51%|富山で「日々のうつわ、ともに暮らす器たち」展
51%|五割一分
富山県富山市にある「五割一分」で開催
「日々のうつわ、ともに暮らす器たち」展
富山で建築設計施工を主に、グラフィックやウェブデザイン、家具雑貨販売などもおこなっている「五割一分」にて、鎌倉で「うつわ祥見」を主宰する祥見知生氏がセレクトした器を紹介する「日々のうつわ、ともに暮らす器たち」が2月15日(土)より開催される。
Text by KAJII Makoto (OPENERS)
土から生まれた器の数々が登場
限られた時間のなかで、限りある食事の機会、それをともにする愛おしい器――「日々のうつわ、ともに暮らす器たち」をプロデュースする「うつわ祥見」は、2002年に鎌倉の高台にプライベートギャラリーとしてオープン。主宰者の祥見知生氏は、ごはんのうつわ展、めし碗展など、食べる道具の美しさを伝えるテーマ性のある器の展覧会を全国各地で開いている。
今回は、五割一分が展開する空間・家具(テーブル、椅子)とともに、日々をともにする、暮らしを豊かにする器を紹介する。
<主な作家>
石田 誠
薪窯焼成による南蛮焼締や、スリップウェア、地元・愛媛の磁器土を使った紅毛手(デルフト)など、奇をてらわず素材の土に素直な器を作る。人間味にあふれる飄々とした独特の味わいある作が多い。
尾形アツシ
土の持ち味に逆らわず、原土に近く鉄分の多い土のよさを引き出す。粉引き、刷毛目、灰釉の器、土味のある平皿やめし碗など、基本の器に人気がある。編集者として活躍した後の転身で、奈良の山あいに住み、日常に使われる器を作りつづけている。
小野哲平
常滑を経て高知の棚田の美しい山あいにて、薪窯焼成の器を中心に使うひとを励ます力強く頼りがいのある日々の器を作る。インドやアジアの国々への旅を原点に、素朴さ、あたたかさ、純朴な豊かさを心に蓄え、作る器にはごまかしのないおおらかな眼差しが感じられる。
亀田大介
福島県浪江町に生まれ、約300年の歴史がある大堀相馬焼の窯元の一つである「松助(しょうすけ)窯」を父の急逝により若くして受け継ぎ、4代目当主として穴窯・登窯・ガス窯を用いて伝統的な大堀相馬焼にくわえ、焼締・粉引・白磁を中心としたやきものを制作。2011年の東日本大震災・福島第一原発事故で、神奈川に避難されたのち、2013年春、大分県・別府の地へ新天地を求めて移住し作陶をつづけている。
吉岡萬理
粉引き、鉄彩、刷毛目、そして自由奔放な色絵まで。 潔く美しいかたちとともに、オリジナティに富む表現で器を作る。器、花器や、油彩絵画など、鮮やかな色彩の色絵には弾む楽しさがある。近年は、あらたに、長石釉の仕事に取り組む。
吉田直嗣
白磁作家・黒田泰蔵氏に師事。独立後は鉄釉の黒の器を作り、緊張感の漂う美しいかたち、深い色合いで独自の世界を作り出した。繊細さと大胆さが魅力の器の作り手である。近年は白磁に取り組む。
横山拓也
黒土に何度も白化粧をほどこした印象的な器を作り注目される。独特のかたちと存在感のある碗や台皿など、静けさを内包した佇まいの器を制作。近年はざっくりとした印象の黒の器も発表し、表現の幅を広げている。