Lamborghini|ランボルギーニ V12エンジンを新開発
Lamborghini|ランボルギーニ
700psを誇る、新世代のV12
ランボルギーニは、ムルシエラゴ後継モデルに搭載する新型V12エンジンと新開発の2ペダルMTを発表した。
文=松尾 大
極限までチューンナップされたエンジン+トランスミッション
ランボルギーニは、来年デビューするムルシエラゴの後継モデルに搭載されるあたらしいV12エンジンを発表した。後継モデルに、一時期はJota(イオタ)の名が復活すると噂されていたが、最近になってトップモデルとしてAventador(アヴェンテイダー)という名前が有力となっている。
このエンジンは、サンターガタ・ボロニェーゼの本社でまったくの白紙状態からつくられたもの。長きにわたる進化につづき、新エンジンの開発上の目標は旧来のものとの比較において、軽量、ローエミッションかつさらなる高出力を実現させることだった。高さ665mm、幅848mm、長さ784mmとコンパクトにおさめられた60度V12は、ボア95mm×ストローク76.5mmとショートストローク。クランクシャフト重量が24.6kg、エンジン単体の重量でも234kgにおさえられている。スペックにかんしては、最高出力515kW(700ps)/8250rpm、最大トルク690Nm(70.4kgm)/5500rpmを発生する。これは、ムルシエラゴの471kW(640ps)、660Nm(67.3kgm)にくらべ、プラス44kW(60ps)、プラス30Nm(3.1kgm)の向上を果たしている。
また、エンジン音のチューニングにも余念がない。2本のマフラーは1本が高音、もう一方が低音を出し、まさしく“ランボサウンド”ともいえるサウンドを発生するという。
エンジンとともに開発されたのが、ロボタイズドのトランスミッション。ISR(Independent Shifting Rods)トランスミッションという、この7速2ペダルMTはシングルクラッチ式。デュアルクラッチと同様の働きをする、独立したシフティングロッドを組み合わせることにより、通常のデュアルクラッチ式に比べ、ギアチェンジの時間を約50パーセントも短縮できたという。
このギアボックスはわずか79kgと、ISRの採用で70kgの軽量化に成功している。これはおなじグループのVWが採用するDSGと比べてもかなり軽量だという。ISRはストラーダ、スポーツ、コルサという3つのモードから選択可能。そのパフォーマンスをもっとも発揮できるのがコルサモードで、こちらにはローンチコントロール機能も備えられている。
あたらしいV12エンジン、そしてISRトランスミッションを搭載したムルシエラゴの後継モデルは来年、おそらく3月のジュネーブショーで公開されることになるだろう。