LEXUS RX350 試乗(後編)|スタイルを運ぶ器
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2015年4月20日

LEXUS RX350 試乗(後編)|スタイルを運ぶ器

LEXUS RX350 試乗(後編)

スタイルを運ぶ器

いよいよ日本市場に導入されたレクサスのSUV、RX350。女性にもお薦めしたいジェンダーフリーなモデルである。

文=瀧 昌史写真=河野敦樹

アンダーステートメントな風合い

レクサス初のSUV、RXはSUV、セダン、スポーツカーのいいとこ取りモデル「ハリアー」として誕生し、進化してきたモデルです。誕生直後のCMキャラはライオン男で、そこにはそこはかとなくベルサーチ感が……。

ところがレクサスへ昇格となったRXは、アンダーステートメントな風合いで、SUVにはやや風当たりの厳しい昨今でも、なんだか趣味もよさそうだしこれはこれでアリか、と許されてしまいそうなキャラ。ここらへんのキャラ設定のうまさは、さすがです。しかもこのRX、レクサスのラインナップにおいて、はじめてのジェンダーフリーなモデルになりそうです。

レクサスは社会的ヒエラルキー、つまり格式を重んじています。オーナーのスタイルとしてスーツorゴルフウエアの感があり、それはそれで需要に合致していました。

ところがRXは、格式とは少々距離をとり、クルマとしていくぶん自由な気がします。エッジの効いたクロームのウインドウフレームや、スラント
したクーペのハッチのリアのデザインはレクサスデザインの範疇とはいえ、その背景に社会(=会社?)ではなく個人を感じさせます。

ミニバンやSUVといった実用的で大きく見えるクルマを運転するのが女性は好きですし、そういったクルマなら路上で多少もたついても理不尽な扱いを受けないことを知っています。

快適なペースで思い通りのドライブができる

とはいえ、とくに都市生活を楽しむ彼女たちにとって疲弊した生活感や、偽悪的な下品さは論外。ゆえにジャーマンメイドのSUVが正解のひとつでしたが、それにRXがとってかわる可能性はかなり高いのではないでしょうか?

いわゆるレクサスのサービスがついてきますし、ジャーマンブランドにはない清潔感、清涼感がRXにはあります。ジャーマンメイドのそれはクルマとしてデザインされていますが、RXはクルマである以前にレクサスであり、スタイルを運ぶ器のようです。ある面、クルマ臭がありません。

しかも。4月にはハイブリッド版のRX450hのデビューも控えています。さらにクリーンで知的で、しかもニューモード。こういった役の揃ったクルマを女性が見逃すはずがありません。そうイメージを膨らませていくと10種類用意されているエクステリアカラーに優しい風合いの中間色が多いような気がしますし、そのデザインは二子玉川の高島屋や、阪急西宮ガーデンズの駐車場でかなり映えそうな気がします。

デザイン的にシャープであるにもかかわらず、一部のジャーマンメイドのスポーティなSUVのように居住空間が犠牲になっていない点もさすがです。しっかり荷物を積めるし、乗り降りのたびに低いルーフラインに身をかがめる必要もありません。無数に走るキャラクターラインはやや難解で、オーナーのプライバシーを丁寧に護る白磁器のようでもあります。

RX350にはパドルシフトの設定がありません。2tのやや重心の高いボディを、都市交通のなかで自在に操るのに、心もとないのでは? と最初は思いました。しかし試乗を終えるころにはそんな疑念は霧散しており、パドルは無用だと納得できました。ことさら操ることに集中したりクルマと会話せずとも、快適なペースで思い通りのドライブができたからです。

ミッションやサスペンション、タイヤの連携が想像した以上にスムーズで、まるで同乗者をいたわりながら運転しているかのようでした。つねに最小の入力で最上の結果が引き出せるという一点においても、おおいに女性を惹きつけることでしょう。RX450hのリリースが待ち遠しいところです。RXはレクサスのオーナー像に、大きな幅をもたせることになるでしょう。

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レクサスRX350

ボディ|全長4770×全幅1885×全高1690mm
エンジン|V型6気筒DOHC
最高出力|206kW[280ps]/6200rpm
最大トルク|348Nm[35.5kgm]/4700rpm
駆動方式|4WD
トランスミッション|電子制御6段AT
価格|565万円(version L Air suspension)

レクサスインフォメーションデスク 0800-500-5577

http://lexus.jp

BRAND HISTORY
トヨタがアメリカ市場において高級車ブランドLEXUS(レクサス)を立ち上げたのは1989年のこと。トヨタが誇る高い技術力と優れた品質、そして極上の顧客サービスにより、アメリカやドイツの高級車とは一線を画す新しい価値を提供しようというのが狙いであった。

同年9月、「LS400」(日本名セルシオ)と「ES250」(同カムリ)がアメリカ市場に投入されると、翌1990年2月には早くもLS400がベストインポートカーを獲得している。その後もレクサスの評価は高まるばかりで、ラインナップの拡大とともに、高級車ブランドとしてのポジションを確実にしていった。

アメリカでの成功を受けて、2004年にはヨーロッパ進出を果たしたレクサスは、同年5月、日本での事業展開を発表。翌2005年8月には、母国での高級車ビジネスをスタートさせた。開業当初は、「GS」(トヨタブランドのアリストの後継車)、「SC」(同ソアラ)、「IS」(同アルテッツァの後継車)と、フラッグシップの「LS」を欠くラインナップだったが、2006年9月には待望の新型LS、そして、2007年5月にはそのハイブリッド版の「LS600h/LS600hL」を投入することで、ラグジュアリーサルーン購買層の期待に応えている。

一方、2007年10月にスポーツモデル「IS F」を発表、また、2008年5月に行われたニュルブルクリンク24時間レースに開発中のスポーツクーペ「LF-A」を投入するなど、スポーツイメージの獲得に力を入れており、さらなる人気拡大が期待される。

           
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