マシュー・ワォルドマン|Vol.11 僕のアルバム・オブ・ザ イヤー 2009
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2015年3月13日

マシュー・ワォルドマン|Vol.11 僕のアルバム・オブ・ザ イヤー 2009

Vol.11 僕のアルバム・オブ・ザ イヤー 2009

僕の新しいモノにたいする妄想は、新しい音楽を聞くことによって満たされている。というわけで、2009年もたくさんの新しい音楽を購入してNookaのオフィスを音で満載にした。今回のリストには カントリー、ジャズ、ヒップホップを除く、どんな音楽好きにも合う音が見つかると思う。ここ2年間での大きな違いは、このリストにはスウェーデンとオーストラリアのバンドがないこと。あと、下記に載っけているバンドは、すべて凄く好きなので、別に順序は関係ありません。

文・写真=マシュー・ワォルドマン


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レコジャケを載せられないので、耳で表現してみました

「Seek Magic」by Memory Tapes

Memory Tapesは、ニュージャージーをベースに活動している、Dayve Hawk、正式名 Hail Social の別名レコーディングプロジェクト。「Seek Magic」は落ち着いたアンビエントエレクトロな曲もあれば、純粋にポップな曲も入っている。全体的な雰囲気は落ち着いていて、ドリーミーな感じでまとまっている。

「The fame monster」by Lady Gaga
Lady Gagaは、アメリカのシンガーソングライター、またはパフォーミングアーティストとも知られている。Stefani Janne Anglina Germanottaの別名。この新しいアルバムには彼女の素晴らしい声がハイライトとされているように曲がつくられていて、とても良くできていると思う。彼女はFreddy mercuryの音に影響されたとどこかで言ってたけど、この「the fame monster」が出るまではそれがあまり感じられなかった。期待を遥かに上回るアルバムだと思う。

「See Mystery Lights」 by YACHT
Yachtは、ミュージシャン、マルチメディアアーティストでもある、Jona Bechtolt による別のプロジェクト。アイデア豊富で遊び心満載のエレクトロニカに、アコースティックパーカッションとノイズが巧く混ざってるバンド。とくに「Psychic city」は、僕のソングオブザイヤーといってもいいぐらい素晴らしい曲だ。彼らがつくる、遊び感覚でノーウェイブなニューヨークのバイブとサウンドは、初期のB-52sを思い出させる。

「Psychic Chasms」by Neon Indian
Neon Indianはテキサス州のオースティンと、ニューヨーク州のブルックリンのバンド。この音楽デュオのメインは、Alan Palomoが作曲している。バンドメンバーのもうひとりはビデオアーティストのAlicia Scardettaで、バンドのビジュアル制作をすべて担当している。最初に知ったのは、 LadytronのRueben Wuに彼らのマイスペースページが紹介されていたことがきっかけだけど、今年、本格的にアルバムをリリースすることを知って、とてもうれしく思ってる。70年代、80年代のポップチャートにランクインした音楽が、いくつかのトンネルをくぐり抜けて、現在のブルックリン的なエレクトロサウンドになっているような音。そんなブルックリンの音に、ここ2年間、いつも愛すべきところがあるから、こうしてまたこんな音に戻ってくる。

「Further Complication」by Jarvis Cocker
Jarvis Branson Cocker はイギリスのバンド、Pulpの元ヴォーカルで、ミュージシャン。彼は90年代半ばのブリティッシュポップムーブメントをリードする存在だった。僕はノスタルジックになるのが好きではないけど、これこそ70年代のデビッド・ボウイのアルバムを思い出す。ボウイの肩の力が少し抜けたバージョンのような雰囲気で、歌詞がとても面白くて凄く気に入った。

「Moondagger」by Deastro
Deastro、もうひとりのRandolph Chabot のプロジェクトで、彼は長年音楽をつくりつづけている。すでにもう3枚以上アルバムをリリースしていて、つねに自分のアルバムジャケットのデザインを手がけ、デトロイトにあるDIYの会場でいくつものライブをしている。Randolphの音楽に対する熱狂はまさに伝染病のようである。

「Illuminations EP」by Little Boots
Little Bootsは、Victoria Christina Hesketh のステージ名であり、彼女はエレクトロポップミュージシャンである。ミュージシャンとして、彼女はヴォーカルとキーボードとピアノ、スタイロフォンと日本のテノリオンを使ってパフォーマンスする。Little Bootsは、 Freddy の「Love Kills」 のカバーをするなど、遊び心満載のエレクトロポップ。彼女のライブは凄く楽しくて、すべて自分で演奏するんだ。

「Music from the Atom Smashers」by Kate Simko
Kate Simkoは、シカゴ出身のエレクトロニックミュージックのプロデューサーである。彼女の音楽は男女問わず、The Atom Smashersという137 Filmがつくるサイエンスドキュメンタリーフィルムが、まるでFermilabの物理学者を追いかけるような、リッチでファンキーなシンセの音に、グルービーなベースの音が響く。彼女のサウンドトラックは本当に素敵だ。長いドライブとか飛行機の中でも聴けるとてもヒップなサウンドばかり。いつも言うように未来は最高にセクシーなものになりそうだ!

「Ay Ay Ay」by Matias Aguayo
Matias Aguayoは、ブエノスアイレスとパリを行き来するアーティスト。DJ活動及び作曲を行い、パフォーマンスをひとりで、またはBROKEというプロジェクトとして、Marcus Rossknechtと一緒に行うこともある。「Ay Ay Ay」は、実験的というよりは、むしろパフォーマンス的なポップミュージックである。このアルバムを聴くと、見たことのない虫たちが誰も知らないジャングルで行進してるような風景が思い浮かぶ。

「Hollow M」 by Yura Yura Teikoku
ゆらゆら帝国は、東京のアンダーグランドミュージックシーンのメッカである高円寺出身の3人組。サイケデリックポップパンクと定義されそうな多彩な音を出すグループ。アルバムにはプログレッシブロックと思わせる曲がいくつかあって、ウェーブ的な曲はない。シンプルなラインアップで、ギター、ベース、ドラムという編成から、また、制作後の編集がまったく入ってない音の感じが、驚くべきことにレフレッシングでサイケデリック。英訳をつけてあげるんだったらThe swaying empireって呼ぶのかな。

「Big Fun」by Towa Tei
Towa Teiはニューヨークのdeee-liteのオリジナルメンバーで、それ以来、ソロとして活動するアーティスト。個人的には「Big fun」はいままでで一番良いといっていいぐらいのアルバムだと思う。元チボマットの、服部みほとのコラボも2曲入っていて、新しいものを追求する人たちにはピッタリのトラックだと思う。

「Alice EP」by Immi
immiは日本のエレクトロポップアーティスト。「Alice EP」は、彼女の全力が発揮できているアルバムで日本人のアーティストとして凄くいいイントロだと思う。

NOOKA

           
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