Chapter2 Enjoyable life with SLK
CAR / FEATURES
2015年4月3日

Chapter2 Enjoyable life with SLK

Chapter 2
Enjoyable life with Mercedes-Benz SLK

SLKが誘う緑滴るオーベルジュへ(1)

2シーターコンパクトロードスターと位置づけられるSLKは、バリオルーフと呼ばれる電動格納式のメタルトップを備える。閉めればクーペなみの耐候性をもついっぽう、開ければフルオープンの開放感と、ふたつの世界のいいところを合体させたのが特徴。そんなSLKを駆り、自然ゆたかな伊豆のオーベルジュ『arcana izu(アルカナ イズ)』へ向かった。

文=小川フミオ写真=五十嵐隆裕

高い耐候性とフルオープンの爽快さ

メルセデス・ベンツが手がける小粋な2シーター、SLK。全長4.1メートルというコンパクトな車体には、電動でメタルトップが格納されるバリオルーフが備わり、耐候性の高さとともに、フルオープン走行の爽快さを味わうことができる。

風の気持ちよさを堪能できるSLKで、都会から抜け出し、自然のなかでリラックスするのは無上の楽しみだ。

日本におけるSLKのラインナップは多岐にわたり、スーパーチャージャー装着の1.8リッター、3.5リッターV6、そしてパワフルな5.5リッターV8とバリエーションが揃う。おなじSLKであっても、エンジンによってクルマの性格も少しずつ異なり、軽快なSLK200コンプレッサーからパワフルなSLK55AMGまで、上手く作り分けられている。

身体が車体と一体となるタイトさ

スタイリングをみると、サイドビューではたおやかな曲線を活かしたエレガントさを感じさせる。いっぽうフロントマスクは、中央のノーズ部分と、その先のメルセデス・ベンツのエンブレム、そして力強くひろがったフロントスポイラーなど、精悍さが強調される。まるでF1を思わせる、スポーティなドライブが好きなオーナーをよろこばせるデザインが採用されている。

スポーツカーは「着る」という表現があるように、SLKもタイト。むろん窮屈ではないが、ドライバーの身体と車体が一体と思わせるような、適度なサイズ感が好ましい。ドライバーの近くに操作系を配すことで、確実にすべての操作がおこなえる機能性の高さも高得点だ。全高を低く抑えたウィンドシールドも、古典的なロードスターを思わせ、さまざまなクルマを経験してきたドライバーにはうれしい演出だ。といってもオープン走行時の風の巻き込みは効果的に抑制されている。ここは現代の最高水準のロードスターだ。

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SLKが誘う緑滴るオーベルジュへ(2)

トルクバンド付近の美しいまでの走り

箱根から西伊豆へのドライブを楽しんだのは3.5リッターV6搭載のSLK350。全長4,110mm、全幅1,810mmと、2シーターロードスターにふさわしく比較的コンパクトにまとめられた車体のフロントに搭載されたこのV6は305ps/6,500rpmの最高出力と、36.7kgm/4,900rpmの最大トルクという、充分すぎるパワーを誇る。現在のメルセデス・ベンツにおける中軸をなすパワーユニットだ。

剛性感の高いシャシーと、しなやかな足まわりと、トルキーなパワーユニット。この3つが作り出す世界は、美しいと表現したくなるほどのもの。とくに4,000rpmあたりからエンジンがもっとも力を出すトルクバンドに入る。ここではスポーツカーとしてのSLK350の美点が強く出てくる。加減速はアクセルペダルに置いた足のごくわずかな力に瞬間的に反応しておこなわれ、人車一体感が強くなる。これを支えるのが新技術、ダイレクトステアリングだ。ハンドルの切れ角や切る速度から、前輪の舵角を制御する機構で、スポーティなドライビングのときは、わずかな切れ角で車両が気持ちよく向きを変えていく。

自然に癒されながらドライブを満喫できる

SLKはスポーツカーだが、メルセデス・ベンツの伝統にのっとって、長い距離のドライブでも疲労を感じさせない。乗り心地にくわえ、ハンドルの反応や、車体の動きなどが、不要に鋭くなく、よけいな緊張感をとりのぞいた操縦を可能しているからだろうか。世界のトップクラスのクルマづくりは健在と知れる。そこでSLKがあれば、都会から抜け出して、心身を癒やす旅も簡単だ。高速道路から山岳路を抜けるのも、SLKならそれ自体が楽しめるし、フルオープンゆえ、かぐわしい緑の香りを車内にいながら満喫できる魅力もある。

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SLKが誘う緑滴るオーベルジュへ(3)

ドライブの目的地は話題のオーベルジュ

昨今はホテルに泊まること自体を目的とした、いわゆるデスティネーションホテルが人気だ。たとえば伊豆・湯ヶ島の『arcana izu』。オーベルジュリゾートを謳い、宿泊、温泉、そしておいしい食事が楽しめる施設だ。一級河川の狩野川が眼下を流れ、ゆったりとした部屋からは大きな窓から豊かな緑の風景が眺められる。

各部屋のデッキには専用の露天風呂が設けられていて、伊豆の山間の澄みきった空気のなかで24時間入浴できるのも人気の理由だ。

『arcana izu』のもうひとつの魅力がレストラン『lumière arcana izu(リュミエール アルカナ イズ)』。宿泊棟とは別に独立したレストランは、高い天井と大きなガラス窓が特徴で、はじめて足を踏み入れたひとはたいてい驚きの声を上げるとか。

伊豆産の食材をふんだんに使用した料理

『lumière arcana izu』で供される料理は、フランス料理をベースにしながら、野菜のピュレを使ったソースなど、味付けは素材の微妙なところまで活かすとても繊細なもの。熟成した上質な赤身を味わえる伊豆牛など、肉も野菜も魚も地元の食材を多く使うのも、わざわざ訪れる価値を高めてくれている。ワインのリストも、そんな料理をうまく引き立てるためのもので、デギュスタシオンコースを頼めば、料理とベストマッチのワインを選んでもらえる。1日滞在するだけで疲れが溶けていくような気分を味わうことができる。

伊豆スカイラインは、夏にはとりわけ見事な光景だ。沿道の木が緑のトンネルのようになり、木漏れ日が太陽の光の美しさを強調する。そこを抜け、『arcana izu』へと走るのは、いいクルマだからこその楽しさ。SLKにはオープンの爽快さとクローズの快適性、ふたつのよさがあるように、ドライブ旅行は、気分が高揚すると同時に、ふだんのストレスから開放される癒しという、ふたつの効果がある。だからこそ、本当の意味でドライブが楽しめる。いい旅を堪能するには、SLKはいいパートナーだ。

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Mercedes-Benz SLK 350|
メルセデス・ベンツ SLK 350

ボディ|全長4,110×全幅1,810×全高1,300mm
ホイールベース|2,430mm
車両重量|1,500kg
エンジン|3,497cc DOHC V型6気筒
最高出力|224kW(305ps)/6,500rpm
最大トルク|360Nm(36.7kgm)/4,900rpm
トランスミッション|電子制御7速AT
価格|754万円

arcana izu|アルカナ イズ
静岡県伊豆市湯ヶ島1662
Tel.0558-85-2700
reservation@arcanaresorts.com
http://www.arcanaresorts.com/
宿泊料金|2名1泊朝食付き(1室あたり)4万6000円~
夕食料金|1万2600円~(税込み・サ別)
客室数|16室、各室専用露天風呂付き
チェックイン|15:00
チェックアウト|13:00

           
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