連載|丸若裕俊の“旅のモノ語り”~同行逸品~|ゲスト 石川 涼|ThreeBond
LOUNGE / ART
2015年2月10日

連載|丸若裕俊の“旅のモノ語り”~同行逸品~|ゲスト 石川 涼|ThreeBond

連載「同行逸品」|丸若裕俊がゲストと繰り広げる“旅のモノ語り”
同行四人目|石川 涼(株式会社せーの 代表取締役)

モノよりも体験に価値がある(1)

伝統的な匠の技と、最新の技術力を融合・投影したプロダクトをプロデュースする、丸若屋代表の丸若裕俊氏。彼をホストに、毎回異なるゲストが“旅に同行 (どうぎょう)するモノ”を持参して、旅について語らう新連載がスタートする。本連載をサポートするのは、“旅には、人と人をくっつける力がある。それは 旅仲間同士の絆であったり、旅行者と地元住民の絆であったりする”──そのように考える工業用シール剤・接着剤メーカー「スリーボンド」だ。ゲスト四人目は、2004年にファッションブランド「VANQUISH(ヴァンキッシュ)」を立ち上げ、現在では7ブランドを展開する「株式会社せーの」の代表取締役、石川 涼氏である。

※「同行逸品(どうぎょういっぴん)」とは、四国遍路の言葉「同行二人(どうぎょうににん)」からヒントを得たタイトルです。常に弘法大師と一緒に巡礼しているという意味で、笠などに書きつける語のことです。選び抜いた逸品とともにその人の旅がある──そんなイメージを表現しています。

Photographs by JAMANDFIXText by KASE Tomoshige (OPENERS)

何十万羽という野生のフラミンゴ

丸若裕俊(以下、丸若) 今日はよろしくお願いします。まずお聞きしたいのですが、日本にいるのは年間どのくらいなのでしょうか?

石川 涼(以下、石川) 今年(2013年)は3分の2くらい海外にいて、日本に月に1日しかいないときもありました。タイに会社をつくったので、アジア中心なんですけどね。ヨーロッパやアメリカにも、行きます。なるべく日本にいたくないんですよね……(笑)。

丸若 それは僕も口癖のように聞いています(笑)。本格的に旅に行くようになったのは、いつ頃からなんですか?

石川 前からずっと旅行はしていたんですけど、いまのように頻繁に海外に出るようになったのは、3年くらい前からかもしれないですね。

丸若 以前は意地を張って、旅に行かなかったと聞いたことがあるのですが……。

丸若裕俊|石川 涼|同行逸品  02

"「株式会社せーの」代表取締役の石川 涼氏"

石川 意地を張るどころか、友達がいなかったからね(笑)。本当に3年ほど前、震災前くらいまでは、ウチの社員以外は全員敵だと思っていたから。

丸若 本当ですか? 今では外を歩いている人全員が友達、みたいな感じですけれど(笑)。

石川 本当に全員、敵だと思っていました。そうじゃなかったら多分、会社はここまで大きくならなかったと思いますよ。

丸若 なるほど。涼さん(石川 涼氏)がここまで頻繁に旅するようになったきっかけはあるのでしょうか?

石川 きっかけは藤原ヒロシさんと一緒に世界一周をしたことですね。2週間くらいで、10何カ国か回って。4、5年くらい前のことです。

丸若 特に印象に残っている国はありますか?

石川 チュニジアでしょうか。空港からホテルまでが一本道で、両側がものすごく広い水田なんですよ。その水田に、何十万羽という野生のフラミンゴがブワーッといるの。「本当に片足で立ってる!」って(笑)。

丸若 それはすごい体験ですね(笑)。実際にフェイスブックなどで(石川氏の旅の様子を)楽しませてもらっているんですけれど……トランクも、毎回変えていますよね?

石川 着ている服に合わせて、色の違うグローブ・トロッターを持って行ったりとかしますね。

丸若 お気に入りのトランクは?

石川 リモワがいいですね。特に4輪が一番ラクです。グローブ・トロッターは雰囲気はいいんだけど、常に斜めに持たなきゃいけない。なんで4輪にしないのかな、っていつも思うんだよね。

丸若 そのうち涼さん、別注モノを作っちゃいそうですけど……。

石川 ああ、ヴァンキッシュで?(笑)

丸若 はい。

石川 うーん……でも、あのような歴史あるものを大事にされているブランドは難しいんじゃないですか。

丸若 たしかに、そうかもしれませんね。

丸若裕俊|石川 涼|同行逸品  03

本連載のナビゲーターを務める丸若裕俊氏

一生に一回しか行けないかもしれない

丸若 フェイスブックなどで旅先の写真をよくアップしていらして、楽しませてもらっているのですが、ライカ(※1)もお好きですよね? 今日持ってきて頂いたのは……。

石川 最新の「M」というモデルです。これと「M モノクローム」っていうモノクロ写真しか撮れないものと、以前の機種で「M9」を持っていますね。

丸若 僕は正直、カメラはあまり詳しくないのですが、ライカは実際に持ってみるとずっしりと重く、存在感というか、たたずまいがものすごく魅力的ですよね。それに、シャッターを切った後に撮れた写真が……ここまで違うのか、ってほど衝撃的で。

丸若裕俊|石川 涼|同行逸品  04

ライカのデジタルカメラ「M」

丸若裕俊|石川 涼|同行逸品  05

世界各国の紙幣を収納しているポーターの長財布

石川 でも、実は僕もよく分かってないけどね(笑)。色の出方が素晴らしいよね。レンズは18ミリから90ミリまで10本くらいあって、行く場所によって2本くらい持って行きます。広角レンズと、望遠レンズと。

丸若 涼さんは海外に行くとき、荷物がかなり少ないほうだと思うんですが……なぜこんなに重いライカを、持って行くんですか?

石川 もしかするとその場所は一生に一回しか行けないかもしれない。思い出を切り取っていくんだったら、いいカメラの方がいいって、気付いちゃったんだよね。

丸若 重さを超える魅力があるんですね。旅先での涼さんの携行品といえば、カメラのほかに財布があると思うんですが。

石川 このポーターの財布(※2)はいろんな国のお金が入るんです。僕は気まぐれで、明日はほかの国に行ってみよう、ってなるから。一応、タクシー代分くらいの外貨は持ち歩いています。

丸若裕俊|石川 涼|同行逸品  07

青いボトルのミネラルウォーター、「ソラン・デ・カブラス」(スリーボンド貿易株式会社 http://www.threebond-trading.co.jp/)

丸若 すごいですね。こんなにたくさん入っているとは思わなかったです(笑)。アジアの紙幣が多いんですか?

石川 ユーロもあるし、ドルもあるし、シンガポールから、インドネシアから、中国から、全部ある。ジェームスボンドみたいでしょ。

これ以外の財布はあまり持ち歩かないんで、マネークリップをいっぱい持っています。お金と、クレジットカードを挟んで、ポケットに入れる。

丸若 いろいろ試してみて、このルイ・ヴィトンのマネークリップ(※3)を選んだんですね。

石川 ルイ・ヴィトンのこのタイプが一番使いやすい。だから、このタイプはたくさん持っています。

丸若 すごくシンプルなデザインですけど、とても美しい。

モノに価値がなくなる?

丸若 旅を通じて人生観が変わったことはありますか?

石川 モノより体験のほうが大事。見たこともない景色や、それぞれの国の人の考え方とか……そういうことを知るほうが、やはり価値があるな、と。

たとえばですけど、女の子に、バッグをプレゼントするとしますよね。僕があげても、丸若くんがあげてもモノとしての価値は変わらない。だったらそのお金で海外に連れて行ってあげて、僕しか体験させてあげられないことをプレゼントして、一緒に共有できるほうがいいな、っていう。そういう方が価値がある、と思うようになりましたね。(対談の)主旨が変わってきているかな(笑)。

丸若 大丈夫ですよ。僕の当初の予想よりもずれていないです(笑)。別の仕事で聞いた話なんですが、ヨーロッパの富裕層が「体験」に使うお金が、この先かなり伸びるだろうって数字が出ているらしいです。

石川 絶対そうなる。モノは世界中どこも一緒になってきているし、どこからでも買えますからね。

丸若 でも旅というのは、日本国内だろうが、海外だろうが、人によって全然違う経験になっていくはずです。

丸若裕俊|石川 涼|同行逸品  08

ルイ・ヴィトンのマネークリップ

石川 4カ月くらいタイに滞在していたとき、「日本と全然違うな」って思ったことがあって。それは「1時間くらいで国外に行けちゃう」ということ。東南アジアだけでなくヨーロッパもそう。パリにいたとしても、「ちょっと箱根行ってくる」くらいの感覚で、イタリア、スペイン、ロンドンまで行けちゃう。そういう感覚が日本人にはないんだよね。もっと気軽に行けるようになるといいけどね。

丸若 でもいま、バーチャルな情報に触れやすくなっているから、誰もが「知っている感じ」になっているじゃないですか。最初の話じゃないですけど、実際に“フラミンゴ いっぱい”って検索したら、YouTubeで近い映像が見られると思うんですよ。

それを情報的に知っているのと、実際に見たのとではまったく違う。バーチャルのクオリティが上がってきて、本物に触れずに終わってしまう。それはかなりもったいないと思いますね。

石川 実際に行ったほうが絶対にいいですよ。世界一周にしたって、思っているよりもずっと簡単だもん。

※1 1849年に創業した顕微鏡メーカーを前身とする、歴史あるドイツのカメラメーカー。1925年に発表した35ミリフィルムを使用する小型カメラ「ライカA型」によって、世界中に認知される。現在はデジタルカメラも多数ラインナップする。http://jp.leica-camera.com/

※2 世界各国の紙幣を入れているというポーターの長財布。たくさんの紙幣を分割して収納できるようになっている。

※3 数々のマネークリップを試した末に行き着いたのが、このルイ・ヴィトンの「パンス・ア・ビエ ポルト アドレス」。30枚程度の紙幣を束ねることができる。

test_665_50_banner (1)

連載「同行逸品」|丸若裕俊がゲストと繰り広げる“旅のモノ語り”
同行四人目|石川 涼(株式会社せーの 代表取締役)

モノよりも体験に価値がある(2)

※「同行逸品(どうぎょういっぴん)」とは、四国遍路の言葉「同行二人(どうぎょうににん)」からヒントを得たタイトルです。常に弘法大師と一緒に巡礼しているという意味で、笠などに書きつける語のことです。選び抜いた逸品とともにその人の旅がある――そんなイメージを表現しています。

Photographs by JAMANDFIXText by KASE Tomoshige (OPENERS)

アジアの高揚感

丸若 いろんなところに行ってらっしゃるなかで……アジアの魅力ってなんでしょうか?

石川 特に東南アジアには「20世紀がなかった」と思うんですよね。21世紀に、急によくなってきている。トランクの話と一緒なんですけど、逆にヨーロッパをはじめとした、古いものを大事にしている国は、新しいものが入りにくい環境がありますね。

例えば景観を損ねるからダメとか、ルールが多い。そうするとビジネス的には難しくて。でも東南アジアは一切、そういう縛りがない。一気に未来に向かって進んでいる感じがある。若い人のカルチャーが育ちやすい環境にあるから、ビジネスをやるなら、東南アジアの方がいいかなと。

丸若 たしかに街並みの景観などは、ヨーロッパのほうが整っています。でも今の東南アジアには目に見えない勢い、空気感、高揚させるようなものがありますよね。そういう日本の80年代、90年代の空気が。

石川 無秩序じゃないと、新しいものは生まれないですよ。東京もルールが多くなりすぎちゃって。

丸若 普段の涼さんって、一つ一つの物事に真剣じゃないですか。もしかしたら世間にはそれが誤解されているいんじゃないか、って思う時もあるんです。でも今日は涼さんの真剣さというか、ピュアなところが伝わってるんじゃないかと(笑)。

石川 めちゃくちゃ真剣だよ、いつも(笑)。

丸若 涼さんはヴァンキッシュというブランドを通じて、東京を見尽くしてきたわけじゃないですか、いろんな角度から。東京と今の東南アジアと、共通点はありますか?

石川 そのあたりはすごく難しいところだよね。日本のカルチャー、日本のブームって独特で。90年代の裏原宿ブームもそうだし、僕らのブランドに代表されるギャル男くんブームもそうなんだけど……若い子が一つのことに熱中して、そういうコミュニティができていくのって、日本だけなんですよ。

丸若裕俊|石川 涼|同行逸品  11

いろんな国の人たちと話して、最近わかったんだけど、外国人ってファッションは二の次。それよりも、フィロソフィとか、アイデンティティとか、もっと大事にしているものがある。基本的にそちらで精一杯で、そのあとに「じゃあファッションを」ってくらいの感覚。

でも日本人は逆に、そういうこと(フィロソフィやアイデンティティを)を飛ばして格好や見た目を優先する。外国人からみると「日本人は人生を大事にして、さらにファッションにまで気を遣うなんて、なんてお洒落なんだろう!」って勘違いしていることに気づいたんだよね。

丸若 すごくわかります。90年代、僕が高校生のときに、ニューヨークから来た友達がいて。彼が原宿に行って、ヒップホップの格好をしているたくさんの若い子を見て「これだけヒップホッパーがいる国は他にない!」ってびっくりしてたんです。で、ヒップホップな格好をしている人たちにいろいろ話しかけたんですが、全員、英語が話せない(笑)。「彼らは、わざと話さないのか? ソウルメイトだと思って話しかけているのに」って。

丸若裕俊|石川 涼|同行逸品  12

石川 東京と同じような場所はあんまりないよね。ただ、例えばタイのバンコクは、若い子たちがチャレンジできる場所がたくさんある。いきなりテントでお店をはじめて、売れると小屋になって、さらに売れると路面店になったりする。またさらに売れると大きな百貨店に入ったり。そういうのはやっぱり夢があるよね。

日本はもちろん、香港、シンガポールもそうですけど、ある程度まで成熟すると、ちゃんと会社になってないと、百貨店のような場所には入れない。それでは、若い子たちのカルチャーは育ちません。

オーロラを見に行く

丸若 ちなみに僕の勝手なイメージですけど、涼さんは商品を作ったり企画を考えるとき、パソコンをガンガンやって、リサーチするタイプじゃないですよね。

石川 全然しません。

丸若 感覚的なものですよね。考えたうえでの、感覚だと思うんですけども。例えばこのポーターの青いトートバッグ(※4)とか。この青色には、きっかけがあったりするんですか?

石川 青は、ずっとヴァンキッシュのテーマカラーなんです。このバッグはヴァンキッシュの10周年記念につくった、ポーターとのコラボ。ポーターさんもこの青色は、使ったことがないって言っていましたね。

丸若 あ、一見シンプルですが、PCもしっかり入るんですね。

石川 そして本当に軽いから、海外で持ち歩くのにすごくラクなんです。あと、今年(2013年)からタイの会社で、吉田カバンさんとの代理店契約を締結しました。今までタイで正規流通をおこなっていなかった吉田カバンさんの商品PRを含めて、タイ国内にて流通をしていきます。

丸若 ではこれからタイは行ったり来たりですね。最近、旅先でテンションが上がったことはありますか?

石川 パリには何回か行っていますが、前回は、初めてルーブル美術館に行きました。ちょっと感動しましたね。

丸若 ルーブルの収蔵はすごいです。僕が初めてルーブルに行った時に思ったのは、「世界中からどれだけ集めたんだ」って。ちょっとやそっとじゃ回れないですよね。

丸若裕俊|石川 涼|同行逸品  13

ヴァンキッシュの10周年を記念し、ポーターとコラボして制作したトートバッグ

丸若裕俊|石川 涼|同行逸品  14

10周年記念のネームタグ

石川 回れない。観る時間が1時間しかなかったし。

丸若 それは挑戦でしたね(笑)。

石川 今度、アイスランドに行くんです。2日間でオーロラを1回見られれば、と。見られる保証はないんだけど。

丸若 普通の会社で社長がいきなり「オーロラを見に行く」って言ったら、社員は「えーっ」となります。でも涼さんの会社の社員の方は「それが変化につながる」と思ってらっしゃるはずなんです。旅に行った方がいいと。

石川 日本だけではダメですよね。「カワイイ」「カッコイイ」「面白い」っていう感情は、その時点でグローバル。ぱっと見て「わぁ!」となる感覚。そういう仕事をやりたいですね。日本だけではなく、世界を対象にして。

丸若 いちいち理由づけすることなく、理解できる言語に翻訳して共有することなく、直感的に、感覚的に。

石川 感動ビジネスですよね。「わぁ!」っていうのはどこの国の人がみても理解できるから。

旅の体験が形になる日

丸若 今回、「何がどう伝わるか」は読んでくれた方次第だとは思いますが……大きなヒントがあるはずです。ヒントがありそうな人と話したいと思って、この連載をやっていますし、そこからクリエイティブなものが生まれると思います。

僕の職業は、ある意味伝統に向き合う職業なんです。伝統に対するスタンスってどうあるべきだと思いますか? 僕は伝統って、進行形だと思っているんです。

石川 ただね、伝統って、本当に難しいと思います。

丸若 涼さん、“いいモノ”が好きじゃないですか。

石川 僕個人は、好きなんです。でもビジネス的には、いわゆる伝統は必要じゃなくなってきますから。仕事には一切反映させない。それは本当に切り離しています。

丸若裕俊|石川 涼|同行逸品  15

丸若 伝統的なものをつくる人であるほど、いろんな刺激を感じたほうがいいはずなんです。最先端を築いているひとたちって、基本的にモノ好きなんですよね。ある意味モノを否定して、スピードを重視している人たちのなかに残るモノって、なんだろうと。

それは戦い抜いてきたもので、ライカもそう。カメラっていう市場のなかで、王者として生きているのは、人智を超える部分があるというか。使い勝手だけの問題じゃないですもんね。重いし、高いし。

石川 やっぱり感動ですよね。ライカが写す色って、自分の目にも写ってない色が見えるわけで。でも切り取った瞬間、すべて見ることができる。そういう感動。

丸若 ライカのクラシックな見た目からは考えられない、今を感じさせてくれる絵を与えてくれる。“ものづくり”が相手に与えることって、そういうことだと思います。

石川 感動ビジネスなんですよ。うちで始めた“gonoturn(ゴノタン)”もそう。スノボのネックウォーマーがクマになっている──女の子は絶対に写真撮るじゃないですか。歩くと足跡がハート柄になるビーチサンダルなんて、「わぁ!」ってなるはずですから。

丸若 たとえば“オーロラ”が、“ビーサンのハート”につながるかどうか──普通は結びつきませんが、涼さんの場合はおそらく結びつくんだと思います。もっと旅に行けば、もっと面白いものが生まれるのではないか、と。

今回の対談も、どこに話が行くかわからなかったのですが……乱暴に言うと「世界一周してクマのマスク(ゴノタンを代表するアイテム)が生まれるのか!」と……(笑)。それもやはり、旅の力ではないでしょうか。それにしてもゴノタンも、最初は「いったい何がはじまったんだろう」と思いました(笑)。

石川 すごいでしょ、広まり方!

丸若 本当に驚きですね。ともかくも、アイスランドの体験が、いつか形になるのを楽しみにしています。形になったことに、ご本人も気付かないかもしれないのですが――今日は本当にありがとうございました。

※4 独特な色調のブルーが美しい、ヴァンキッシュのトートバッグ。ブランド創立10周年を記念し、ポーターとコラボレーションして制作。収納を多く備え、非常に軽量に仕上げている。2万4150円(VANQUISH/Ceno.Company Tel.03-5734-1412)

石川 涼|ISHIKAWA Ryo

1975年、神奈川県生まれ、静岡県育ち。2004年、ファッションブランドVANQUISHをスタート。2006年に、渋谷109MEN’S館にショップを出店、ほどなく“ギャル男”の象徴ブランドとして、絶大な支持を得る。「株式会社せーの」は、現在VANQUISHを含め6つのメンズブランドと、レディ-スブランド3rd by VANQUISHの合計7ブランドを展開。また2012年9月に、マスクを中心に、ミラー、帽子、手袋、ストラップなど、“Cute is Justice!”をブランドコンセプトに掲げる新ブランド“gonoturn(ゴノタン)”を立ち上げる。 http://ceno.jp/

丸若裕俊|MARUWAKA Hirotoshi

1979年生まれ。東京都出身。日本の現代文化をしつらえる 「株式会社丸若屋」代表。普遍的な"美しさ"と今という"瞬間"を、モノとコトに落とし込む事で現代に則した価値を導き出す。伝統工芸から、「北嶋絞製作所」を始めとする最先端工業との取り組みまで、日本最高峰との"モノづくり"を行う。「九谷焼花詰 髑髏お菓子壷」(金沢21世紀美術館所蔵)、「上出長右衛門窯×JAIMEHAYON」(ミラノサローネ出品)、「PUMA AROUND THE BENTO BOX」を主導。 http://maru-waka.com/

[連載「同行逸品」サポーター]

土田耕作|TSUCHIDA Kosaku

1977年生まれ。東京都出身。株式会社スリーボンドホールディングス 取締役 兼 スリーボンドファインケミカル株式会社 代表取締役社長。人と人の絆が生まれるメカニズムを調査・研究する“くっつく絆メカニズム”を企画。さまざまな分野で活躍する方々とのインタビューを通じて、モノとモノをくっつけるだけでなく、ヒトとヒトをくっつける研究に励む。丸若氏とのつながりも、“くっつく絆メカニズム”より生まれた(「ThreeBond presents くっつく絆メカニズム Webサイト」 http://929kizuna.com/)。現在はこの企画を発展させた活動として“Creators' Bonding”を展開している。

「Creators' Bonding Web」
http://www.creators-bonding.com/

threebond_logo

スリーボンド

http://www.threebond.co.jp/

工業用シール剤・接着剤メーカー。日本/アジア/中国/欧州/北中米/南米と、世界を6極に分けた地域統括制をとり、自動車産業を中心に電気・電子産業、インフラ産業などさまざまな分野でグローバルに展開している。

丸若屋

http://maru-waka.com/

http://h-maruwaka.blog.openers.jp/

https://www.facebook.com/maruwakaya

公式Sumallyページ「円游庵」にて丸若屋が手がけたプロダクトなどを公開中

http://sumally.com/maruwakaya_enyuan

test_665_50_banner (1)

           
Photo Gallery