アウディ A7/S7 スポーツバックを試乗する|Audi
CAR / IMPRESSION
2015年5月1日

アウディ A7/S7 スポーツバックを試乗する|Audi

Audi A7 Sportback |アウディ A7 スポーツバック
Audi S7 Sportback |アウディ S7 スポーツバック

アウディ A7/S7 スポーツバックを試乗する

今年4月に日本へ上陸を果たしたばかりのアウディ「A7」に、早くも試乗する機会を得た。2011年のデビュー以来、初のマイナーチェンジを受けた新型は、どう進化を遂げたのか。小川フミオ氏がインプレッションをお届けする。

Text by OGAWA FumioPhotographs by HANAMURA Hidenori

衰えないA7の魅力

利便性とステイタス性をうまくバランスさせた、希有なスタイリングが輝くアウディ「A7 スポーツバック」。2015年4月にマイナーチェンジを受けて、ラインナップが拡充して買いやすくなるとともに、一部モデルではパワーが上がるなど、商品力が上がった。興味もつ人には、あきらかに朗報だ。

新型になったA7スポーツバック。特筆すべきは、2リッター4気筒エンジン搭載のA7 2.0 TFSI quattro(716万円)の設定だ。従来からのA7 3.0 TFSI quattro(924万円)は継続して販売されるが、エンジンパワーは上がって従来より23馬力増しの333ps(245kW)になった。

Audi S7 Sportback

Audi S7 Sportback

対面した時の印象は、従来とそう変わらず、絶妙のカーブでリアエンドへと続くルーフからハッチゲートへのラインは、依然としてスタイリッシュで魅力的だ。ただし、よく観ると変更点が目につく。フロントグリルは6つの角がより強調されたものとなり、ヘッドランプには19個のLEDを使ったマトリックスタイプとなっている。バンパーとボンネットも形状変更されたそうだ。

MMI(マルチメディアインターフェイス)と呼ばれるアウディのインフォテイメントシステムも最新世代になっている。携帯電話でネットワークに接続でき、ナビゲーションシステムではグーグルアースやグーグル ボイスサーチも利用できるようになっている。

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Audi S7 Sportback

安全装備の面では、自動ブレーキ、車線変更時に死角のクルマの存在を伝えるアウディサイドアシスト、操舵修正機能のアクティブレーンアシスト、自動停止および発進機能をもつアダプティブクルーズコントロールといった「アウディプレセンス」が2.0 TFSIを除いて標準装備。

また動物も識別可能になったナイトビジョンや、駐車時のパークアシスト機能を持つアウディパーキングシステムがオプション設定(RS7のみ標準)されている。

安全技術と通信技術の進化は著しいが、新型A7スポーツバックは、その水準にきちんとキャッチアップした。なにより、走りのよさにくわえて、新型では静粛性が格段に上がったのも印象的だ。デビューから4年たっても、魅力が衰えていない。それが試乗しての感想だ。

Audi A7 Sportback |アウディ A7 スポーツバック
Audi S7 Sportback |アウディ S7 スポーツバック

アウディ A7/S7 スポーツバックを試乗する (2)

乗るひとを選ばないアウディらしい一台

A7 3.0 TFSI quattroとは、サルディニア島での国際試乗会いらいだから、おつきあいは長い。ファストバックという機能的なデザインでありながら、後席を含めて適度にタイトでパーソナル感の強い室内空間の作りや、全天候型の安定した走りなどには感心させられてきた。

新型に乗っても、大きなところでの印象は変わらない。ゆったりしたシートに腰を下ろし、しっとりした感触のハンドルを握っただけで、いいクルマに接したという喜びすら感じさせる。じつは計器盤が液晶でなく、まだアナログタイプであるのも、僕にはほっとさせられる。

Audi A7 Sportback

Audi A7 Sportback

スーパーチャージャーを備えた3リッターV6エンジンは、2,900rpmから440Nmの最大トルクを発生しはじめる設定だけあって、走り出しは軽やかで、加速性もよい。適度にパワフル感があり、しなやかで快適志向の乗り心地と、バランスのとれた感覚を与えてくれる。

操縦性は高く、いたずらにスポーティに仕上げていないぶん、乗るひとを選ばない。後席に座るために選んでも、けっして選択を誤ったとは思わないだろう。そういえば、従来後席は左右独立型の2人がけだったが、今回からベンチタイプの3人がけになった。子どもがいるオーナーなどには朗報のはずだ。

なにより新型で印象的だったのは、走行中の静粛性だ。デビュー当時はとくに気になったハッチゲートまわりからの騒音が遮断され、音のレベルでも高級感がぐっと上がっている。一般的には、ルーフ後端は風を剥離させるのが難しく、風が車体を叩いて音を発生させる。空力を見直したのか、効果的な遮音対策が出来たのか、そこは定かではないが、結果はすばらしい。

Audi A7 Sportback

Audi A7 Sportback

ハイビーム走行でも先行車や対向車にライトを照射しないマトリックスヘッドランプの採用もありがたいニュースだろう。最新の技術で武装した高級車というアウディのイメージどおりのモデルに仕上がったという印象だ。

ちなみに2リッター版は2015年8月発売予定とのことで、今回はまだ用意がなかった。いまやジャガーもランドローバーも2リッター4気筒の時代である。効率を重視するひとは気になるだろう。

Audi A7 Sportback |アウディ A7 スポーツバック
Audi S7 Sportback |アウディ S7 スポーツバック

アウディ A7/S7 スポーツバックを試乗する (3)

RS7だけは“別物”

同時に発売されたのが、331kWの4リッターV8搭載の「S7」(1,344万円)と、おなじエンジンをベースにしながら412kWの「RS7」(1,772万円)である。基本性能が高いA7にくわえ、より速いモデルが欲しいひとのためのS7、突き抜けたスペシャルモデルを求めるひとのRS7と、当初から3つのモデルが同時に選べるようになっているのが、アウディのスペシャルティブランドたるゆえんだと思う。

Audi S7 Sportback

Audi S7 Sportback

この3モデルを一度に試乗する機会があると、A7、S7、RS7と、よりパワフルなモデルへ乗り換えるにつれて、加速性やハンドリングにおける刺激が強くなり、スポーティさがクルマ選びの指標のように思えてきてしまう。でもそれは明らかに錯覚で、どうしてもお金を多く遣いたいという場合いがいは、自分の好みに応じたモデル選びをして後悔はないはずだ。

S7はサスペンションが硬くなり、トルクは550Nmが1400rpmで発生するため、かなり力強い加速と、わかりやすいスポーティさが身上だ。ハンドルの味付けは、重さがあると同時に、切り込んだときの車体の反応速度を重視して、ステアリングと足まわりの設定がなされているように感じられる。

Audi RS 7 Sportback

RS7は700Nmもの大トルクが1,750rpmから湧き出してくる。

圧倒的なパワー感で、トルコン式の8段オートマチック変速機(A7とS7はツインクラッチのSトロニック変速機)は、「ダイナミック」と呼ばれるスポーツモードではなるべく上の回転をつかうように、いっぽう「効率」という燃費モードではシフトアップのタイミングを早める。

全モデルに標準で備わるアウディドライブセレクトは「ダイナミック」から「効率」まで4つのモードを選べる。そもそもパワフルなRS7ではどのモードでも、とにかくすばらしく速い。アウディ傘下でスポーティなモデル開発を担当するクワトロGmbHが手がけただけあって、公道もレース場も走れるというコンセプトがみごとに具現化されている。RS7だけは“別物”というかんじだ。

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Audi A7 Sportback 3.0 TFSI quattro
アウディ A7 スポーツバック 3.0 TFSI quattro

ボディサイズ|全長4,990 × 全幅1,910 × 全高1,430 mm
ホイールベース|2,915 mm
車両重量|1,900 kg
エンジン|3.0リッターV型6気筒DOHCスーパーチャージャー
トランスミッション|7段Sトロニック
最高出力|245 kW(333 ps)/ 5,500-6,500 rpm
最大トルク|440 Nm / 2,900-5,300 rpm
燃費(JC08モード)|12.6 km/ℓ
CO2排出量|184 g/km
価格|924 万円

Audi S7 Sportback|アウディ S7 スポーツバック
ボディサイズ|全長4,990 × 全幅1,910 × 全高1,420 mm
ホイールベース|2,915 mm
車両重量|2,050 kg
エンジン|4.0リッターV型8気筒DOHCツインターボ
トランスミッション|7段Sトロニック
最高出力|331 kW(450 ps)/ 5,800-6,400 rpm
最大トルク|550 Nm / 1,400-5,700 rpm
燃費(JC08モード)|10.1 km/ℓ
CO2排出量|230 g/km
価格|1,344 万円

Audi RS 7 Sportback|アウディ RS 7 スポーツバック
ボディサイズ|全長5,010 × 全幅1,910 × 全高1,425 mm
ホイールベース|2,915 mm
車両重量|2,050 kg
エンジン|4.0リッターV型8気筒DOHCツインターボ
トランスミッション|8段ティプトロニック
最高出力|412 kW(560 ps)/ 5,700-6,600 rpm
最大トルク|700 Nm / 1,750-5,500 rpm
燃費(JC08モード)|10.3 km/ℓ
CO2排出量|225 g/km
価格|1,772 万円

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