新世代ジャガー「XF」が切り開く世界(前編)
新世代ジャガー「XF」が切り開く世界(前編)
英国の名門ブランドJaguar(ジャガー)のニューモデル「XF」が、この春日本に上陸した。
これまでの「Sタイプ」の後を継ぐといわれるXFは、新世代ジャガーを牽引するという大役を担う意欲作でもある。その新しさはどこにあり、そして何を示唆しているのだろうか?
文=生方 聡Photo by Jaguar
世のクーペが嫉妬するほどの佇まい
クルマは、これほど大胆に変われるものだろうか?
ジャガーの新しいサルーン「XF」を見てそう思った。ジャガーというイメージも、サルーンというスタイルも、さらにはコクピットの常識をも拭い捨てることで新たにつくりあげた世界。形式的には、ジャガーのアッパーミドルサルーン「Sタイプ」の後継モデルにあたるが、そんな説明が虚しく思えるほど、XFはすべてが新しいのだ。
“Beutiful Fast Car”コンセプトを具現した最初のモデルがモダーンで躍動感溢れる新世代クーペの「XK」なら、サルーンのXFはその新しいスタイルをより多くの人々に問うことになる極めて重要なモデルといえる。しかし、その麗しく、存在感のある姿を目の当たりにすれば、誰もがこのモデルの成功をすぐに予感するはずだ。
ダッシュボードセンターには7インチタッチスクリーンを配置、
おもな機能はここで選択できる。
全長4970×全幅1875×全高1460mmのボディは、世のクーペが嫉妬するほどの美しい佇まい。とくに、伸びやかなルーフラインと、スポーツカー顔負けのグラマラスなテールエンドには、つい視線を奪われてしまう。
かといって、デザイン一辺倒というわけではなく、たとえばこう見えて後席は足もと、頭上ともに十分なスペースを確保するなど、ジャガーの主力サルーンとしての身分をわきまえているのがわかる。
ドアが4つあることに違和感を抱くほど流麗なフォルムもさることながら、XFのコクピットはさらに大胆不敵だ。
ダッシュボードを被うレザーと各所に配されたウッドパネルが上質さを演出する一方、鈍く光るアルミパネルがアスリートとしてのXFをさりげなく主張している。
驚くのはセンターコンソールの造形。パーキングブレーキのレバーのみならず、シフトレバーさえも取り去ることで、デザインも機能も斬新な、XFならではの世界を切り開いたのだ。
旧き良き伝統を重んじつつ、古臭さからの脱却に見事成功したXFは、まさに時代の最先端を行くサルーンなのだ。
XF 3.0 Luxury 650万円
XF 3.0 Premium Luxury 760万円
XF 4.2 Premium Luxury 870万円
XF SV8 995万円
ジャガー|http://www.jaguar.co.jp/