

「One-77」はV型12気筒エンジンをフロントミドシップし、後輪を駆動するふたり乗りのスポーツカー。特徴はあらゆる点が特別製であることだ。たとえば外観ではフロントマスク。ヘッドランプとフロントフェンダーが一体化したような個性的なデザインで、量産モデルでは実現不可能と思われる繊細なカーブが印象ぶかい。

「アルミニウム製のボディは熟練職人によるハンドメイド。少人数のチームで、美術作品のようなクルマをつくり上げました。私たちはこのクルマをLiving Artと呼んでいます」。お披露目にあたって英国から来日したデザインディレクターのマレック・ライヒマン氏は語る。

今回のお披露目はOne-77の生産が立ち上がったことをジャーナリストとアストンマーティンの顧客にアピールするためのもの。アジアツアーと銘打って、日本を皮切りに、シンガポール、香港、台湾、中国で同様のイベントをおこなっていくという。

ASTON MARTIN One-77|アストンマーティン One-77|02

趣向が込められた登場

「アジア パシフィックは大変重要なマーケット。台湾、中国にも進出を果たし、ディーラーネットワークは14カ国に増えており、さらなる拡大を目指していく予定」とアストンマーティンではしている。

日本では200名のゲストを招待して、千葉、舞浜の「シルク・ドゥ・ソレイユ シアター東京」で「ZED™」の演目とコラボレートしたショーを見せた。シルク・ドゥ・ソレイユは「太陽のサーカス」という意味で、1984年にカナダで興されたまったくあたらしいエンターテインメント。劇的な要素や、オペラ・生演奏、それにアクロバティックな演技を組み合わせたショーで知られている。

近年ではビートルズの楽曲をジョージ・マーティンがアレンジした楽曲と、サージェント・ペッパーズ楽団を思わせる4人組を主人公にした「LOVE」をラスベガスで公開して大きな話題を呼んだ。2008年10月にスタートした「ZED」は、主人公が天と地を旅して、最終的にそのふたつが融合するというストーリー。7階建てビルに相当するという高い天井を無尽につかってのパフォーマンスで会場をどよめかせたあと、ステージ中央部のせり出しからOne-77が登場するという凝った仕掛けだ。

ASTON MARTIN One-77|アストンマーティン One-77

“Living Art”と呼ばれるクルマ(2)

美しくたたずむV12エンジン

軽いボンネットを開けると、高価なカーボンファイバー製のクロスメンバーがはりめぐらされたエンジンルームの光景に圧倒される。前車軸うしろ、運転席のほうに潜りこむように搭載されたのは、7312ccのV12。DBSなどに搭載されている6リッターユニットに大幅に手をいれ、最高出力760ps、最大トルク750Nmを実現した。ドライサンプ化で搭載位置を従来のV12モデルより100mmも低くなっている。のぞけば、フォーミュラカーを連想させる手曲げのエグゾーストマニフォルドが、ちらりと見える。白い結晶塗装がたいへん美しい。

静止から100km/hでの加速に要する時間は3.7秒以下。最高速は354km/hと発表されており、アストンマーティンの市販スポーツカーとしては、もっとも高性能を誇る。かつ、もっとも贅たくだ。先述したようにエンジンルーム内だけでも、高価な素材をふんだんに使用し、かつ手の込んだ作業ぶりがよくわかる。

ASTON MARTIN One-77|アストンマーティン One-77|04

ASTON MARTIN One-77|アストンマーティン One-77|05

ひとつの作品としてつくり上げられる逸品

室内に目を向けると、ダッシュボードやシート、ドアの内張の造形の凝り方が目を惹く。さらにエキゾチックと英語では表現される高価な素材も多い。カーボンファイバーやレザー、さらに高級腕時計につかわれる金属といった具合だ。ほかのクルマとはあきらかに一線を画すOne-77だけの世界をつくりあげている。

「すでにかなりの数のオーダーをいただいています。このクルマは1台ずつオーナーの好みにしたがって仕上げられます。1台としておなじクルマはないでしょう」とは、シルク・ドゥ・ソレイユの舞台に立ち、One-77の解説をしたデザインディレクター、ライヒマン氏の言葉だ。

たんに車体色や内装の仕上げにとどまらず、サスペンション設定も「長距離用GTからニュルブルクリンクのレース用マシンにいたるまで」ユーザーの好みにおうじてアストンマーティンのエンジニアが仕上げてくれるという。

One-77は、カーボンファイバーのモノコック構造のシャシーに、アルミニウム製のボディを載せる。流麗なボディのラインと拮抗するように、大きく存在感を主張してスポーティさを強調するタイヤは20インチ。カーボン製のディフューザーや、可動式スポイラーなどエアロパーツを備えるが、ボディにたいし巧妙にインテグレートされていて、エレガントとスポーティさがうまく両立している。価格は115万英ポンド(130円とすると約1億5000万円)。デリバリーは受注して6カ月後となる。

ASTON MARTIN One-77|アストンマーティン One-77
ボディ|全長4,601×全幅2,204×全高1,222mm
ホイールベース|2,791mm
車両重量|1,630kg
エンジン|7.3リッター V型12気筒
最高出力|559kW(760ps)
最大トルク|750Nm
駆動方式|RWD
トランスミッション|6段AT
CO2排出量|572g/km
価格|115万英ポンド(購入時の為替レート適用)

           
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