ASTON MARTIN CYGNET|アストンマーティン シグネット ロンドン ハロッズでお披露目!
ASTON MARTIN CYGNET|アストンマーティン シグネット
ロンドン ハロッズで初の公お披露目!
アストンマーティンは、来年発売予定のコンパクトカー「シグネット」をロンドンの百貨店、ハロッズにディスプレイした。
文=松尾 大
環境にやさしい、初のミニカーセグメント
アストンマーティンは11月16日から、ロンドンのナイツブリッジ ブロンプトンロードにある老舗百貨店ハロッズの1階ショーウインドウに、2011年発売予定のシグネットを展示している。
シグネットは周知のとおり、トヨタiQをベースにアストンマーティンがリファインしたもの。コンパクトセダンさえ販売したことのないアストンマーティンがいきなり軽自動車なみのコンパクトカーを販売することで話題となっている。iQをベースにしているとはいえ、アストンマーティンのアイデンティティを誇示するフロントグリルはもちろん、エクステリアデザインにもあますことなく手がくわえられている。もちろん、インテリアもアストンマーティンらしい豪華さ。ベース車両とはかなり印象がことなるつくりになっている。
シグネットは、アストンマーティン車オーナーのセカンド、サードカー需要を満たすためにつくられたということだが、もうひとつの狙いがある。このシグネットがラグジュアリーカーメーカーのCO2排出量を抑えてくれる存在だと見ているのだ。シグネットに搭載される1.33リッターエンジンは72kW(98ps)、123Nm(12.5kgm)を発生。CO2排出量は120g/kmを目標に改良が重ねられているようだ。トランスミッションは6速マニュアルが標準で、CVTがオプションとして用意されるという。
販売は来年からで、まだ価格などの詳細は公表されていないが、すでにアストンマーティンの本国ディーラーでは予約を受けつけている。しかし、現在アストンマーティン車を所有するオーナーには、優先的に購入できる権利があたえられる。
なお、ハロッズでは12月11日まで展示されているという。
BRAND HISTORY
いまもっともクールなスポーツカーブランドとして、世界中から注目を集めているのが、イギリスのASTON MARTIN(アストンマーティン)だ。1914年にライオネル・マーティンとロバート・バンフォードにより設立された小さな会社は、アストン・クリントンと呼ばれるヒルクライム競技で成功をおさめたことからアストンマーティンのブランドを名乗るようになり、その後もモータースポーツやスポーツカーの歴史に輝かしい足跡を残す。
反面、経営の面では幾度も危機に追い込まれ、そのたびに救いの手が差し伸べられるという、まさに波瀾万丈の道を歩みつづけてきた。たとえば、1947年にオーナーとなったデイビッド・ブラウンは、優れた経営力とエンジニアリングのセンスを活かして、みずからのイニシャルを冠したスポーツカー「DB2」や、レース用マシーン「DBR1」で、その名前を残している。最近では、フォードがその株式を、プロドライブを創業したデイビッド・リチャード率いる投資家集団に売却したことが記憶にあたらしい。
しかし、アストンマーティンはいつの時代も漲るパワーと美しいスタイルを備えたスポーツカーづくりを貫いている。現在のラインアップは「V8ヴァンテージ」「DB9」、そして4ドアサルーンの「ラピード」とラインナップを拡げている。