藤原美智子|8月エッセイ「食べ物の威力を改めて痛感!」
BEAUTY / THE EXPERTS
2015年5月28日

藤原美智子|8月エッセイ「食べ物の威力を改めて痛感!」

2009.08  「食べ物の威力を改めて痛感!」

さて、私が「筋肉をつけるぞー!」と勇んで出かけた先は、ケビン山崎氏が主宰しているトレーニングジム“トータル・ワークアウト”である。ひとりひとりにパーソナル・トレーナーが付き、そのひとに合ったトレーニングやプログラムを作成してくれるという情報をアシスタントから聞きつけて即決したのだ。

文=藤原美智子Photo by Jamandfix

3週間、週3回のトレーニングと食事で、一気に身体を変える

広くて明るいそのジムには、さまざまな真っ赤なトレーニング機器がズラリと並んでいた。それにマッサージルームもあるしカフェも併設されている。説明を聞くと、トレーニングの前後にマッサージを受けられるし、ケビン氏が提唱しているトータル・ワークアウト式食事もカフェで食べられるとのこと。「えっ、トータル・ワークアウト式食事って?」。そんなことアシスタントは言ってなかったなー。じつは、ワークアウトだけではなく、その食事法もふくめて“トータル・ワークアウト”は有名なジムだったのだ。

その食事法とは、3週間、週3回のトレーニングを受けながら高タンパク質・低脂肪・低糖質の徹底した食事をして、一気に身体を変えるというもの。なるほどー、せっかちな私にはピッタリの内容ではある。炭水化物や砂糖類は摂らないといったことや(ほかにもNG食品は多々ある)、腹6~8分目の食事を一日5回以上に分けて摂り、血糖値を一定に保つといったルールがある(私の体質にはピッタリで好都合)。
それらを守るのは、たぶん大丈夫だろう。ただひとつ懸念したのは、当然のごとく、お酒も飲めないということである。毎日、晩酌しながら食事をするのが我が家の習慣。果たして、3週間もお酒抜きなんてできるのだろうか……。でも、どうせやるならキッチリと実行しなければ気がすまないのが私の性分。早速、ジムで『トータル・ワークアウト式 3週間 ダイエットバイブル』(池永智著/法研)という料理本を購入して、やる気と期待マンマンでつぎの日から食事法に臨んだのである。

2日目にして体重が1キロ、5日目には2キロも減少して感じたこと

まずはマーケットでOK食材を購入。鶏の胸肉やささ身、まぐろの赤身やイカやタコ、ノンオイルのツナ缶といった、脂肪が少なく、タンパク質の割合が高い食材を買い漁る。鶏でも、もも肉は脂質が多いのでNGだし、卵も卵白はOKだけれど卵黄は脂質やコレステロールが多いのでダメといった具合に指示は細かい。
野菜であればOKかと思いきや、大根やごぼう、人参、玉葱といった根菜類は糖質や炭水化物の割合が高いのでNG食品である。意外だが、健康食といわれている豆腐や納豆、豆乳などの植物性タンパク質は脂質が多いのでNG。おなじ理由でナッツやゴマ、アボガド、オリーブオイルも3週間ダイエット期間中は不適切なのだ。
「エーっと、これはOKだっけ? NGだっけ?」と頭が混乱するが、OK食材さえそろえておけば、あとはただ料理本に沿ってつくっていけばいいので「今日は何にしようかな?」と悩まなくてもいいのだから、ある意味、楽といえるだろう。それに何でも、選択技が広いよりも狭いほうが選び取るのも簡単というものだ。

効果はすぐにあらわれはじめた。2日目にして体重が1キロ、5日目には2キロも減少した。一日5回も食事をしているのにもかかわらず、である。そして一番端的に表れたのは肌だ。薄かった私の皮膚に厚みが出てきて、ハリとツヤのある生き生きと健康的な肌、という印象になってきたのだ。けっして、自分の思い込みではない。ちょうど一週間後に合った知人が私の顔を見るなり「!」と心底驚いていたし、毎日、顔を合わせるアシスタントでさえも私の肌の変化にビックリしていたのだから。

それにしても、食べるもので短時間にこんなにも変わるなんて――。「ひとは摂り入れるもので創られる」という説には昔から「その通り!」と同感しているし、今までもいろいろな食事法を試したことのある私だが、そのちがいと効果をこんなにもハッキリと感じたことはなかった。

10日で挫折……。でも、ニューヨークのレースがいよいよ迫ってきた!

が、しかし、それほどの効果を実感していながら10日で挫折してしまった……! 知人のホームパーティに行って、高価なシャンパンとステーキを目の前にしたら“美肌”もどこかに吹っ飛んでしまったのだ。一口、口にしたら欲望はもう止まらない。「あ~、なんて私は意志が弱いんだー」と反省したのだが、そこは立ち直りの早い私。「“いざ”という日の前の3日間、この食事法をすれば美肌になれることがわかったんだから、まっ、いいか!」と、開き直っている自分がいた。今までの経験上、何でも習慣を変えるには最初の3日、次は10日、そして3週間目が山場であることはわかっている。が、そこを乗り越え、継続することは何て難しいのだろう。この食事法は効果とつづけることの難しさを改めて実感するものとなった。

肝心のジム通いは今もつづいている。1ヵ月半で走れるための基本的な筋肉をウエイトトレーニングで付けた後、今は「スーパートレッドミル」というランニングマシンでスピードトレーニングを受けている最中。これでトレーニングをすると、鍛えた筋肉を効率よく動かせるようになり、より早く、より強く動けるようになるらしい。こんなトレーニングを受けていると何だかいっぱしのアスリートになったような気がして気分も上がるし、やるほど進歩するのがわかるので楽しい。これならつづけられそうだ。
継続するためには進歩を実感できて達成感を味わえることのほかに、楽しいと思えること、この2つは必須項目に入るだろう。ジョギングも達成感を味わえるという意味では共通。ただ楽しめるという境地には、私はまだ辿り着いてはいない。……でも、そういえばレースを体験するという意味でも6月に出場した10キロマラソンは達成感を味わえたし走っているあいだ中、楽しかったなー。レース中、なぜだかズーッとニコニコしながら走っていたもの、私。はたして今月に迫ったニューヨークのレースも楽しめるのだろうか……。
いよいよ私にとっての本番は身近に迫ってきた――。

『トータル・ワークアウト式 3週間ダイエットバイブル』
池澤智著(法研)

効果があるだけでなく美味しいレシピが満載の、トータル・ワークアウト式食事のバイブル。これさえあれば、身体も肌も変えられる!?
「Compex performance」
アスリートも使っているという本格派の筋肉を鍛えるための機器。主に、私の最大のウィークポイントである腹筋を鍛えたり、クールダウン機能を使って運動後の脚のむくみやハリを解消したりしています。お陰で、お腹の肉も引き締まってきましたー!

           
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