ART|体験型の展覧会『好奇心のあじわい 好奇心のミュージアム』
ART|開館10周年を記念した金沢21世紀美術館の展覧会体験型の展覧会
『好奇心のあじわい 好奇心のミュージアム』が開催中
開館10周年を迎える金沢21世紀美術館で、体験型の展覧会『好奇心のあじわい 好奇心のミュージアム』が開催されている。諏訪綾子が主宰するフードクリエイションと東京大学総合研究博物館が中心となり、“味覚”に焦点を当てたユニークなエキシビションだ。
Text by MURAMATSU Ryo(OPENERS)
見るだけでなく、あじわうこともできる。“味覚”に着目したユニークな展覧会
記憶に残る数多くの展覧会やイベントを開催してきた金沢21世紀美術館が、10月9日(木)に10周年を迎える。これを記念した本展では、同館の原点であるテーマ“好奇心”を見つめ直し、今まで扱われることの少なかった“味覚”に着目。ものを集め、並べ、眺め、触れ、味わうことの面白さとその意味を問い直す、複数の体験型のプログラムを展開している。
本展の中心になるのは、アーティストの諏訪綾子が主宰するフードクリエイションと東京大学総合研究博物館。フードクリエイションは、「そのコンセプト 胃まで届けます」をキャッチフレーズに、新たな食の価値を提案する諏訪の活動だ。2008年には、金沢21世紀美術館で「食欲のデザイン展 感覚であじわう感情のテイスト」を開催したことでも話題に。一方、東京大学総合研究博物館は、希少性の高い学術標本の魅力を再発見したことでも知られ、「驚異の部屋」と題された展示を多く手がけている。また、今回はテイストハンターと名付けられた、公募で集まった約30名のボランティアメンバーも参加している。
10月13日(月)まで開催される「好奇心をあじわう小部屋」では、フードクリエイションとテイストハンターがセレクトした、人々の好奇心を掻立てる食材を、東京大学が所有する約1000個の瓶に入れて展示。集めた食材から新たな発送を得てをもとに、フードクリエイションが作り出した味を試食できる「あじわいの体験」も実施。
開館10周年を迎える、10月4日(土)から10月13日(月)には、「好奇心の祝宴」が行われる。同館の7つの展示室に、東京大学総合研究博物館のコレクションと、「好奇心をあじわう小部屋」で集められた食材、フードクリエイションが生み出す「新たなテイスト」などが陳列。この期間中には、毎日おこなわれる多彩なフードパフォーマンスで、食材を実際にあじわいことも可能だ。