2015 ミラノサローネ最新リポート｜Minotti

Minotti｜ミノッティ

特集｜ミラノサローネ国際家具見本市 2015

コンテンポラリーデザインとクラシックモダンのバランス

シックで厳格、クラシックでありながら、コンテンポラリー。ロドルフォ・ドルドーニ氏の一貫したディレクションのもと、生まれる「Minotti（ミノッティ）」の製品は、“メイドインイタリー”ならではのディテールに宿る技術・上質の素材が、存在感を増して空間を圧倒する。リビングから共有部、ホテルラウンジ、ロビーからオフィスまで、空間と用途に合わせて展開される作品が、世界のホスピタリティー空間で活躍している。

Photographs by Daniele DAINELLIText by KATSURA Kumi（TOL STUDIO INC.）

大胆なコンポジションとしなやかな曲線

ロンバルディア州の一大家具生産地であるミラノ北部のメーダに職人工房として誕生し、その伝統を受け継ぐミノッティ。2015年の新作コレクションは、“コンテンポラリー・デザインとクラシック・モダンの究極のバランス”をテーマに、ロドルフォ・ドルドーニ氏のディレクションのもと、シックで厳格ながら、驚きを生むエレメントを欠かすことなく、予期しない刺激を導くような作品が並び、ブランド・アイデンティティに更なる進化が見られた。

アームチェア「レスリー」

ソファ「セイモア」

あたらしいコレクションは、近代建築運動に象徴される合理性を起点に、よりダイナミックな建築的視点と、プラスチックの官能的な形状に着想を得て展開されている。ドルドーニ氏が手がけたふたつの新作ソファコレクション「YANG（ヤング）」と「SEYMOUR（セイモア）」は、どちらも強い個性をもち、相反する要素をもちながらも、補完的なビジョンが具現化されている。

ソファ「ヤング」

「ヤング」は、幾何学的で厳格なボリュームを集結させて生まれたソファコレクションで、組み合わせと付属品をもって、多様なリラックスエリアをつくることができる。若さと大胆さが特徴的で、オリジナルの大胆なコンポジションを可能にする。サイドテーブルなどを組み合わせることで、用途はさらに広がる。

いっぽう、「セイモア」は、やわらかな形状としなやかな曲線によって、モダンなアプローチで“クラシック”を表現している。厳格な形状を保ちながら、曲線の描く自由さと、やわらかく包み込むようなボリュームを連続させ、優美な姿を生み出した。官能的な美しさは、女性のイメージを彷彿とさせる。直線タイプ、コーナータイプのほか、両側から座ることのできる対面タイプも発表されている。

ソファ「セイモア」