Audi A5 Cabriolet(前編)|もうひとつの魅力を備えたライフタイルビークル
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2015年4月13日

Audi A5 Cabriolet(前編)|もうひとつの魅力を備えたライフタイルビークル

Audi A5 Cabriolet|アウディ A5 カブリオレ(前篇)

もうひとつの魅力を備えたライフタイルビークル

スタイリッシュなスタイリングが目を惹くプレミアムクーペ、アウディA5。同車にフルオープン仕様の「アウディA5カブリオレ」が追加発売された。価格は784万円。

文=小川フミオ写真=河野敦樹

あえてソフトトップを採用

アウディA5は、エレガントさにくわえ、エッジの効いた男性的な雰囲気が、他車にない魅力となっているモデルだ。2009年8月25日よりアウディジャパンが追加発売したA5カブリオレは、クーペのもっている個性に、電動ソフトトップというもうひとつの魅力を備えたライフタイルビークルだ。

日本へ導入されるのは、2010年度燃費規制をクリアする3.2リッターV6エンジンにクワトロシステムを組み合わせたモノグレードとなる。

アウディA5カブリオレの特長は、フル4シーター、つまりおとな4人で乗れるオープンモデルであること。欧州では好まれる形式だが、A5カブリオレはあえてソフトトップを採用したのが注目すべき点だ。昨今は電動格納式のメタルトップが主流だが、それに対して電動ソフトトップを選んだ理由をアウディでは「軽量化と重心高を低めてコーナリング時などの操縦安定性を高めた」としている。

ドライブトレインは高速走行性を重視して選ばれている。エンジンは3.2リッターのV型6気筒で、燃料直噴システムとともに、アウディバルブリフトシステムと呼ばれる、吸気側のバルブのリフト量を切り替えることで低速時の燃費とアクセルを踏み込んだときの加速性を両立させる機構が採用されている。最高出力は265ps、最大トルクは33.7kgmとなっている。

日本仕様はアウディ S トロニック+クワトロのみの設定

組み合わされる変速機は7段のデュアルクラッチシステム「アウディSトロニック」となる。そしてフルタイム4輪駆動クワトロシステムは、通常リアに6割のトルクを配分することで、スポーティな走行をめざした設定となっている。

環境に配慮しているのもA5カブリオレの特長だ。2010年度燃費規制をクリアしていることにくわえ、エネルギー回生システムが採用されている。これはアクセルペダルから足を離しての惰性走行中やブレーキング時にエネルギーを発生させ、それをバッテリーに貯蔵するというもの。メリットとして、オルタネーターの負担減があげられている。

A5カブリオレのソフトトップは、最大で15mmの厚さをもつ3層構造。コンパクトに格納できるためトランクスペースで比較すると、トップをあげた状態で380リッターの容量をもつA5カブリオレは、リトタクタブル・ハードトップのライバルと比較して100リッターものアドバンテージをもつという。トップを開けるのには15秒。時速50km/hまでなら走行中の開閉も可能となっている。

アウディコミュニケーションセンター
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BRAND HISTORY
Audi(アウディ)のエンブレムは“フォーリングス”。その輪ひとつひとつが自動車メーカーのアウディ、DKW(デーカーヴェー)、ホルヒ、ヴァンダラーを表しているのはご存じだろう。いずれもザクセン州に本拠を置き、20世紀のはじめ、ドイツの自動車産業を牽引したブランドである。しかし、第一次世界大戦後に起きた世界恐慌の煽りをくらった4社は、生き残りをかけて、1932年にアウトウニオンを結成。DKWがモーターサイクルと小型車、ヴァンダラーが中型車、アウディが高級中型車、そして、ホルヒがラグジュアリーカーに特化する戦略をとることになった。

しかし、第二次世界大戦の敗戦により旧東ドイツのザクセンはロシアの占領下となり、アウトウニオンは消滅。これを見越して、旧西ドイツのバイエルン州インゴルシュタットに新生アウトウニオンが設立される。BMWやメルセデス・ベンツとちがい、工場のない状況からの苦しいスタートをしいられたアウトウニオンであったが、DKWデリバリーバンなどの生産により徐々に体力をつけていった。

1964年末にフォルクスワーゲン傘下に収まったアウトウニオンは、ほどなくしてアウディの名を冠した新型車を世に送り出す。そして1969年には、ネッカースウルムに本拠を置くNSU(“ヴァンケルエンジン”の開発で知られる)を合併し、アウディNSUアウトウニオンとなり、1985年からはアウディとして現在にいたる。クワトロをはじめとするテクノロジーと、モータースポーツ活動に裏付けられたダイナミック性能、エレガントなデザイン、そして、質感の高い仕上がりが、アウディの人気を牽引している。

           
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